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話し手:貫地谷しほり かんじや・しほり●1985年12月12日生まれ、東京都出身。舞台『もとの黙阿弥』が8 月に新橋演舞場、9 月に大阪松竹座で上演 聞き手:ライターゆっこ 舞台に出演する俳優を数多くインタビュー取材するほか、ステージコラムを執筆

『cocoon 憧れも、初戀も、爆撃も、死も。』

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撮影/飯田浩一

藤田貴大が全作品の脚本と演出を務める演劇団体・マームとジプシーによって2013年夏に上演された衝撃作の再演が決定。象徴的なシーンを執拗に繰り返す“リフレイン”と呼ばれる手法で、否応なしに戦争に巻き込まれた若き女学生たちの悔しさ、怒り、嘆きをダイレクトに客席に突きつける。◆ 6 /27~ 7 /12 東京芸術劇場シアターイースト(地方公演あり) ●東京芸術劇場ボックスオフィス ☎0570・010・296

演劇界で注目されている、 話題の劇団の代表作!

しほり(以下S) もう10年近く前の話なんですけど、クラムボンとPolarisとハナレグミで結成されたユニット“ohana”の『予感』という曲から生まれたショートムービーに出演させていただいたことがあります。今回『cocoon』の音楽を担当されるのがクラムボンの原田郁子さんだと聞いて、当時のことを思い出しました。その映像には原田さんも出演されていて、お芝居がすごく上手で、やっぱりアーティストの方って多才なんだなって思ったのを覚えてます。クラムボンの音楽も、心地よくて大好きです。共演させてもらって以来、よく聴いています。 ゆっこ(以下Y) 今作は、マンガ家の今日マチ子さんが沖縄戦における少女たちに想を得て、少女たちが戦争をどう感じたかを描いた作品の舞台化です。 S) 今の政治や社会を見てると、人生の諸先輩方が「平和ボケでいいじゃない」っていうコメントを発表されたりもしてますけど、実際に戦争を体験した方たちにしてみたら、そんなことは言えないのではないかと思います。舞台のテーマが“戦争”だと聞いて、観るのをためらう人もいるかもしれません。でも、原田さんのようなステキなアーティストの感性を通して戦争を知る機会を得られる今作は、素晴らしい企画だと思います。 Y) 演出を手がけられる藤田貴大さんは、貫地谷さんと同じ1985年生まれの30歳。26歳の若さで岸田國士戯曲賞を受賞するなど、演劇界のホープとして注目を集めています。 S) 同い年なんですね! そんな演出家が活躍されているとは……すごく刺激を受けます。 Y) この作品、2013年の初演時には、蜷川幸雄氏をして「彼の書く戯曲を演出したい」と言わしめ、各方面からも“21世紀最高の舞台”と評されたことでも有名なんです。 S) 今その言葉を聞いただけで鳥肌が立ちました! 私は初演を観ていないので、今回の再演は必ず観にいきたいです。

--------------------- MORE2015年8月号・さらに詳しい情報は雑誌MOREをチェック! 取材・文/吉川由希子 撮影/北浦敦子 ヘア&メイク/SAKURA(アルール) スタイリスト/青木宏予 ---------------------

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