明日を変える、ちょっと不思議な物語。映画『バードピープル』
バード=鳥、ピープル=人、という、ちょっぴり変わったタイトルのこの映画は、フランスのパリ、シャルル・ド・ゴール空港横のホテルの“とある日常”を描いたお話です。どんな人におすすめかというと──
1.最近、私の人生このままでいいのかな? と考えることが多い
2.仕事が忙しくてプライベートが充実していない
3.鳥を見ると、自分も鳥になって飛んでみたいと思う
4.自分以外の“何か”になってみたいときがある
5.旅に出るならアメリカよりもフランスがいい
5つのうちのひとつでも当てはまったら“2人”の主人公──ホテルに滞在するビジネスマンのゲイリー(ジョシュ・チャールズ)、ホテルのメイドとして働く大学生のオドレー(アナイス・ドゥムースティエ)に共感してしまうはずです。
ひとつ目はゲイリーのお話。出張でパリへやってきたゲイリーは、予定通りに商談を終え、パリからドバイへ向かうはずでしたが、その予定を大きく変更。ドバイ行きだけでなく人生の予定を変更してしまうんです。それは、会社を辞めること、妻と別れることでした。急な決断のように見えて実はそうではない……蓄積と決断のお話。
ふたつ目はオドレーのお話。大学に通いながら働いていたはずが、いつのまにかメイドの仕事がメインになり、アパートと職場を往復する日々。私の人生これでいいのかなぁ……と思いながらも忙しくしていたある日、オドレーは突然スズメに変身して……違う世界を見ることで今の世界を見直すお話。
人は、知らず知らずのうちに自分で“こうあるべき”とルールや境界線を決めてしまいがち。ちょっと息苦しいな……と思ったら、ゲイリーやオドレーのように境界線を超えてみるのもいいのでは?
(文/新谷里映)
●9/26〜ユーロスペースほか
ⓒArchipel 35 - France 2 Cinéma - Titre et Structure Production