Story of my life 私の履歴書【連載第3回】

自分らしくキャリアを築いている女性にインタビューするこの連載。今回は、大手広告会社でコピーライター/アクティベーションプラナーとして活躍中の内山奈月さんにインタビュー。学生時代に芸能界デビューするも、大学卒業前には引退し、就職。現在のお仕事について聞きました。

コピーライター/ アクティベーションプラナー
内山奈月(うちやま なつき)

1995年生まれ、神奈川県出身。2012年5月、高校2年生の時に、オーディションに合格し、アイドルグループに加入。16年2月、グループを卒業。学生キャスターなどを経験し、大学卒業後、博報堂に入社してコピーライター/ アクティベーションプラナーを務めている。

History

2012年 アイドルグループ研究生オーディションに合格

2014年 慶應義塾大学経済学部に入学

    『憲法主義 条文には書かれていない本質』出版

2016年 アイドルグループを卒業

2018年 大学卒業、博報堂入社

2020年 宣伝会議「ブレーン」 第7回オンライン動画コンテストでグランプリを受賞、 Twitter Next 主催「TwitterAward4HAKUHODO」グランプリ受賞

2023年 TCC新人賞を受賞

原点は文化祭好き!? アイドルから、広告や企画を生み出すコピーライターに!

暗唱、アイドル、キャスター…興味を持ったらなんでも挑戦するのが私のモットー

内山奈月さん

ーー現在、コピーライター/アクティベーションプラナーとして活躍中の内山さんですが、なんとアイドルという過去が!

小さい頃からアイドルになりたかったというわけではありませんでした。学生時代に、はやりの国面的アイドルのドキュメンタリー映画を観に行って、メンバーの方々が汗と涙を流しながら夢を追いかけている姿が、かっこいいなと憧れたことがきっかけです。私はミーハーなところがあるので、TV番組やCMなどでよく見かける彼女たちに興味を持って、初めて自分でオーディションに応募したんです。だから、ダンスや歌も未経験。合格した後も、上達したいと一生懸命努力はしましたけど、それだけじゃ戦えないなとも同時に思っていました。

そんなの活動中で、ひとりずつ特技を発表できる機会をもらったことがありました。私はそこで、日本国憲法を暗唱したんです。憲法に興味があったというより、小さいころから何かを暗唱するのが好きで、授業で憲法を習ったタイミングでおもしろそうだなって覚えただけなんですけどね。でも、その特技を秋元先生が「おもしろいね」って言ってくださって、本を出すことになったり、たくさんのお仕事の機会をいただきました。今の仕事に活かせているかはわからないですけど(笑)。

ーーなぜ芸能活動をやめて、就職活動をしたのですか?

 アイドルとして、自分にできることに限界を感じたからかもしれません。大学3年生は、ゼミの研究と就活が始まるタイミングでもあったので、新しいスタートを切るにはそこで決断するしかないと思いました。

そもそも芸能界ではなく特定のグループに憧れてオーディションを受けていたこともあり、ダンスも歌も苦手なりに精一杯努力したし、全力で活動をやりきった感覚がありました。だから、アイドルにこだわらずに、まだ何になりたいかわからないけど、もっといろんなことに挑戦してみたいと思ったんですよね。

その後、インターネットメディアで学生キャスターのアルバイトをしたり、事務所に所属してコメンテーターなどの活動もさせていただきましたが、私は企画自体を考える仕事がしたいと気づくきっかけになりました。

尊敬する人と一緒に仕事して、スキルを上げたい!

インタビューカット

ーー今の会社やお仕事を選んだ理由は?

アイドルとしての活動中にいろいろな広告会社の方に出会ったり、大学のゼミが博報堂と共同研究をしていたりしたので、楽しそうなお仕事だなと憧れがあったんです。それで、インターンシップに申し込んで、“この会社で働けたらいいな”と志望しました。それから、インターンで社員の先輩が言っていた「毎日が文化祭前夜だよ」って言葉が印象的で。今思えば、「すごく大変だよ」って意味だったと思うんですけど、学生時代から文化祭が大好きだった私は、より興味がわいたんです(笑)。 

入社して、クリエイティブな職を志望し、コピーライターに配属されたのですが、最初の2年くらいは、一案も採用されず、向いてないと思うことも。それでも必死にコピーを書き続けたら、いつの間にか少しずつほめていただく機会もできました。

