吉田羊主演の大人のラブコメ。映画『ラブ×ドック』はもう恋で傷つきたくない人必見!
経験を重ねて大人になるほど、スマートな恋愛ができるようになる……。そんな期待を抱いている人がこの映画を観たら、ちょっぴり幻滅してしまうかも。なぜなら吉田羊演じるヒロインの飛鳥が、派手に転んだり水浸しになったり、心身ともにボロボロになりながら恋をする36歳から41歳までを描いた物語だから。脚本と監督を務めたのは、テレビ番組の放送作家として活躍する鈴木おさむ。これまで映画『ハンサム★スーツ』、ドラマ『奪い愛、冬』などの脚本を手がけてきたものの、これが初めての映画監督作品となります。 40代の男性が女性の恋愛をわざわざ描くのはなぜか。その理由は、過去のバラエティ番組で視聴者から寄せられた恋愛体験に、監督が毎日触れていたから。恋愛映画といえば10代向けという流れが定番となっている今、「大人の女性が観たくなる恋愛映画がもっとあってもいいんじゃないか」と思っていたそう。その言葉通り、男性の幻想を押しつけて女性を美しく描きすぎるでもなく(男性監督にありがち)、かといって救いようのないくらいリアルに描くでもなく(女性監督にありがち)、恋をしたヒロインのかわいさやみっともなさを、愛ある視点とユーモアで見事に救い上げたバランス感覚はさすがです! ヒロインの飛鳥は、ロマンチストな上司(吉田鋼太郎)と不倫に走って仕事を失ったり、親友(大久保佳代子)が思いを寄せる男性(玉木宏)といい感じになって友情を壊したり、とにかく恋愛で失敗続き。ついには“ラブドック”なる怪しげなクリニックで、女医(広末涼子)に危険な恋愛をストップできる薬をすすめられます。そして、15歳年下の部下(野村周平)に久しぶりにときめいた飛鳥の恋の行方は……。人を好きになる度に後悔し、経験を積むほど恋に臆病になっていく姿は痛々しいけれど、きっと飛鳥の弱さやずるさや不器用さのどこかに、自分自身を投影してしまうはず。恋愛で痛い思いをした人は必見!“人生にムダな恋なんてない”というメッセージに、猛烈にパワーをもらえます。ちなみにモアモデルの唐田えりかちゃんも出演しているので、こちらも要チェックです! 文/松山梢 ●公開中 ©2018『ラブ×ドック』製作委員会