【声優・寺島惇太インタビュー後編】あまりの難曲に「人間が歌えるのかな」?
寺島惇太さん独占インタビュー後編
『アルカナムジカ』 新メンバー・斑目ジュナを演じる寺島惇太さん
プロフィール
1988年8月11日生まれ、長野県出身。「KING OF PRISM 」シリーズ 一条シン役、「ムーミン谷のなかまたち」ムーミン役、「ParadoxLive」闇堂四季役、「A3!」シリーズ 御影密役、「TSUKIPRO THE ANIMATION」藤村衛役、アイドルマスター SideM」シリーズ 大河タケル役、など数々の作品に出演。また、2019年には『29+1 -MISo-』でアーティストデビューを果たす。
ボカロ曲との融合も楽しめる『アルカナムジカ』の楽曲
エイベックス×集英社がお届けする多次元プロジェクト、『アルカナムジカ』。タロットに導かれた歌い手たちのミステリアスファンタジーを謳う本作では、その言葉の通り『歌』が大きなキーワードになっているそう。登場人物たちは皆、私たちと同じく日常を過ごす一般人。しかし、彼らには『アルカナネーム』というアプリだけでの名前を名乗って、歌い手活動に勤しんでいるという共通点があります。『アルカナムジカ』でこれまでに発表されている楽曲はどれも気鋭のボカロPが作詞作曲した珠玉の楽曲ばかり。
5月24日に配信された斑目ジュナの新曲『綺麗だ』は、アルカナムジカ史上でも類を見ない難曲とのことで……? 楽曲の魅力、ジュナとして歌う上で込めた想いなど、声優を担当されている寺島さんに伺ってきました!
↓↓先にインタビュー前編を読みたい場合はコチラから
https://more.hpplus.jp/entame/people/102238/
『アルカナムジカ』史上一番の難曲⁉
新曲『綺麗だ』の複雑なリリックが表現する、ジュナの内面
――この取材を行っている今日、まさにレコーディングを終えたところだそうですが、今回の『綺麗だ』を始めて聴いた時の感想を教えてください。
寺島「そうですね、まずもう……、『人間が歌えるのかな』っていう(笑)。仮歌はボカロが歌っているものをいただくのですが、それを聴いた瞬間に『難しいぞ』というのが第一印象でした」
――私も事前に聴かせていただいていましたが、本当に難しそうな曲ですよね。
寺島「そうなんです。ただ、今日歌ってみてだんだん、歌えば歌うほど腑に落ちていくというか……。ジュナは奥が深いというか、底の知れない人間性だと思うんですけど、それを曲で表わすとこうなるんだな、というところを感じましたね。一曲の中でもいろんなパートがあって、メロディも複雑で。最初はやっぱり、どれだけ聴いても捉えられないというか、曲のリズムもメロディもなかなか自分の中に落ちてこなかったんです。入るタイミングも予想外のところだったり、曲に翻弄されてしまって(笑)。だけどそれが、ジュナくんと接した人が抱く印象に近いのかなと思いました」
――曲そのものが、ジュナの人間性を表していると。
寺島「本当に掴みどころがなくて、この人は何なんだ?って思うんですよ。少し優しいフレーズとか、素直なメロディもあるからいい人そうにも感じるけど、そうかと思えば急に突き放されたり、あっさりいなくなってしまったり。『もう彼のことがわからないわ!』ってなっちゃう曲だなとは思います」
――実際にレコーディングを終えてみて、いかがですか?
寺島「今日は何度か歌わせていただいたんですけど、覚える意外に入りやすいんだな、っていうところがありましたね。メロディも、歌を重ねていくとすんなり歌いやすかったりして……。そこもやっぱり、ジュナらしいと思います。長く真摯につき合い続けていくと、徐々にどういう人なのかわかっていくという。最終的に、曲を録り終えた時にはすごくわかり合えたような気がしました。ジュナに近づけた気がしますね」
――では、そんな中で特に思い入れのある部分、気に入っている部分があれば教えてください。
寺島「ラップ的なところが、台詞っぽくなっているのが印象的だなと思います。曲というよりも語りかけているようで、その分彼が普段思っていることがわかりやすい気がしますね。特に2番で、彼が誰かのジュエリーを褒めるような描写があるんですけど……、褒めていたかと思えば、「もっと輝けるのに」と急にドライなことを言ってくる。挙句、「君がいいならいいけど」って、突き放すというか、突然冷めた感じというか。ジュエリーは素晴らしいけど、君にはもったいない、というのをこんなふうに言ってしまうんだなと思いました」
――ちょっとドキっとさせられるフレーズではありますね。
寺島「彼は鋭いというか、やっぱり他人の心の中を見透かしてしまうようなところがあるんでしょうね。全部見えてるよ、というスタンスがどこか怖くて、それがこのラップの中ですごく表されていると思いました。ただ、歌ってみて本当に楽しかったですね。韻を踏むというよりリズムをはめていく感じのラップだったので、バチっとはまった時は気持ちよかったです。そこに更に台詞が機能していて、すごくジュナを知ってもらえる一曲になったんじゃないかと思います。
シンガポールで体験した、煌びやかな世界
――ジュナの趣味は海外旅行ということで、寺島さんは海外は行かれますか?
