実は大人の女性向けのストーリー! ディズニー・アニメーション『ズートピア』
“動物たちが人間のように暮らす楽園を描いたディズニー・アニメーション”と聞くと、子供が見る映画と思う人も多いはず。ただしこの映画、内容は完全に大人向けなのです! なぜなら肉食動物と草食動物との関係性は人種問題を、そしてヒロインがカラダも小さく力も弱い“ウサギだから”という理由で仕事を任せてもらえない状況は、女性の働きづらさを示すメタファーだから。田舎から夢を叶えるために上京してきたヒロインが都会で挫折しながらも奮闘する姿など、働く女子こそ共感できるエピソードがたっぷり詰まっているのです!
舞台はあらゆる種類の動物たちが平和に共存する楽園のズートピア。ウサギとして初の警察官になったジュディは、最高の警官になるために期待に夢を膨らませていたものの、任されるのは駐車違反の取り締まりばかり。能力を認めてもらえないことに憤慨しつつも、こうなったら最高の取り締まり係になろうと驚異的な仕事ぶりを見せる。ある日、連続行方不明事件の捜査に参加するチャンスを得たジュディは、情報通の詐欺師のキツネ・ニックと共に、ズートピアの知られざる秘密に迫っていく……。
ヒロインのジュディは、明るく努力家で誰もが応援したくなるキャラクターですが、無意識に偏見や誤解を持っていたことが明らかになるシーンが登場するなど、決して完璧ではないのも魅力的。悪役として登場するキャラクターでさえも、その背景を描くことで完璧な敵役にしない、奥深いドラマに引き込まれます。他にも実は食いしん坊でのんびり屋のチーターや、驚異的なスローペースを崩さない免許センター職員のナマケモノ、そして日本版限定で登場する狸など、それぞれの動物の生態を徹底的に研究し、そのエッセンスを反映させたキャラ設定もチャーミング。過去のディズニー映画のパロディなど、何度も見たくなる遊び心あふれる仕掛けもいっぱいなので、ぜひ注目してみて!
(文/松山梢)
●4月23日(土)より全国ロードショー
©2016 Disney. All Rights Reserved.