【ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン 青学(せいがく)vs比嘉】竹内雄大&寺田友哉に開幕直前インタビュー(前編)
キャスト刷新! 新青学(せいがく)の熱きたたかいを刮目せよ
ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン 青学(せいがく)vs比嘉に出演するアップカミングな俳優・竹内雄大さん(越前リョーマ役)と寺田友哉さん(手塚国光役)にWインタビュー! 前後編の2本立てでお届けします。
年明けすぐの2025年1月11日(土)から始まる初舞台を目がけて「僕たちに休憩なんかいらないよな!」と本稽古に励むふたり。前編では、プレッシャーを跳ねのけながら大役に挑む心境の変化やお互いの印象、稽古中のエピソードについてお伺いします。
ミュージカル『テニスの王子様』って?
1999年7月から 2008年3月まで「週刊少年ジャンプ」(集英社刊)で連載されていた漫画『テニスの王子様』(通称「テニプリ」)を舞台化した作品。通称“テニミュ”。シリーズ通算公演数2000回・累計観客動員数約300万人を誇る2.5次元ミュージカルの金字塔です。
テニミュの観どころは、なんと言っても唯一無二の個性的な舞台展開。複雑なテニスの試合を、度肝を抜くユニークな演出手法で巧みに表現しています。また、キャストたちがテニスのフォームをふんだんに取り入れながら次々に繰り出す力強い歌とダンスも迫力満点! 「観れば必ず、新たに推したい俳優が見つかる」と大評判のステージなのです。
テニミュ4thシーズンのあらすじ
関東大会優勝を果たした越前リョーマ(雄大さん)ら青春学園中等部(青学/せいがく)は、次なる大舞台・中学生テニストーナメント全国大会に向けた強化トレーニングの真っ最中。九州で肩のリハビリに励んでいた部長・手塚(友哉さん)も部にカムバックし、青学チームは満を持して全国へと臨みます。
緒戦の相手となる比嘉中学校は、武術経験を持つ身体能力の高いメンバーばかりがそろう武闘派集団。顧問のスパルタ指導を耐え抜き、勝つためには手段を選ばない苛烈なゲーム展開を繰り広げることから、今大会のダークホースと恐れられています。さらに、関東大会で青学(せいがく)とともにしのぎを削った不動峰・六角・立海もそれぞれ緒戦を迎え、中学テニスの頂点を決める全国大会の熱きたたかいが開幕します!
人気俳優への第1歩! テニミュワールドが見せる夢と未来
“若手俳優の登竜門”といわれるテニミュ。初公演からなんと400名を超えるキャストが出演してきました。舞台経験の有無にかかわらず「原作のキャラクターに近いかどうか」を第1条件として選出されたフレッシュなキャストたちが、稽古や公演を重ねるごとに大きく成長していく姿を見守るのがテニミュ鑑賞の醍醐味。本番を間近に控えた雄大さん・友哉さんも手応えを感じているようです。
「受かると思わなかった」オーディションから本稽古までの変化
竹内雄大さんと寺田友哉さん、ふたりはともに愛知県出身。オーディション合格を機に地元の愛知県から親元を離れて上京した座長の雄大さんと、そんな後輩を温かく見守りながら、全体のまとめ役を担う友哉さん。本番へ向けてテニミュ一色の毎日を過ごしています。
ーー本稽古に入った今、オーディションの時と比べてどのような心境の変化がありますか?
オーディション中は、自分のことに精いっぱいで周囲がまったく見えていませんでした。役をいただいてからも、うれしさより驚きや不安のほうが勝っていました。でも、稽古が進むにつれて自覚のようなものが芽生え、今の自分に足りないところが徐々に判明してくるにつれて、それをどうやって解決していくかをみんなで話し合う日々。いい舞台になると思っていて、本番が始まるのが楽しみです。
オーディションの時は、自分がなぜ次々に審査をパスしていくのかよくわからなかったんです。毎回「ダメだった!」と思いながら帰っていました。最終審査のワークショップの時に「落ちてもいいからとにかく楽しんでやろう」と気持ちを切り替えたら役が決まっていました。稽古が始まって以降は、選んでいただいたからには絶対に悔いのない作品に、手塚国光という役を自分の中にしっかり確立させて、やれるだけのことをやっていこう、という強い気持ちで臨んでいます。
ーーなぜ手塚役に選ばれたのか、ご自身で理由を把握されていますか?