寺島「海外は仕事でしか行ったことがないですね。プライベートでは一回も行ったことがなくて。なのであまり詳しくはないんですが……。唯一好きだなというか、肌に合うなと感じたのがシンガポールです」
――シンガポール! どういったところがおすすめですか?
寺島「まず食事が、僕、結構中華料理系が好きなんですよ。シンガポールの料理ってエスニックというより中華寄りなところもあってすごくおいしかったですね。それに、海も綺麗で……、あと、カジノが(笑)」
――大人な世界ですね……!
寺島「すごかったですね。人がたくさんいて、煌びやかな世界で。昔映画で見ていたような光景が広がっていて、眩しかったです。品はいいけど、決してギラギラしていない感じの人達が多かったんですよ。そういう人達が気軽にパッと賭けていて、負けても「まあ仕方ないよね」のような……。紳士的というか、本当に嗜んでいる感じで。ただ、たぶん賭けているお金って日本だったら絶対一回で失わないような額なんですよ。そのフィクションみたいな世界というか、何もかもが新鮮でしたね。賭け事というよりもその場にいる人達を見ているのが楽しくて、また行きたいなと思いました」
――では、最後にファンの皆さんへ一言お願いします。
寺島「アルカナムジカというコンテンツに新たに仲間に加えていただいて、待望の第一曲目を謳わせていただきました。先に歌を出されている皆さんの楽曲を聴いて曲の難易度が高めのコンテンツだなというのは覚悟していたんですけど、それを上回るような曲です。でも、ジュナのキャラクター性を考えるとその難しさによって、聴いていただく皆さんにも掴みどころのなさをいっそう感じていただけると思います。まだジュナを知らない方にも、その人物像を感じていただける曲だと思います。頑張って歌っている、となってはジュナらしくないので、涼しい顔で歌っているジュナらしさを表現できるように頑張りました(笑)。引き続きアルカナムジカの、そして斑目ジュナの応援をよろしくお願いいたします!」
――ありがとうございました。
『綺麗だ』 好評配信中!
寺島さん演じる斑目ジュナ(アルカナネーム:テティス)の楽曲が好評配信中! 宝石のような煌びやかでミステリアスなサウンド、さらにはまるでジュナに話しかけられているようなドキッとする台詞パートにも注目の一曲です。ぜひ、各配信サイトをチェックしてみてください!
Music Information
テティス/斑目ジュナ(CV:寺島惇太)正位置楽曲
『綺麗だ』
2023年5月24日(水)配信
「Arcanamusica」Story
"特別な曲が聴ける"と巷で話題の音楽アプリ、『アルカナムジカ』――。激務に追われる日々を過ごすプログラマー・川和静は、ある日、自身のスマートフォンに見覚えのないアプリ・アルカナムジカがダウンロードされていることに気づく。「アプリ内の機能を使ってだれでも自由に音楽を配信できる」という言葉に惹かれ、アルカナネームを「RiZ」と設定し、DL記念の楽曲を歌って配信してみた川和。数日後、川和の元にアルカナムジカの運営会社・ワンダフルネストから『ディスティニーゲーム』への招待状が届いて―…。川和と共に集められた歌い手たちがゲームの末に与えられるのは、『アルカナポイント』。そのポイントを集めた果てには、どんな願いも一つ叶う<<ワールド>>の称号が待っているという。それぞれが想いや願いを胸に秘め、歌い手たちは<<ワールド>>を目指す。彼らの『歌』の先にあるものは――?タロットに導かれた歌い手たちのミステリアスファンタジー、開幕!
Comic Information
マンガ『Arcanamusica(アルカナムジカ)』情報
作画:練間エリ 構成:蓮えみこ
キャラクターデザイン:おぐち 原作:Arcanamusica
「マンガMeeで連載中!」 https://arcanamusica.jp/comic/
『アルカナムジカ』 公式サイト&SNS
©Arcanamusica
取材・文/衣南かのん
衣南かのんプロフィール●フリーライター兼ディレクター。物語のおたくとして生きてきて、2011年からは女性向けゲームシナリオを中心に活動中。近年は漫画原作や企画、小説、ディレクションなどだんだんコンテンツのなんでも屋さんになりつつある今日この頃。