気がつけば、映画のはなし。今月は『わたしはマララ』
『わたしはマララ』
女子が学校へ行くことを禁じるタリバン政権を批判したことで、15歳の少女はタリバンに銃撃され、そして立ち上がった。最年少でノーベル平和賞を受賞したマララと彼女を支えた家族を追ったドキュメンタリー。●12/11〜TOHOシネマズ みゆき座ほか
この先、落ち込んだ時 きっと何度も観たくなる(杏)
自分は何がしたいかなと、迷う人に観てほしい(游)
杏) 初めて試写室でふたり並んで映画を観たけど、私たち、笑って泣いて、大忙しだったね。 游) うん。ずっと椅子が揺れてた(笑)。マララはパキスタンで「女子に教育を」と訴える活動をしていて、3年前、15歳の時にタリバンに頭部を撃たれて瀕死の重傷を負うんだよね。 杏) マララは聡明で、ハートがしっかりある女の子。彼女がスピーチで語った、銃撃されたことで「自分の中の弱さや恐怖が死んで、強さや勇気が生まれた」って言葉、すごかったなぁ。10歳も年下の少女に、根の強さとか自分を信じていいんだってことを教えてもらった気がする。 游) 私は、勉強ができることが当たり前だと思っていたけれど、学べるってすごく幸せなことなんだって感じたよ。自分のやりたいことをできる環境にあるんだから、やるべきだなぁって。 杏) そうだよね。マララの身に起きたことって、ニュースで見てもあくまで〝遠い国のこと〟だけど、この映画だともっと身近に感じたというか、すっと自分の中に入ってきたんだよね。 游) それって、視点が「家族」だからじゃないかな。家族の中でマララが、特別じゃなく〝普通の女の子〟だからだと思う。ふたりの弟とのやりとりも可愛いよね♡ じゃれあってマララがバシッと頭をはたいたり(笑)。 杏) 今ってSNSも当たり前になって、誰でも後ろ指をさされやすい時代というか。学校でも会社でも、どんなコミュニティにいても正しいことを言いづらい時代だと思うの。でも、マララはそれをやっている。地に足をつけて踏んばる姿が、とても充実して見える。これからは落ち込んだ時とかに、ふっと彼女のことを思い出すんだろうな。 游) ね。だから本当に、いろんな人に観てもらいたいなぁ。
--------------------- MORE2016年1月号・さらに詳しい情報は雑誌MOREをチェック! 取材・文/新谷里映 撮影/森脇裕介 イラスト/STOMACHACHE. ---------------------