できないことにも果敢に挑戦したり、“1ミリずつでも進んでいる”という状況を楽しめたりするのはアイドル時代の活動経験が活きている気がします。メンバーとの競争など様々な局面があり、たとえ思い通りにいかなくても、動じなくなるくらいメンタルがすごく鍛えられました(笑)。

広告クリエイティブ職の若手は、ペアを組んでコンペに出ることもあります。すごく企画が上手で尊敬する同期がいるのですが、その子に「おもしろい」って言われたい!その子よりおもしろい案を考えたい!って気持ちで考えたアイデアで、賞をいただいたことがありました。ライバルと切磋琢磨しあってスキルを磨いていくのは、アイドルも社会人も同じですね。

自分の経験や出会いを生かせる仕事にやりがいを感じる

ーー今までのお仕事で特に印象に残っているお仕事はなんですか?

まずひとつは、コロナ禍にAKB48に自主的に提案させていただいた『OUC(おうち)48』。劇場公演や握手会などが中止や延期になっていたグループに、なにかお役に立ちたいという思いから、「おうちから、ニッポンを元気に!!」というAKB48 から世の中へメッセージを一緒に考えさせていただきました。自分からうごいたことがお仕事として形になった初めての経験だったので、「もっとこういうふうに仕事をしていけるようになりたい」と強く思いました。

あとは、初めて商品開発に携わった『Find my Tokyo.BOX!』という、博報堂と東京メトロの共同事業のお仕事。家族でたくさん食べ比べしてきた経験を生かして、企画を考えました。「たった4種類を味わうだけで、その世界が大体わかる。」というコンセプトで、東京のお店の商品を4種類詰め合わせた、『東京梅干し入門BOX』や『東京コーヒー入門BOX』など、いろんなBOXを販売しました。世の中にハッピーな体験を届けたいという想いが商品企画に活かせた気がしてすごくうれしかったです。
今の広告のお仕事は、自分のこれまでの経験や出会いを全部活かすことができるので、本当にやりがいを感じています。

世の中をハッピーにできる仕事=お茶の間に届く仕事を手がけたい!

内山奈月さんメインカット

ーー今現在、自分が想像していた働き方だと思いますか?

 思います! 学生時代はどちらかというと陰キャだったんですけど、なぜか文化祭のクラス責任者だけは、毎年立候補してました(笑)。今の仕事は、その延長線上にある気がして、とてもやりがいを感じています。私は同じことの繰り返しになるとモチベーションが落ちがちな飽きっぽい性格なんですけど、常に新しい企画を考えられて楽しいし、それを多くの人に届けられることもうれしい。性格的にも合っているんじゃないかと思っています。

ーー現在29歳。30代はこうしたいなどの野望も聞かせてください!

仕事面では、とにかくたくさんの企画をアウトプットすることに挑戦していきたいです。それがお茶の間にまで届いたらいいなと思います。例えば、家族が「あの広告いいよね」って言ったのが、私が携わったものだったみたいな。そういう多くの方々が知っていて、親が見るところまで広がったら理想です。

 プライベートでは、ワインのソムリエの資格に挑戦したい!最近ワインにハマってるんですけど、葡萄の品種や産地などが一向に覚えられないので(笑)あと、ヨーロッパのブドウ畑でピクニックがしてみたいです。昼からワイナリーのブドウ畑に行って、ワインを飲みながら、ゴロゴロと日向ぼっこをすることが私の今の夢です。

内山さんに「一問一答」聞いてみた!

Q.気分が上がる“アゲめし”は?
A.回転寿司でのブランチ! 好きなネタは、つぶ貝

Q.最近の癒しは?
A. 寝る前のホットワイン

Q.気になるインフルエンサーは?
A.なおにゃん 「前向きな言葉に励まされてます」

Q.よく見る動画コンテンツは?
A.東海オンエアさんのYouTubeチャンネル

Q.憧れる生き方をしている人は? 
A. . 怒髪天の増子直純さん 「いくつになっても夢や目標を熱く語れる大人になりたい」

お仕事バッグの中身は?

内山奈月 お仕事バッグの中身

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撮影/齊藤晴香 取材・文/宮平なつき