可愛い! 感動! おもしろい!『映画 ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~』
「かわいい! 感動する! 面白い!」と、三拍子そろったクレイ・アニメーション『映画 ひつじのショーン~バック・トゥ・ザ・ホーム~』。シリーズとしては20年にわたって作られているアニメーションで、現在もNHK Eテレで放送中ですが、長編映画は今回が初! もともとひつじのショーンは10年前に劇場公開した“ウォレスとグルミット”シリーズの3作目『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!』のなかに登場したキャラクター。そこからスピンオフとしてシリーズが作られ、ついに映画になったというわけです。
主人公はイギリスの片田舎の牧場で暮らすひつじのショーンとその仲間たち。彼らの楽しみは、牧場主や牧羊犬のビッツァーたちにいたずらを仕掛けることですが、最近はいたずらも牧場での生活もマンネリ。そんな退屈な日常から脱出するために、ショーンたちは一日自由に過ごそうと“休暇計画”を立てます。でも、予想していなかったハプニングで牧場主と離ればなれになってしまって……。彼を探しにみんなで大都会へ冒険に出る、というお話です。
このシリーズを作っているのは、世界有数のストップ・モーション・アニメーション・スタジオのアードマン。何がすごいって、粘土で作ったキャラクターを少しずつ動かしながら撮影していくこと。25枚撮影したものが1秒の映像になるので、85分の長編が完成するまでにはものすごーく膨大な時間がかかっているんです。しかも、セリフは一切ないのにキャラクターたちの表情はとても豊か。つられて笑ったり切なくなったり嬉しくなったり、心が動かされっぱなしの85分なんです。もちろん、何の予備知識がなくても楽しめます!
(文/新谷里映)
●7/4〜新宿ピカデリーほか
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