めちゃめちゃカチコチに緊張していたせいか、演出の三浦(香)さんは「この人いつも怒っているな」と思っていたようで、その様子が手塚像と重なったと聞きました。気を引き締めるべき時はグッと締めたほうが、第三者からはより手塚に見えるんだと思いました。本公演に向けてしっかり締めていきます(笑)。
ーーお互いの印象や関係の変化についても教えてください。
雄大のことは最初から認識していました。「この人、絶対にリョーマだ!」って思っていたので。
僕は友哉くんのことを「静かで大人っぽい人だな」と思っていました。初めての顔合わせのあと、みんなで親睦会に行ったのですが、本当に人見知りの集まりで(笑)。シーーーンと場が静まり返る中、友哉くんがめちゃくちゃ頑張って場を仕切ってくれて「いいお兄ちゃんだなぁ」と頼もしく思いました。今ではお父さんのように慕っています。
だってこれから何カ月も一緒にいることになるのに、沈黙しっぱなしは恐ろしいよ。当時は、部長役にとらわれすぎて「とりあえず自分から話を振って回していかないと!」とずっと思い込んでいた時期だったしね。あの時は頑張ったなァ、僕……(遠い目)。
(桃城 武役の)有岡歩斗くんが超助けてくれて、本当にありがたかったです。
雄大はなるべくしてリョーマ役に決まったのだと思います。もともと持っている小生意気そうなオーラがリョーマにぴったり……怒らないでね、褒めているよ(笑)。年下なのもあって、少し子どもっぽいところもあるのかと思いきや、本稽古に入ると意外と大人っぽい面を見せてくれて新鮮です。今は1周回ってただ「可愛いなあ」と。
左利きにジャンプetc.、テニミュ稽古ならではの苦労エピソード
ーー大勢の先輩たちが積み上げてきたテニミュの世界観をふまえたうえで、どのようにご自身の個性をステージで表現したいと思っていますか?
僕は今回、全国大会に挑むリョーマを演じます。関東大会までの経験を意識しながら、11代目・今牧(輝琉)くんが築いてきたリョーマ像をリスペクトしつつ、自分らしさを取り入れて、全国の舞台をたたかうのにふさわしい、たくましいリョーマを演じたいです。
僕は、怪我をして九州に単身リハビリに行き、いろいろな経験を経て心も体も強くなって帰ってきた手塚という設定なので、山田健登さんが演じた11代目の手塚にリスペクトを持ちつつ、自分の中で「こうだな」と思った要素をどんどん加えていって、「やっぱり部長がいる青学(せいがく)はいいな」と思っていただけるような強くたくましい存在になれるよう、日々の稽古に努めています。
ーー本稽古で特に苦労している点はありますか?
左手生活でしょうか。
僕もそうです。あとはジャンプが課題です。今牧くんのジャンプって本当にすごいんですよ。空中の体勢まですごく研究しつくされていて。僕はジャンプ力があんまりないみたいなんです。
上じゃなくて前に向かって跳ぶよね、ビョーーーンって。だから研究中なんだよね、雄大のリョーマらしいジャンプを。
ーー雄大さんにしかできないダイナミックなパフォーマンスが観られるのを楽しみにしていますよ。リョーマと手塚、サウスポーどうしによるダンスも観どころですね。
雄大はダンス経験者ですが、僕は未経験なので、ちょっとでもヒントを得ようとめちゃくちゃ教えてもらっています。いつも一緒に踊ってくれるよね。
でも友哉くん、最初の頃と比べて、振りつけを覚えるのがめちゃくちゃ早くなったよね。お父さん、成長してる!
