【木全翔也(JO1)インタビュー前編】「映画『トラペジウム』は自分の人生に近い物語」
木全翔也さんインタビュー前編
アイドルを目指す少女の青春を描いた、乃木坂46 1期生・高山一実の小説「トラペジウム」。作者自身の経験や葛藤が込められた大ヒット作が、ついにアニメ映画化されました。
そこで、夢に向かって頑張る主人公を支える男子高校生、工藤真司の声を演じた木全翔也さんにインタビュー! 自身もアーティストとして活躍されている木全さんに、原作を読んだ時の感想や、それぞれのキャラクターについて聞いてみました。
木全翔也さんプロフィール
きまたしょうや。2000年4月5日生まれ。愛知県出身。2019年にグローバルボーイズグループ「JO1」のメンバーとしてデビュー。5月29日にはJO1の8TH SINGLE『HITCHHIKER』も発売! さらに、現在はNHK『ハングルッ!ナビ』に個人でレギュラー出演するなど活躍の場を広げている。
自分も夢のために準備していた時期があって、主人公のゆうと重なった
――今作のオファーがきた時は、どんな気持ちでしたか。
木全さん(以下敬称略):声優をやってみたいという思いはあったのですが、まさか本当にアニメ映画の声優ができるとは想像もしていなかったので驚いたし、うれしかったです。しかも、自分の人生に近い物語でいいなと思いました。
――本作は、アイドルになるため自分に、“SNS はやらない・彼氏は作らない・学校では目立たない・東西南北の美少女を仲間にする”という4箇条を課した高校1年の主人公・東ゆうが、別々の学校に通う仲間と共に夢を追いかける物語です。原作小説を読んだ時の感想を教えてください。
木全:ゆうなりの方法でアイドルになろうともがく姿は印象的だったし、感情移入しましたね。自分もアイドルに憧れがあるけれど、だれにも相談できずにどうしようかと悩みながらも、夢のために準備していた時期があったので。努力してもなかなか上手くいかないもどかしさが、すごくリアルに表現されていて、原作者の高山さんも、そういう経験をされたからこそ生まれた作品なのかな、と思いました。
――木全さんご自身は、アイドルになることを夢見ていた当時、どういった準備をしていたのでしょうか。
木全:ダンスや歌ですね! 特にダンスはがっつり習っていて。それこそダンスの先生が、「韓国に行く」という選択肢を提案してくれたこともあったんですけど、心の準備ができなくてなかなか踏み出せなくて……。しばらくの間、ダンスの練習を続けながら、チャンスを伺うけれど掴めないという日々を送っていたことを思い出しますね。
――そういった日々から一歩前に進めたきっかけは何だったのでしょうか。
木全:「KCON」にK-POPのカバーダンスで出演して、それがめっちゃ楽しくて! 終わった時に、「もうこの歓声を浴びられないのか……」「またこういうステージに立ちたい」と思ったんです。そのタイミングで「PRODUCE 101 JAPAN」の参加者募集があり、「応募するだけならいいか」と軽い心持ちでエントリーしたら101人に選ばれて。今は、JO1として「KCON」のステージに立っています!
「頑張って。君ならいけるよ」と声をかける。それが僕なりの応援方法
――木全さんは、アイドル志望の主人公・東ゆうを支える男子高校生の工藤真司役を演じられました。木全さんの目に、ご自身のキャラクターはどう映りましたか。
木全:真司はゆうのよき理解者であり、サポーターである “ありがたいキャラ”ではある一方で、完璧には彼女が目指す方向を見られていないんじゃないかと感じる部分がありました。やっぱり、夢を追う当事者ではないからこそ、ゆうにかける言葉が「(アイドルになるためには)それ遠回りなんじゃない?」といった感じで、客観的すぎる時があって。
それが彼女にはない発想であり、彼女をいい方向に連れて行くこともあるけれど、熱量に差を感じるというか。言葉にするのが難しいけれど、夢を追う人と、その夢を応援する人との間にあるものを感じたんですよね。今、僕は主人公が目指していたアイドルという人生を送っているけれど、18歳までは真司みたいな学生だったので、両方の気持ちが分かる気がします。ちなみに真司は星が好きですが、僕も好きで。めっちゃ気が合うな〜と思いました(笑)。
――ではもし、木全さん自身が工藤真司のように、今、夢を追いかける人をサポートする立場だったらどうしますか?
木全:わぁ〜難しい……!! 真司の立場だったら、アイドルになるための近道をアドバイスしたくなってしまうかも。あ〜でも、僕はゆうの気持ちも分かるから、やっぱり何もしないかな。「頑張って! いけるよ、いける」と声かけだけします!
映画『トラペジウム』
映画『トラペジウム』
2024年5月10日全国ロードショー
【スタッフ】
原作:高山一実「トラペジウム」(KADOKAWA刊 / 「ダ・ヴィンチ」連載)監督:篠原正寛
スーパーバイザー:舛成孝二
脚本:柿原優子
キャラクターデザイン:りお
音楽:横山克
主題歌:MAISONdes「なんもない feat. 星街すいせい, sakuma.」
制作:CloverWorks
配給:アニプレックス
【キャスト】
東ゆう:結川あさき
大河くるみ:羊宮妃那
華鳥蘭子:上田麗奈
亀井美嘉:相川遥花
工藤真司:木全翔也(JO1)
古賀萌香:久保ユリカ
水野サチ:木野日菜
伊丹秀一:内村光良
撮影/イマキイレカオリ スタイリスト:ホカリキュウ ヘアメイク:西尾さゆり 取材・文/海渡理恵