美しく勇敢なベルに心底惚れる! エマ・ワトソン主演で実写映画化した『美女と野獣』
今から25年前に公開されたディズニーアニメ版の『美女と野獣』が、『ハリーポッター』シリーズのハーマイオニー役でおなじみのエマ・ワトソン主演で実写映画化! 今回の実写版がすごいのは、アニメ版の重要なキャラクターやシーンはしっかり忠実に盛り込みつつ、さらにドラマを深化させたところ。オリジナルの楽曲を3曲追加して、登場人物(特に野獣)の複雑な心情を見事にすくいあげています。もちろん名曲「美女と野獣」はもちろん、オープニングでヒロインのベルが歌う「朝の風景」や、呪いで“もの”に変えられた使用人たちがベルをもてなす「ひとりぼっちの晩餐会」など、アニメ版のすべての楽曲が使用されていて、改めて本作が極上のミュージカル映画だということを再認識させられます。 物語は、美しく傲慢な王子が寒さをしのぐために城へやってきたみすぼらしい老女を追い返したところからスタート。その老女は美しい魔女の姿になり、王子を醜い野獣に変えてしまいます。呪いを解く鍵は、魔法のバラの花びらが落ちる前に、王子が誰かを心から愛し、その相手から愛されること。ひとり孤独に心を閉ざしていた野獣でしたが、周囲から「変わり者」と呼ばれながらも我が道を行く美しく聡明なベルと出会ったことで、自分を取り戻していきます。あらすじだけ読むと、人を見た目で判断していた傲慢な王子が本当の意味で改心するには、ベルが美人ではなく不美人じゃなきゃ成立しなそうですが……大丈夫。映画では王子が決してベルの外見の美しさに惹かれたわけではなく、他人のために犠牲になることもいとわない、内面の美しさに惹かれていく様子が丁寧に描かれます。 ベルといえば、アニメでは空想好きで夢見がちな不思議ちゃんイメージがありましたが、演じたエマ・ワトソンの細身で理知的なルックスも相まって、独立心旺盛で活発な、より現代的な女性として描かれているのもポイント。父親の身代わりに野獣に囚われるシーンや、上手にスプーンを使ってスープを飲むことができない野獣に恥をかかせないよう、自分も食器に口をつけてすするシーンなど、勇敢さと優しさを兼ね備えたベルの人物像は、女性が見ても惚れてしまうほど魅力的です。ベルに思いを寄せるうぬぼれ屋のガストンや、その手下のル・フウ、亡き妻との知られざる愛のドラマが明かされるベルの父親モーリスなど、脇を固めるキャラクターもそれぞれチャーミング。アニメファンの期待をさらに上回る、完璧な実写映画に仕上がっているので注目を! (文/松山梢) ●公開中
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