井桁弘恵が、代替肉や『無印良品』の「コオロギチョコ」を実食！【SDGs連載 vol.12】

つづく、つづける。モアモデル・井桁弘恵と一緒に学ぶSDGs【Vol.12】

日々、よく耳にする“SDGs”という言葉。なんのために取り組むの？　私にできることは何？　SDGsに興味を持ち始めた井桁弘恵が、そんな疑問に向きあいます！
世界的に深刻化する食料問題や、環境問題を解決する方法として注目されている“代替たんぱく質”。私たちの食の未来のゆくえを学びます。

What’s SDGs?

SDGs（Sustainable Development Goals（持続可能な開発目標）のロゴ

国連で採択された2030年までに達成すべき17のゴールのことでSustainable Development Goals（持続可能な開発目標）の略。私たちが地球に住み続けるために、貧困、飢餓、環境、教育、ジェンダー平等などの問題を世界が協力して解決することを目指す。

食の未来を支える代替たんぱく質

将来お肉が食べられなくなるというのはホント？　by井桁

オーバーオール￥31350／オムニゴッド事業部　ニット￥25300（オウシーナン）・イヤリング￥6600（タルパ）／ススプレス　バングル￥24200・リング￥17600／フォーティーンショールーム（オンブルビジュー）

お話をうかがったのは……

『FOOD TECH Lab』制作委員会会長大野泰敬さん

『FOOD TECH Lab』とは

持続可能な食料供給、豊かな食生活を実現するために必要なフードテクノロジーの情報発信メディア

数十年後に訪れる、たんぱく質の供給不足

大野泰敬さん「国連の調査によると、2050年に世界の人口は100億人近くに達すると予測されています。こうした急速な人口増加によって懸念されているのが、深刻な食糧問題。私たちが、主に肉や魚から摂取しているたんぱく質の需要と供給のバランスが崩れるといわれています。単純に肉の生産量を増やしたらいいのでは？　と思う方もいるかもしれませんが、家畜の飼育は、環境問題の主な原因といわれています。具体的には、森林破壊や温室効果ガスの排出、水資源の大量消費など。また、アニマルウェルフェアの観点からも、家畜だけに頼らない食の可能性を探る必要があるのです」

広がる“畜産”以外のたんぱく質の選択肢

大野泰敬さん「そこで注目を集めているのが、植物由来の肉やシーフード、培養肉、昆虫などの代替たんぱく質です。なかでも、世界的に急成長を遂げている分野が「代替肉」。大豆やえんどう豆をはじめとした豆類などを原材料とした植物由来の肉や、動物細胞を培養してつくる培養肉があります。欧米のファストフード店やレストランでは、当たり前に植物由来の肉を選べるようになっており、代替肉が新しい食の選択肢として浸透しています。ちなみに、肉を代替肉に置き換えると、温室効果ガスの排出量は約86〜99%、土地の使用量は約97〜99%、水の使用量は約95〜99%も削減できるといわれています。最近は、肉以外にも代替卵や代替イクラ、代替マグロ、代替ツナなど、さまざまな食品が国内から数多く誕生しています。今後、私たちの食卓に代替食が並ぶのがスタンダードになっていくでしょう」

〈世界人口の推移と世界の畜産物需要見通し〉

2050年には2015年比で、人口が約1.3倍に。それにともない家畜の需要量が約1.6倍にもふくれ上がると予測されている
※農林水産省　2050年における世界の食料需給見通し−世界の超長期食料需給予測システムによる予測結果−
https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/jki/j_zyukyu_mitosi/attach/pdf/index-12.pdf
※総務省統計局世界の統計2021
https://www.stat.go.jp/data/sekai/pdf/2021al.pdf

肉に代わる“代替たんぱく質”4つの選択肢

①高たんぱくなサステナブルフード　昆虫食

主に食用とされるのはコオロギ、タガメなど。飼育時に排出される温室効果ガスが少なく、繁殖も効率的。
（左）「タガメサイダー」200㎖￥480・（右）「昆虫食専門店がつくった大豆とコオロギのクッキープレミアムリッチ」￥580／昆虫食TAKEO

②食肉不足を解決するサステナブルな食材　代替肉

代替肉は従来の家畜肉の代用品として作られた食品で、大きく分けると豆類などの植物性たんぱく質を原料にしたものと、動物から採取した細胞を培養した培養肉がある。『日清食品HD』は、2017年から東京大学と「培養ステーキ肉」を共同研究しており、2019年世界で初めてサイコロステーキ状の大型立体筋組織（培養ステーキ肉）の作製に成功した。研究開発には、モア世代の古橋麻衣さんが参加

③水産資源を守ることにつながる　代替シーフード

植物由来の原料をもとに、ツナ、イクラ、刺身などを模した次世代食品。こんにゃく粉を主成分に作られた刺身の代替品。臭みが少なく弾力のある食感を楽しめる。
「まるでイカ」・「まるでマグロ」・「まるでサーモン」各￥990／あづまフーズ

④人間に必要な栄養素を網羅　藻類

豊富な栄養素を持ち、たんぱく質の含有率が高い、藻。
石垣島ユーグレナ10億個以上と野菜、フルーツ、そして相性のよい乳酸菌をブレンドし飲みやすくしたスムージー。「からだにユーグレナグリーンスムージー乳酸菌」￥259／ユーグレナ

いげちゃんが代替たんぱく質食品を試食してみた！

食の未来を考える2社が開発した話題の代替食を実食。いげちゃん、お味はいかが!?

Protein_01　『無印良品』の昆虫食

お話をうかがったのは……

『良品計画』食品部菓子・飲料担当関根千晶さん
食を通してこれからの社会や環境の問題に関心を持ってもらえる商品を手がけている

環境負荷の少ない昆虫食をもっと身近な存在に

関根千晶さん「将来の食糧難を見据えて、徳島大学と共同開発したのがコオロギパウダーを使った2品。コオロギは、昆虫の中でも飼育しやすく、環境負荷が少ない。しかも高たんぱくなため採用しました。パッケージのQRコードから見られるサイトでは、昆虫食の必要性を紹介しています」

コオロギチョコ

コオロギパウダーのほかに、大豆パフやきなこなどを配合。2021年販売開始。
「コオロギチョコ」￥190／無印良品銀座

「コオロギせんべい」

2020年に販売開始。コオロギ本来の味を楽しめるように仕上げている。
「コオロギせんべい」￥190／無印良品銀座

Igeta’s Comment

チョコはコオロギの存在感をほぼ感じず、通常のチョコみたいでおいしい！　せんべいは、エビせんべいのような香ばしい味がします

Protein_02　『Next Meats』の代替肉

お話をうかがったのは……

『Next Meats』代表佐々木英之さん
2020年に創業した代替肉の開発、企画、製造を行う『Next Meats』の日本支社CEOを務める

地球にやさしい代替肉が社会に定着することを目指す

佐々木英之さん「代替肉といえば、ミンチ状が大半。そこで弊社は、“食べごたえ”が得られるよう、スライス状にこだわって商品を開発しました。シンプルに焼いたり、炒めものに使ったり、アレンジ自在な点も魅力です。さまざまな社会問題を解決に導く代替肉が、新しい食の選択肢として定着するよう、今後も味や食感を常にバージョンアップさせていく予定です」