こうやって言ってくれるんですよ。本当にありがたいです、お父さん、頑張るね♪
ーー主人公の雄大さんと部長役の友哉さん、それぞれがいいリーダーシップを発揮して、テニミュ4thシーズン全体を率いている様子がわかりますね。
僕は年少組ではありますが、主人公で座長という立場なので、最初は、自分が各メンバーにどう接すればいいのか難しく感じてすごく悩んでいました。でも、みんながそんな僕の様子を察して相談に乗ってくれたりしたので、本当に支えてもらっています。
青学には性格も年齢も経験も全然違う12人の人間が集まっていますから、発言にカチンときたり、衝突したりすることはもちろんあります。ただそういう時に“許せる”能力を身につけてきている実感があります。本稽古が始まった今、自分自身もチーム全体としても、他人を許容する空気が徐々に培われつつあるのかなと思います。尖ったプライドの先をうまく丸めて、自分たちの中に包んで吸収していくイメージでしょうか。ほかのメンバーの視点や考え方に対して柔軟に対応できるようになってきた。けっこう難しいことだと思うので、みんなすごいなあと感心しています。
ーー部長・手塚国光らしい、素晴らしい見解ですね!
僕自身がギスギスと競りあうようなムードの中で仕事をするのが苦手なので、まとめようとする姿勢は素の僕なんです。そこが手塚のキャラクターとリンクして「すごく落ち着いてるね」とみんなに言ってもらえます。手塚と僕の共通点が、チームをうまくまとめているのかもしれませんね。
ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン 青学(せいがく)vs比嘉 公演概要
●原作/許斐 剛『テニスの王子様』(集英社 ジャンプ コミックス刊)
●脚本・作詞・演出/三浦 香
●音楽/坂部 剛/Yu(vague)
●振付/ 遠山晶司(梅棒)/YOU
●主催/テニミュ製作委員会
●出演/<青学(せいがく)>越前リョーマ役:竹内雄大、手塚国光役:寺田友哉、大石秀一郎役:藤本力翔、不二周助役:橋本勇大、乾 貞治役:世良大雅、菊丸英二役:長嶺龍汰、河村 隆役:坂上翔麻、桃城 武役:有岡歩斗、海堂 薫役:渡邊 樹、堀尾聡史役:大山蓮斗、加藤勝郎役:加藤央睦、水野カツオ役:中川湊斗
<比嘉>木手永四郎役:二階堂 心、甲斐裕次郎役:益川和久、平古場 凛役:桜井 一、知念 寛役:坂田大夢、田仁志 慧役:平川聖大、不知火知弥役:高岩芯泰、新垣浩一役:津山晄士朗、早乙女晴美役:鷲尾 昇 ※田仁志 慧の「慧」は旧字体
<不動峰>橘 桔平役:熊沢 学
<六角>葵 剣太郎役:宮脇 優、佐伯虎次郎役:松永有紘、黒羽春風役:桐田伶音、天根ヒカル役:栗原航大、樹 希彦役:森下紫温、木更津 亮役:岸本舜生、首藤 聡役:中嶋 健、オジイ役:うじすけ
<立海>真田弦一郎役:速川大弥、柳 蓮二役:梶山武雅、柳生比呂士役:中山清太郎
<テニミュボーイズ>徳田海斗、樋口明志
●公演日程/
東京公演:2025年1月11日(土)~1月19日(日)日本青年館ホール
大阪公演:2025年1月25日(土)~2月2日(日)梅田芸術劇場 メインホール
東京凱旋公演:2025年2月8日(土)~2月15日(土)TACHIKAWA STAGE GARDEN
●チケット料金/¥7800(全席指定/税込)
イープラス・チケットぴあ・ローソンチケットにて一般発売中
【ダイジェスト映像】ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン 新キャストお披露目会
撮影/齊藤晴香 取材・文/沖島麻美