最強の小悪魔キャラがラブストーリーをかき回す! 山本美月、伊野尾慧、真剣佑、永野芽郁共演の映画『ピーチガール』
少女漫画が原作の映画は数多くありますが、今回紹介する『ピーチガール』は、なんと今から20年前に連載がスタートした名作の映画化! モア世代は知らない人も多いかも!? ヒロインは山本美月演じる女子高生の安達もも。硬派で爽やかな野球部のとーじ(真剣佑)に、中学時代から一途に片想い。ところがある日、チャラくてお調子者で学校一のモテ男であるカイリ(伊野尾慧)に、勘違いから一方的にキスをされて学校中の噂になってしまいます。 タイプのまったく違うふたりの男子と恋のドラマを繰り広げる展開は、少女漫画定番の胸キュン設定。『ヒロイン失格』、『ちはやふる』、『黒崎くんの言いなりになんてならない』、『溺れるナイフ』、『ひるなかの流星』なんかも、観終わった後に「自分なら○○派!」と言い合うのが楽しい作品でした。ただし、『ピーチガール』が他の映画と圧倒的に違う点は、明らかな悪役がいるかどうか。最近の少女漫画の傾向を見ていると、ヒロインはもちろん、彼女を取り巻く友人たちも軒並みいい子。ちょっとした事件が起こっても、すれ違いや勘違いが原因であることが多い気がします。 ところが本作には、見た目は天然だけど中身は最強の小悪魔・紗絵という強烈な悪役が登場! しかも、とーじやカイリに想いを寄せる恋敵でもなんでもなく、ももに異様な敵対心を燃やしているという設定も斬新です。男友だちに頼んでももをラブホテルに連れ込むなど、劇中で巻き起こす紗絵の悪だくみは、もはや「警察呼んで!」と言いたくなるレベル。現代ではあまりお目にかかれない強烈キャラを、話題作に引っ張りだこの永野芽郁が体を張ったコミカルな演技で熱演しているのも憎めなくてチャーミングです。ももとふたりの男子の胸キュンの三角関係はもちろん、気持ちいいくらいずる賢い、紗絵が巻き起こす女の戦いもお見逃しなく! ●5/20~全国ロードショー (文/松山梢) ©2017「ピーチガール」製作委員会 ©上田美和/講談社