【眞栄田郷敦インタビュー最終回】実写映画『ゴールデンカムイ』で印象に残っているキャラクターは?
実写映画『ゴールデンカムイ』公開直前! 人気キャラクター・尾形を演じる眞栄田郷敦さんに直撃インタビュー【第3回】
2024年1月19日公開予定の、映画『ゴールデンカムイ』(原作:野田サトル)で、“孤高の凄腕スナイパー”の異名を持つ、尾形百之助を演じる、眞栄田郷敦さんへのインタビュー、最終回(第3回)は『ゴールデンカムイ』ファンの眞栄田さんによる映画版の見どころや、印象深かったところなどにについて伺いました。
■眞栄田郷敦さんのプロフィール
まえだ・ごうどん:2000年1月9日生まれ。映画『小さな恋のうた』(2019)で俳優デビュー。『東京リベンジャーズ』(2021)、『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』(2021)に出演し、「第34回 日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞 石原裕次郎新人賞」を受賞。その後も精力的に俳優活動を続けており、映画『カラダ探し』(2022)、ドラマ「エルビス-希望、あるいは災い」(2022)、映画『東京リベンジャーズ2血のハロウィン編』『-決戦-』、初主演映画『彼方の閃光』(すべて2023)が公開された。
いろんな意味で飛び抜けているあの役を、生身の人間がやれることに驚きました
――自身のシーンはご覧になりました?
眞栄田さん(以下敬称略):はい。尾形の、得体のしれないミステリアスな感じがちゃんと出ていたと思います。
特に尾形の登場シーンは久、保茂昭監督が原作のポージングを再現したい、と強くおっしゃっていたのでそこは膝や腕の角度までキッチリやらせてもらいました。我ながら、「ちょっと似てんじゃねえかな」と思ってます(笑)。
――ちょっとどころか、シンクロ率100%……、いや、2人を足して200%だと思いました。
眞栄田:(笑)。漫画原作の作品に出演したことは何度かありますが、今回はいつも以上に漫画を参考にした部分はあるかもしれないですね。現場でも、漫画のシーンを見ながら打合せをする、ということもありましたから。
――作品の中で印象に残っているシーンやキャラクターはありますか?
眞栄田:矢本悠馬さんが演じた白石由竹ですね。脚本を見て、脱獄王の、ヌルヌルのあのシーンを「生身の人間がどうやって?」と、ずっと気になっていたんですけど……、おもしろかったですね(笑)。本編を観たら、思いっきりコメディテイストなシーンに仕上がっていたので、さすがだなと思いました。
あと、杉元たちがヒグマと戦うシーンがあるんですけど、そこの映像クオリティも本当に高いです。あと気になったのは、鶴見中尉と、牛山と土方です。3人とも原作の時から好きなキャラクターというのもあるんですが、キャラクターの再現度が高くて、見ごたえがありました。
――“怪人”オーラを発している3人ですね。
眞栄田:特に、体が大きな牛山のキャスティングが誰になるのかずっと気になっていましたが、蓋を開けてみたら勝矢さんで、「うわ、めっちゃわかるわ!」と。ちゃんと、おでこに“はんぺん(編集部注:はんぺんのようなこぶが牛山のトレードマーク)”がついていて(笑)、本当に素晴らしいなと思いました。
――眞栄田さんの想像を超えてきたキャラクターはいますか?
眞栄田:鶴見中尉ですね。原作を読むとわかると思うんですが、鶴見は、見た目的にも性格的にも、行動的にも、いろんな意味で、普通の人から飛び抜けちゃっている人物。なので、どんな人がどう演じるのだろうと思っていたら、玉木さんで。作品を観ていただければわかると思うんですが、飛び抜けていました(笑)。本当にさすがだな、ピッタリだなと感じると思います。あと、アシㇼパ役の杏奈ちゃん。彼女の感情表現は見習いたいですね。
――お話を伺って、眞栄田さんのお芝居に対する姿勢は、とてもストイックだと感じました。なのに、間をあけず、コンスタントに作品に出続けています。何かリフレッシュする方法があるのでしょうか?
眞栄田:仕事に限った話じゃないんですけど、1回役から離れてみるのも大事だなと思っています。何をするにしても、バーッと集中してやった後に一度離れて寝かすと、次に向き合った時に新しい発見があることが多い。何度か繰り返してみて、そのことに気付きました。尾形でも、そういう形でリフレッシュしましたよ。
いつでも続編をやる準備はできています(笑)
――『ゴールデンカムイ』中、一番のお気に入りシーンは?
