独身女子のバイブルがカムバック!『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』
1作目が公開されたのはもう15年も前! リアルタイムで観たことのない人もいるかもしれませんが、当時の独身女子たちに絶大な人気を誇ったラブコメの第3弾が12年ぶりに製作され話題になっています。この作品の最大の魅力は、なんと言ってもヒロインのブリジット・ジョーンズの憎めないダメっぷり。タバコとお酒がやめられず、補正下着が手放せない万年ダイエッターで、恋も仕事もありえないドジっぷりを炸裂させて失敗の連続。そんな彼女がなぜかハイスペックのイケメン男子ふたりからモテてしまうという、誰もが憧れるシチュエーションで夢を見せてくれるのがこのシリーズのお家芸。
タイトルにしっかり「ダメな私」とあるように、最新作でもとにかく残念なブリジット。テレビ局のプロデューサーに昇進し見事キャリアアップを果たしたものの、運命の恋人だと信じていたマーク・ダーシーと別れ、43歳の誕生日をひとりで迎えるオープニングは安定の切なさ。さらに30代の同僚に誘われた野外フェスにハイヒールで参戦して顔から泥の中にダイブし、そこで出会ったIT社長とワンナイトラブ。その後、元カレのマークとも再会して思わずベッドインし、予想外の妊娠をしてしまいます。悩みに悩んだブリジットは、あろうことかふたりにバカ正直に告白。DNA検査も受けずに出産することを決意します。この辺りの周囲を混乱させる自己中ぶりはもはや笑えませんが、男性陣はなぜか逃げ出すどころか「自分こそが子どもの父親だ!」と様々なアピールを繰り広げます。
後半はブリジットよりも、もはやこのふたりの男のプライド合戦が見どころに。優しくてユーモアがあってスマートなザ・アメリカ人のIT社長に対し、真面目で堅物でイマイチ気の利かないザ・イギリス人のマークの対比は最高にチャーミング。劇中では「愛は計算じゃない。正反対だからこそ惹かれることもある」というブリジットの台詞が登場しますが、果たしてどちらの子どもなのか。そして真実の愛はどちらにあるのかに注目です。この作品を初めて見ても十分楽しめますが、前2作も10年以上前の作品とは思えないほど新鮮な驚きに満ちた独身女子のバイブル。「ブリジットに比べたらマシ」と胸を撫で下ろすもよし、「不器用でも不格好でもいい。ブリジットみたいに全力で恋したい♡」と刺激を受けるもよし。最高にハッピーな気持ちになれる、大人のためのおとぎ話です!
(文/松山梢)
●10/29〜全国ロードショー
©Universal Pictures.