【岩田剛典さんインタビュー前編】『聖☆おにいさん THE MOVIE~ホーリーメンVS悪魔軍団~』撮影の裏側は?
映画『聖☆おにいさん THE MOVIE~ホーリーメンVS悪魔軍団~』(12月20日(金)公開)で天使の軍団を率いる天使長・ミカエルを演じた岩田剛典さんのインタビュー前編。脚本と監督を手がけた福田雄一さんとのやりとりやアドリブが飛び交っていたという撮影エピソードは必見です!
脚本に書かれていない、ありとあらゆることにチャレンジした
――福田雄一監督作品への出演は、『新解釈・三國志』、『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』に続き、今作で3度目です。福田組には、どんな印象を持たれていますか?
岩田剛典さん(以下、岩田):1回目の時はセリフだけ頭に入れておいて、ドキドキしながら現場に行ったんです。そしたら監督に「このセリフを言ったあと適当に踊って」って言われて、福田組の免疫がなかった僕は真っ青になりながらも洗礼をしっかりと受けました(笑)。2回目の時は役柄的にお笑いにはあまり関与しないパートを担当させてもらって、今回演じたミカエルも脚本上は全然ふざけていなかったんです。でも、そのままやるのも違うんじゃないかと思って、いろいろ準備してから現場に入りました。
――たとえば、どんな準備をされたのでしょうか?
岩田:脚本に書かれていない、ありとあらゆることです。現場で実際にやってみて監督から「それはやらなくていいよ」って言われたら引き算して調整していこうと思っていたんですけど、結果的に「もっと見たいから長くやっていいよ」みたいな感じで全部採用してもらったんですよね。
踊ったのも勝手に、です。主演のふたり(松山ケンイチさんと染谷将太さん)もビックリしていましたね。「ダンスって監督に言われてつけたアドリブ?」って聞かれて、「いや、勝手に自分で考えてやりました」って言ったら、「今の俳優はここまでやんないといけないんだ……」、「ね~」って(笑)。
――ミカエルのビジュアルは、ロングの金髪に青い目。初めて自分の姿を見た時の感想は?
岩田:別人みたいだったので、スクリーンに映った時に「これ誰?」ってならないかなと(笑)。でも、せっかく青いカラコンを入れたから、目をかっぴらこうとは思っていましたね。あとは、なんでもない時にいきなり変な感情を引き出してくる情緒不安定さだけベースで決めて、とりあえず段取り(リハーサル)でいろいろ試そうっていうチャレンジ精神で演じていきました。
人を笑わせることができるコメディが好き
――福田監督作品3度目ともなれば、共演者の方がアドリブで笑いを誘ってきた時への忍耐力も高くなっていそうですね。
岩田:たしかに。そういうシーンの時は、初見の段取りの時に思いっ切り笑って、免疫をつけておくようにしています。
――今作の撮影中、それでも笑いそうになってしまったシーンはありましたか?
岩田:神木(隆之介)くん演じるヨハネの登場シーンのヤバい感じは、ご本人のイメージとのギャップも含めておもしろかったです。賀来(賢人)くんがセリフにこの業界では定番の朝の弁当の話を入れてきたのも「それ観客の方に伝わるの!?」と思いつつ、さすがでした。みなさん、自分がキャスティングされた意味をすごく考えて、プレッシャーに感じているんですよね。めちゃめちゃ勉強になりました。
――コメディの経験値がどんどん上がっているかと思いますが、コメディは得意なジャンルですか?
岩田:得意かどうかはさておき、好きです。自分がしかけておいて先にツボっちゃう場合もあるんですけど、人を笑わせることは好きなので、また福田組に呼んでいただけることがあれば頑張りたい。そのうち、「この人が演じているからおもしろい」っていう笑いが作れるようになったらいいなと思っています。
映画『聖☆おにいさん THE MOVIE~ホーリーメンVS悪魔軍団~』
世紀末を無事乗り越えた神の子イエスと仏の悟りを開いたブッダは、日本の四季折々を感じながら下界で密やかにバカンスを楽しんでいた。東京・立川にある風呂なし6畳一間のアパートでアイスを分け合ったり、近所の商店街で福引きを楽しんだり、お笑いコンビ「パンチとロン毛」を結成したり……。そんなゆるい日常を過ごすふたりのもとに、ある日、天界からの使者が現れ、禁断のオファーが伝えられる。やがてそれは、神も仏も天使も悪魔も入り乱れる、まさかの地球滅亡の危機へとつながっていく!?
●12月20日(金)全国東宝系にて公開 ©中村光/講談社 ©2024映画「聖☆おにいさん」製作委員会
【衣装】
コート¥430100・シャツ¥147400・パンツ¥132000/MARNI(マルニ ジャパン クライアントサービス)
【お問い合わせ先】
マルニ ジャパン クライアントサービス
☎0120-374-708
撮影/つぼいひろこ 取材・文/吉川由希子