その魅力に、まだまだ追いつけなさすぎる。山田涼介「ウラハラナスガオ」

Hey! Say! JUMPのセンターとして、アイドルとして、圧倒的人気を誇り役者としてもその演技力が高く評価されている、山田涼介はいったいどんな人なのか。クールに見えて情熱的? 真面目に見えて自由人? 30歳という節目を控えた彼のON(仕事)とOFF(プライベート)、その魅力に迫ります!

山田涼介プロフィール

山田涼介

1993年5月9日生まれ。Hey! Say! JUMPのメンバーとしての活動はもちろんのこと、役者としても高く評価され、数々の話題作に出演。現在、ドラマ『王様に捧ぐ薬指』でまさに王様なイケメン御曹司、新田東郷を好演している

白いパーカーを着てピースする山田涼介

衣装/スタイリスト私物

ウラハラな山田涼介「ONモード」

この世界に飛び込んでからずっと、足を止めず、前を向き走り続けてきた。山田涼介の仕事の流儀、仕事の美学。

自発光する男

「演じたい役や挑戦してみたいジャンルはありますか?」インタビューでこんな質問をされることがよくあるけど、自分の中でそれは決めないようにしている。自分ではなく、見てくれる方々に「こういう役をやってほしい」と思ってもらえる役者でありたいから。自分の魅力は自分で決めるものではなく見てくれる人が決めるものだと僕は思っている。ただ、『ジャにのちゃんねる』から広がった“自発光”というイメージに関しては……正直、迷惑です(笑)。そもそも発光していないし。言われれば言われるほど「キープしなきゃ」の気持ちにも。今まで、美容に関しては本当に無頓着だったのに、最近はすごく気をつけているからね。昨日とか、パックまでしましたからね。まあ、それはドラマのためでもあるんだけど。憧れの存在である〝王様〟を演じるためにも身長があるわけでもないし、ガタイがいいほうでもないし、せめて「顔だけは守らねば!!」って、極悪ニキビくんたちと戦っています(笑)。

他人と自分を比べない

他人を見て「いいな」と思うことはありますよ。たとえば、芸能界とまったく関係のない世界で働く人を見て思うこともあるし。でも、その人からするとオレが立っている場所は華々しく見えて、それこそ「いいな」と思われているのかもしれないわけで。結局、その「いいな」って、常にないものねだりなんだよね。だから、オレはめったに他人と自分を比べない。「あの魅力、自分は持ってないな」、「この才能、自分にはないな」持っていないものに目を向けたところで何も変わらないし、自分がどんどん不幸になる気がするから。だったら、自分の持っている武器で勝負したほうがいいと思う。そっちのほうが「勝ちすじ、早くね?」って思っちゃう。

ヤマダ・イズ・シンプル

——山田さんの仕事に関する考え方はとてもシンプルですよね。よけいなものがそぎ落とされて、必要なものだけが残っているというか。

「たしかに、自分でもシンプルだなって思う」

——それは、11歳でジャニーズ事務所に入所して、Hey! Say! JUMPとして14歳でデビュー。幼い頃から、いろんな経験を積み重ねてきたのが大きいのだと思うのですが。

「うん、それは間違いない」

——シンプルになる前は、悩んだり迷ったりした時期もあったんですか?

「うーん、覚えてない(笑)」

——山田さんはインタビューで過去の話題や日常の話題になると「覚えていない」、「忘れた」という言葉をよく口にしますよね(笑)。

いや、本当に忘れちゃうんだよね、オレ。昨日もそれを痛感する出来事があって。撮影現場の後に打ち合わせが入っていたんだよね。そこで、マネージャーさんに“30分くらいで終わるよね”と確認したら、すごく驚いた顔をして“長くなるって、昨晩、メールしましたよね。しかも、了解って返事も来ましたよ”って言われたの。目を通さずに返事をすることがまずないから、絶対にそのメールを読んだはずなのに、その記憶が全然なくて。どうやら、ひとつのことに集中しちゃうと、ほかのことを全部忘れちゃうみたいなんだよね……

——はははは!! 昨日は撮影に集中している間に全部忘れてしまったんですね(笑)。

「そうそう(笑)。インタビューも面倒臭いから話さないとかじゃなくて、本当に覚えていないから答えることができないんですよ」

——大切な想い出はちゃんと覚えているけど、そうじゃないものはどんどん流れていく。

インプットするものが大量にあるからこそ、そうしなければ前に進めなかったというか。デビューしてからの多忙な毎日を駆け抜けることができなかったんだと思う。しかも、オレはひとつのことにしか集中できない不器用なタイプだから。器用にあれこれできないからこそ、必要のないよけいなものをどんどんそぎ落としていったのかもしれないよね」

撮影/ISAC(SIGNO) ヘア&メイク/二宮紀代子 スタイリスト/野友健二(UM) 取材・原文/石井美輪 ※MORE2023年6月号掲載