【橋本環奈インタビュー】カッコいい大人の条件は「子供のような好奇心と遊び心を持っていて、学ぶ姿勢を忘れていない人」
橋本環奈「大人化ケイカク」
愛らしすぎるルックスとどこかクールな雰囲気を持ちあわせた俳優・橋本環奈。そんな彼女と一緒に「可愛げと大人っぽさ」を両立させる方法を探ってみよう。
1999年2月3日生まれ、福岡県出身。10月からドラマ『トクメイ!警視庁特別会計係』(フジテレビ系・月曜22:00〜)が放送スタート。現在、主演映画『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』がNetflixにて世界独占配信中。2024年後期放送予定のNHK連続テレビ小説『おむすび』で主演を務める
周りの大人たちから学んだカッコいい大人の条件
目が離せなくなるほどの圧倒的な可愛らしさと、どんな仕事も完璧にこなすプロ根性、そして屈託なく笑う飾らない素顔が魅力の橋本さん。“大人”について話を聞きたいと伝えると、開口一番「10代の頃からあまり女の子らしい生活は送っていなかった」とつぶやいた。高校生時代からゴルフに挑戦し、今はサウナも大好きでよく通う。仲のいい人たちは30〜40代の「カッコいい大人」が多いという。
「周りの人を見ていると思うんです。素敵な大人って、子供のような好奇心と遊び心を持っていて、いつまでも学ぶ姿勢を忘れていない人のことを言うんだなって。何もしなくても誰かから教えてもらえるのは10代まで。大人は自分から学ぶ姿勢がないと、新しいことを吸収したり成長したりする機会が少ないと思うんです。実年齢よりも『大人っぽいね』とか『しっかりしてるね』と言われることが多いけど、賢いふりをしないでわからないことは素直に聞く。そしてどんなにつらい状況でも楽しむ姿勢を持つ。そんな子供みたいな心を持つ大人でいたいと思っています」
その思いは、仕事におけるマイルールにもしっかりと貫かれている。ドラマや映画だけでなく、『NHK紅白歌合戦』の司会を務めるなど、ジャンルレスに活躍する橋本さんの仕事選びの基準は「心が躍るかどうか」。
「一緒に仕事をしたいと思ってもらえることがまずうれしいので、求められたら応えたいし、さらに期待を超えて裏切りたいと思っていて。そのためには、その仕事に対してワクワクできるかが重要。そして、むだに謙遜するばかりじゃなく、自分なりにどう動けばおもしろくなるかを模索していきたいんです。ただ、カッコつけのところがあるから『頑張ってます!』みたいな苦労話はしたくないし、見ていただく方に伝えないようにしたい。いつだってごきげんでいることがいちばんです(笑)」
昨年は『千と千尋の神隠し』で初舞台に挑戦。俳優として大きな節目となったそう。
「お客さんの前で生でお芝居をするので、間違っても続けなきゃいけないし、音にも合わせなければいけない。映像とは全然違うと思いました。稽古中は途中で息切れしてセリフを言えないくらいつらかったのに、稽古を重ねるうちに演じる体力がついて、余裕で言えるようになったり。2回公演を終えた翌日の1回公演が、普段より軽く感じるようになったり。謎の体験もありました。集中力を切らさないことや、自分で自分を飽きさせない工夫など、毎日初めて学ぶことや発見が多くて。すごく楽しかったし、成長できたと思います」
つきあい方は変わったけれど人と会うことはいちばんの趣味
仕事で大きな成長を遂げたと同時に、人とのつきあい方にも変化が起きているよう。
「20歳の頃は飲みの誘いを断らないという謎のポリシーがあったんです。1日に4件、別の飲み会をはしごしたことも(笑)。でもそんなことをしていたらいつか体を壊すし、気分じゃない時ははっきり断れるようになりました。そこはつきあい方の考えが変化したかもしれません。自分が断れるようになったからこそ、相手にもそうしてほしくて。ご飯の約束をしていても、気分じゃなかったらドタキャンしてくれたって全然いいんです。彼氏ができて疎遠になった女友達がいても、『お幸せにねー♡』って感じ。執着心がなさすぎて、めっちゃドライだって言われます(笑)」
そう言いつつも、「人と会うこと」がいちばんの趣味と公言。この10年ほどは、「ひとりで過ごすことはほぼないのでは……」と語るほど。どれだけ多忙な日々を過ごしていても、大切な友達たちとの時間は死守してきた。
「毎日誰かしらに会っている感覚だし、遊びにいきたいと思ったらすぐに自分から連絡します。ご飯に行く約束はもちろん、『夏に沖縄に行こう』とか、『USJに行きたいね』という話になったら、自分から『よし、日程を決めよう。私はこの日とこの日とこの日があいてるよ』とすぐにスケジュールを出すんです。『行きたいね』と言っているだけじゃ物ごとは何も前に進まないから」
プライベートでの今後の夢を尋ねると、珍しく考え込んだ橋本さん。
「夢って、自分次第で意外と叶えられることもあると思うんですよ。ここ数年はコロナ禍で海外に行けなかったりはしたけれど、これからも夢を実現させていきたいし、ワクワクすることを追い求めていきたいです」
撮影/東 京祐 ヘア&メイク/林 由香里 スタイリスト/石上美津江 取材・原文/松山 梢 ※MORE2023年11月号掲載