出会いの可能性は世界中にある!? 国も言葉も文化も超えた現代のラブストーリー『きみへの距離、1万キロ』
恋はいつ、どこで、どんな人と落ちるかわからないもの。今回は地球の反対側にいる男女がロボットを通じて出会う、爽やかなカナダ映画をご紹介。主人公はアメリカのデトロイトに暮らす青年ゴードン。仕事は遥か1万キロ離れた北アフリカの石油パイプラインを監視するオペレーターで、6本足の小さなクモ型ロボットを遠隔操作して石油泥棒がいないかチェックする日々。仕事の合間に出会い系アプリを試しているのは、つい最近、運命の人だと信じていた彼女からこっぴどく振られたから。女性からのメールが次々送られてくるけれど、失意のゴードンの心が動かされることはなかった。 そんなある日、監視ロボットを通じて美しい女性アユーシャと出会ったゴードンは、常に暗い表情を浮かべている彼女のことが気になるように。実はアユーシャには恋人がいるものの、親が決めた縁談により、父親ほど年齢差のある男性と結婚させられそうになっていた。恋人と引き裂かれたくないアユーシャは、危険を冒してでも国を出ることを決意。そんな状況を知ったゴードンは、彼女を救おうと大胆な行動に出る……。 映画で描かれる出会いは突拍子もないものに思えるけれど、1万キロという果てしない距離を超えて2人が出会えたのは、テクノロジーの進化があったからこそ。SNSで世界と繋がることができる現代においては決してファンタジーでないことに気づかされます。世界のどこかにまだ見ぬ運命の相手がいるかも……。そんな妄想が広がるロマンティックな物語です。アユーシャと恋人は無事国外に脱出できるのか、そしてゴードンのアユーシャへの恋心はどうなるのか、スリリングな物語の行方をぜひ映画館で確かめてみてください。 (文/松山梢) ●4/7〜新宿シネマカリテ他全国順次公開 © Productions Item 7 – II Inc. 2017