スクリーンで、世界の果てまで美食の旅へ! 映画『99分,世界美味めぐり』
食事に行くレストランを決める時は何を参考にしますか? と問われれば、多くの人が「口コミサイト」と答えるはず。レストランだけでなく、映画や本、家電やコスメや旅行や病院や結婚式場選びだって、ネットでサクッと調べられる時代。自分が試す前に他人の感想を知ることができるなんて、ホント便利な時代になったものです。でもその情報を鵜呑みにしていると、「大したことなかったな〜」と裏切られることだってある。所詮書いた人と自分はまったく違う人間なのだから、受け取り方が違うのは当然です。そこで浮かぶのは、「どんな人がどんな基準で書いているんだろう?」という疑問。
今回紹介する映画は、最高のレストランを求めて世界中を旅している“フーディーズ”と呼ばれる5人に迫ったドキュメンタリ―です。SNSを駆使して情報を発信している彼らは美食家の最高峰と称えられているのですが、揃いも揃って超個性的! 「ここのフォアグラとアンチョビは史上最悪」とこき下ろしてシェフにマジ切れされるレコードレーベルの元オーナーのおじさん。ひとりで黙々と料理と向き合うストイックな元スーパーモデル。「伊勢エビは火を通すだけでいい。こねくりまわすな」とこんこんとダメ出しする、ミシュランガイドの三ツ星109件を制覇したシェル石油の元重役など、彼らの料理に対するうんちくと執念は見ているだけでお腹いっぱいです。
ただし、5人に共通しているのは“正直”だということ。率直な感想を書くためにシェフと友達にならずに自腹で食事することをポリシーとしていたり、「ブロガーは純粋に料理が好きだから書いてるんじゃない。有名になりたいんだ」とぶっちゃけたりと、その嘘のない奔放な語り口からは、彼らが一目置かれる理由が伝わってきます。もちろん、映画に登場する日本をはじめ世界中の有名レストランの料理はどれも生唾もの! 気になる彼らのブログは公式サイトから飛べるのでチェックしてみて。
(文/松山梢)
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