眞栄田:それは……、名場面が多すぎて選びきれないですね。映画の中は原作に忠実なので、全てお気に入りですけど……。原作ファンとしての個人的な希望としては、せっかく尾形を演じる機会をいただいたので、(尾形の異母弟)花沢勇作とのシーンは気になりますね。あと、原作の最終巻に尾形の見せ場があるので、そこも。
尾形の行動の目的は最終巻まで明かされません。今回の映画の役作りは、その思いを把握しながら模索したものを注入しています。さっきも言いましたけど(インタビュー第1回参照)、いつでも続編をやる準備はできています(笑)。
――最後に、眞栄田さんの思う『ゴールデンカムイ』の魅力を教えてください。
眞栄田:本作に共通する魅力は、個性が強い上に魅力的なキャラクターがたくさん登場するところと、刺青人皮を集めて埋蔵金をゲットするというワクワクするストーリー。個人的には、アイヌの生活習慣や食べものが出てくるところも、すごくいいなと思ってます。
でもやっぱり一番の見どころは、手に汗握るアクションじゃないでしょうか。漫画やアニメでは描ききれなかったアクションシーンの迫力は、かなりのもの。
本作は、かなり幅広い世代に見てもらえるのではないでしょうか。濃いキャラクターたちの物語なだけではなく、歴史や、アイヌの人々の置かれている立場についても勉強になりますし、サバイバルあり、アクションありのワクワク作品に仕上がっているので、単純にエンターテイメントとしても楽しめると思います。ぜひ、観てくださいね。
「ゴールデンカムイ」 作品概要
原作について
2014年から約8年間連載し、「マンガ大賞2016大賞」、「手塚治虫文化賞マンガ大賞」(2018)、「第51回日本漫画家協会賞大賞」(2022)といった多く受賞歴のある大人気漫画。全31巻でシリーズ累計2,600万部超(※2023年11月時点)のベストセラーとなっていて、2018年4月からはTVアニメの放送も開始(※現在は、TVアニメ第4期まで完結)。完結後の現在も熱烈な支持を集めています。
内容は、明治末期の北海道を主な舞台とした、金塊を巡って繰り広げられるサバイバル・バトル。主人公の“不死身の杉元(佐一)”とその相棒であるアイヌの少女・アシㇼパ、さらに大日本帝国陸軍第七師団や、戊辰戦争で戦死したはずの土方歳三など、歴史上の人物も加わって、埋蔵金戦線は大混戦! 複雑に絡み合う利害関係によって敵と味方が入り乱れる緻密で熱い物語は、読み始めたら最後、1ページたりとも読み飛ばせません!
作品の面白さに輪をかけているのが、メインストーリー以外の“その他”の要素。登場人物の生い立ちや、旅の途中でアシㇼパが腕を振るうアイヌ料理やサバイバル知識、ギャグ&パロディといったお笑い要素など、「そうくるの!?」「だと思った」という展開が随所にもりこまれているので、重めのテーマながらも、ポップに楽しめちゃいます。ちなみに、連載時のキャッチコピーは「冒険・歴史・文化・狩猟グルメ・ホラー・GAG&LOVE!! 和風闇鍋ウエスタン!!」でした。
実写映画版キャストについて
主人公で“不死身の杉元”と呼ばれる元陸軍兵・杉元佐一を山﨑賢人さん、ヒグマに襲われる杉元を助けたことをキッカケに旅の相棒となるアイヌの少女・アシㇼパを山田杏奈さんが。“脱獄王”の異名を持つ天才脱獄犯・白石由竹役に矢本悠馬さん、さらに杉元とアシリパが探す金塊を狙う大日本帝国陸軍第七師団中尉・鶴見篤四郎役に玉木宏さん、杉元&鶴見と同じく金塊を狙う元新撰組“鬼の副長”土方歳三役に舘ひろしさんなど、豪華キャスト陣が集結しました。
なお、今回お話を伺った眞栄田さんは、第七師団上等兵の“孤高の凄腕スナイパー”と呼ばれる、尾形百之助役で登場します!
実写映画版あらすじ
北の大地・北海道が舞台。時代は激動の明治末期――。
日露戦争で最も過酷な戦場となった二〇三高地をはじめ、その鬼神のごとき戦いぶりに“不死身の杉元”という異名を付けられた日露戦争の元兵士・杉元佐一は、ある目的のために大金を手に入れるべく、砂金採りに明け暮れていた。ある日、杉元はアイヌ民族から強奪された莫大な金塊の存在を知る。金塊を奪った男“のっぺら坊”は、捕まる直前に金塊を隠し、そのありかを記した刺青を24人の囚人の体に彫って、彼らを脱獄させた。囚人の刺青は24人全員で一つの暗号になるという。
そんな折、野生のヒグマの襲撃を受けた杉元を、アイヌの少女・アシㇼパが救う。アシㇼパは金塊を奪った男に父親を殺されていた。金塊を追う杉元と、父の仇を討ちたいアシㇼパは行動を共にすることに。
しかし、金塊を狙うのは彼らだけではなかった。日露戦争で報われなかった師団員のために北海道征服を目論む大日本帝国陸軍第七師団の鶴見篤四郎中尉、さらに戊辰戦争で戦死したとされていた新撰組の鬼の副長・土方歳三が現れる。自らの野望実現のため、杉元&アシㇼパVSS第七師団VS幕末の志士という、三つ巴のサバイバル・バトルが、今始まる!
2024年1月19日(金)全国公開!
原作:野田サトル「ゴールデンカムイ」(集英社ヤングジャンプ コミックス刊)
監督:久保茂昭
脚本:黒岩勉
音楽:やまだ豊
主題歌:ACIDMAN「輝けるもの」(ユニバーサル ミュージック)
アイヌ監修:中川裕、秋辺デボ
製作幹事:WOWOW、集英社
制作プロダクション:CREDEUS
出演者:山﨑賢人、山田杏奈、眞栄田郷敦、工藤阿須加、柳俊太郎、矢本悠馬、大谷亮平、勝矢、木場勝己、大方斐紗子、秋辺デボ、マキタスポーツ、玉木宏、舘ひろし、高畑充希、泉澤祐希
■公式サイトやSNSなどはこちら
公式サイト:https://kamuy-movie.com
公式X(旧Twitter):https://twitter.com/kamuy_movie
公式instagram:https://www.instagram.com/kamuy_movie/
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撮影/アキタカオリ ヘアメイク/古久保英人(Otie) スタイリスト/MASAYA 取材・文/中川薫