ホテルを通してSDGsを身近に感じる! 日本各地の“サステナホテル”おすすめ4選
つづく、つづける。モアモデル・井桁弘恵と一緒に学ぶSDGs【Vol.23】
日々、よく耳にする“SDGs”という言葉。なんのために取り組むの? 私にできることは何? SDGsに興味を持ち始めた井桁弘恵が、そんな疑問に向きあいます!
SDGsに取り組む、ユニークなホテルが全国各地で増え続けています。次の旅では、サステナホテルを選択して、自分にできるエシカルアクションを考えよう!
What’s SDGs?
国連で採択された、2030年までに達成すべき17のゴールのことで、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略。私たちが地球に住み続けるために、貧困、飢餓、環境、教育、ジェンダー平等などの問題を、世界が協力して解決することを目指す。
ホテルを通して、SDGsを身近に感じる
日常の暮らしにも役立つサステナを見つけよう!
教えてくれたのは……
地球環境への配慮と快適さが調和したホテルのサステナブルアクション
「巨大な生活空間であるホテルが使用する膨大なエネルギーや、排出するゴミは、環境汚染につながってしまうことも事実。そこで当ホテルは、約30年前から生ゴミを堆肥化するコンポストの導入や、排水のリサイクル、自然環境の保護など、CO²やゴミ、エネルギー使用量を削減する取り組みを多角的に行っています。現在は、ホテルで使用する寝具やアメニティのエコ素材への移行や、食の多様性に対応したメニューの拡充を試行錯誤しています。今後も、時代の変化に合わせて、サステナブルな取り組みを随時アップデートし続けていきます」(有上さん)
部屋の中だけでもこんなにたくさん! 『ホテルニューオータニ』のSDGsな取り組み
①窓から見える日本庭園でCO²削減
約1万坪の日本庭園を、400年前から守り続けている。管理・維持には、ホテルから出る生ゴミから作られた堆肥や、敷地内の地下水を使用。さらに、ライトアップには、消費電力を削減できるLEDを採用。
②バイオマス素材で作られたアメニティ
植物由来の原料で作られたアメニティに移行中。
③保温性が高いヒノキで作られたお風呂で省エネ
④ヒノキの香りに癒されてウェルビーイング
日本の伝統文化を味わえる客室「ザ・メイン 新江戸スイート」は、ユニバーサルデザイン。バスタブやヒーリングスペースは、ヒノキで製作している。
ホテルニューオータニ
◆東京都千代田区紀尾井町4の1
☎03-3265-1111
■https://www.newotani.co.jp/tokyo/
実はまだまだたくさん! いげちゃんとめぐる『ホテルニューオータニ』内のSDGs
ホテル内の生ゴミは堆肥化して畑に再利用
コンポスト導入で生ゴミを捨てずに循環
ホテル全館で排出される1日約5トンの生ゴミを細かく分別し、1999年に導入されたコンポストプラントで、100%有機堆肥化。そうしてできた堆肥は、契約農家に買い取ってもらい、その土で育った収穫物をホテルの社員食堂や、新商品の開発時に使用。循環リサイクルシステムを確立している。
レストランには畜産に頼らないサステナメニューが!
植物由来の食材もこんなにおいしい!
レストランでは、大豆ミートや豆乳クリームなど植物由来の食材で作られたハンバーガーやパスタ、スイーツ、さらには、国産八穀米「Jシリアル」を使ったパンや麺を提供。世界各国から訪れる宿泊者のニーズに応えるのはもちろん、人口増加による食糧不足や、畜産による環境負荷低減という社会課題へのアプローチも期待できる。
豆乳を使ったハイブリッドデザート3品
「豆乳と大豆ミートのキッシュ」&「新東京大豆ミートバーガー」
豆100%の「ゼンブヌードル」で作るナポリタン
「プラントベースの食事を、ホテルの食事を通して試せてうれしい。大豆特有の香りがすることもなく、植物由来とは信じがたい食べごたえ。たくさん食べても胃もたれ知らずで、体は軽やか♪」(井桁)
次の旅行の選択肢に! 日本各地のサステナホテルLIST
【 北海道 】大自然を生かしたサステナビリティ『リゾナーレトマム』
その土地本来の姿を継承して発展!
リゾート開発される以前は、約700頭の牛が飼われていたエリアに位置する。その当時の風景に戻していくために、「ファーム星野」を開設。乳製品の生産を行っている。
約100ヘクタールある敷地内では、牛や馬、羊、ヤギなどを放牧。2018年に5頭だった乳牛は、現在約30頭にまで増加。
ホテルのエリア内でミルクを地産地消
ホテル内のレストランやカフェでは、ファームエリアの牛からとれた牛乳で作ったフードを提供。
◆北海道勇払郡占冠村字中トマム
☎0167-58-1111(代表電話)
■https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/risonaretomamu/
【 徳島県 】SDGsが学べる“ゼロ・ウェイスト”ホテル『HOTEL WHY』
ゴミを最小限に抑える生活を実践
ゼロ・ウェイスト宣言をする徳島県上勝町にあるホテル。ゴミの分別方法を学ぶツアーや、宿泊時に必要な石けんや飲料の量り分けを通して、ゴミを出さない暮らしを学べる。
ゴミの分別体験ができる!
上勝町では、ゴミをなんと45種類に分別。宿泊客は、部屋で6種類に分けたゴミを、ゴミステーションでさらに細分化する体験ができ、ものの使い方を見直せる。
廃材をアップサイクルした客室
廃材や古材をアップサイクルした客室。
◆徳島県勝浦郡上勝町大字福原字下日浦7の2
■https://www.chillnn.com/177bcc0b991336
【 京都府 】再エネ100%で運営! 無理なくサステナライフを『GOOD NATURE HOTEL KYOTO』
環境や健康への配慮を証明する国際的認証を取得
京都の植生を再現した中庭があるホテルの1階には、地産地消について考えるきっかけになるショップを併設。健康への意識を高めてくれる、ヨガや瞑想などのウェルネスプログラムも充実。
全館のサステナブルな取り組みについて学べる、「SDGsツアー」を開催している。
電気は全館、実質再生可能エネルギーを使用。
ゴミ分別ステーションで循環
施設1階には、ゴミ分別スポットが。
サステナ発想のアメニティ
アメニティには100%自然由来の肌と環境に優しい『NEMOHAMO』を採用。
◆京都府京都市下京区河原町通四条下ル2丁目稲荷町318の6
☎075-352-6730
■https://goodnaturehotel.jp/
いげちゃんのSDGsなコツコツ日記。
ムダを出さないようにMY歯ブラシ持参
「ホテルの取り組みを通して、環境問題への意識が芽ばえたし、循環させることの大切さに気づきました。先日ホテルに泊まった際、自宅から歯ブラシを持参。アメニティの使用を控えました。今後も宿泊者としてできることは積極的に実践していきたいです」(井桁)
撮影/野田若葉(TRON) ヘア&メイク/河嶋 希(io) モデル/井桁弘恵(モア専属) スタイリスト/辻村真理 取材・原文/海渡理恵 ※MORE2023年9・10月合併号掲載