環境の変化で不安に直面した時、その壁を乗り越えるために、頭の片隅に置いておいてほしい5つのTO DOをキャリアコンサルタントがアドバイス。

■教えてくれた人
『リクルート キャリア』キャリアコンサルタント 岩山笑子さん
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1 悩んでいる自分を否定しない! むしろ成長のチャンス!

Do!
「ゼロから人間関係を構築し、新しく業務内容を覚える……。職場が変われば、多かれ少なかれ理想と現実のギャップに戸惑うのは当然のこと。逆に、悩んでいる部分こそが、自分の伸びしろであるとも言えます。悩みから目を背けたり必要以上にネガティブに考えるよりも、“何に悩んでいるのか、どうしたら改善されるか”を冷静に考えることが今後のキャリアに役立ちます」(岩山さん、以下同)

Don't!
「同時期に中途入社した同僚と仕事を覚える速さを比べてしまって自己嫌悪に」(27歳・金融)、「前職での経験が生かせていないのではと焦ってしまう」(28歳・商社)など、自己否定に陥る人も。乗り越えるための対策に目を向けよう。

2 新しい職場での“テーマ設定”をする

Do!
「新しい職場で早く成果を出したいという一心で、やみくもに頑張るのは肉体的にも精神的にも危険。どんな成果を出してどう成長していきたいか、そのために取り組むべきことを“テーマ”として整理し、“今週のテーマ”、“今月のテーマ”など、短期的&長期的の両面から設定してみましょう。目の前のやるべきことが明確になると、ゴールに向かって走りやすいもの。不安やストレスから解放されるはずです」

Don't!
「早く仕事に慣れるために頼まれた案件を全部引き受けていたら、転職した目的を見失いそうになった」(28歳・IT)など、現状のキャパシティ以上の負荷をかけてしまうケースが。自分の成長段階を細かく見据えて達成していくことが大切。
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3 実力のアピールを急がずまずは知ろうとする姿勢を

Do!
「前職での経験や実力を生かしたい、アピールしたいという気持ちが強すぎるとから回りしてしまうことも。まずは、その職場での仕事の進め方を知る、仕組みを理解する姿勢が必要です。そうすると、これまでの自分の経験ややり方を生かせる部分と、その職場のやり方を踏襲してブラッシュアップさせるべき部分が浮き彫りになって見えてくるはず。さらには、相互理解につながってコミュニケーションもうまくいきやすくなります」

Don't!
受け入れる職場側の声として、「進め方を教えている最中に、『前職では……』と話をさえぎられることが多くて疲れた」(28歳・公務員)、「今までの自分の経験を過信ぎみで、フォローが大変だった」(29歳・商社)など、ディスコミュニケーションを招きやすいので要注意。

4 会社内外でコミュニティを増やす

Do!
「職場が変わった時の悩みとして、“誰に相談していいかわからない”という声があります。そんな時こそ、直属の上司や同僚だけに限らず、他部署の人、社外にも目を向けて新しいコミュニティをつくる絶好のタイミングです。コミュニティを広げることで、あらゆる立場の意見や価値観を取り入れることができたり、意外な形でスキルを獲得できることも。環境の変化=視野を広げるチャンスだと思ってください」

Don't!
「転職して同期がいなくなり、ひとりで黙々と仕事をこなす日々です」(27歳・受付)、「配属されたチームの年齢層がバラバラで、コミュニケーションをとるのがおっくう」(26歳・金融)と、年齢や年次にとらわれているともったいない!
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5 頑張りすぎない。自分の限界値を知っておくこと

Do!
「実務経験が豊富なモア世代は、職場が変わっても頼りがいのある存在として、仕事量が多くなったり責任が大きい仕事を任せられる傾向に。それはキャリアアップのチャンスでもあるけれど、環境の変化に対応すること自体がエネルギーを要することなので、自分の限界値はきちんと把握しておくことも重要です。最初の段階から、理想の働き方と現状のすりあわせをする習慣をつけておきましょう」

Don't!
「抱えている仕事量を周りに言えず、ひとりで残業の日々」(25歳・広告)、「頑張ればできると思ってなんでも仕事を請け負ったら、体調を崩した」(28歳・不動産)。仕事を抱えすぎたり、周りに助けを求めたりしないのは、心身共に疲弊する原因に。
取材・原文/海渡理恵 監修/岩山笑子(リクルート キャリア) イラスト/Shapre ※全国の22~32歳有職女性を対象に、100名にインターネットによるアンケートを実施