“素”の露伴はヴェネツィアで動き回っていた⁉

CONTENTS
  1. “素”の露伴はヴェネツィアで動き回っていた⁉
  2. 映画『岸辺露伴は動かない 懺悔室』
  3. シリーズ中、最もミッション・インポッシブルだった本作
  4. 露伴、満を持して原点へ
  5. 露伴、ヴェネツィアで“動く”
  6. キャストたちの懺悔室~そういう夜もある~
  7. 映画『岸辺露伴は動かない 懺悔室』作品概要
左から渡辺一貴監督、大東駿介、飯豊まりえ、高橋一生、玉城ティナ、井浦新

(左から)渡辺一貴監督、大東駿介さん、飯豊まりえさん、高橋一生さん、玉城ティナさん、井浦新さん。

4月15日、漫画家・荒木飛呂彦氏による大人気コミックを原作にした映画最新作『岸辺露伴は動かない 懺悔室』(5月23日全国公開)の完成報告イベントが行われました。会場には、主演の高橋一生さん、そして共演の飯豊まりえさん、玉城ティナさん、大東駿介さん、井浦新さん、そして渡辺一貴監督が出席。日本映画初のイタリア・ヴェネツィアでのオールロケを敢行した本作の約1か月に及ぶ撮影期間の思い出話と、完成したばかりの作品&公開に向けての想いを語ってくれました!

映画『岸辺露伴は動かない 懺悔室』

相手を本にして生い立ちや秘密を読み、指示を書き込むこともできる特殊能力“ヘブンズ・ドアー”を備えた人気マンガ家・岸辺露伴。そんな露伴が遭遇する奇怪な事件に立ち向かう姿を描いた、シリーズ累計発行部数1億2千万部超を誇る荒木飛呂彦氏の大人気コミック『ジョジョの奇妙な冒険』から生まれた傑作スピンオフ『岸辺露伴は動かない』。

スクリーン2作目となる本作は、岸辺露伴シリーズ初の作品で、ファンの間では屈指の人気を誇るエピソード『懺悔室』をピックアップ。日本映画としてははじめての、イタリア・ヴェネツィアでのオールロケを敢行。「岸辺露伴」史上、かつてないスケールでの映像化が実現しました。

5年にわたって、岸辺露伴役を演じてきた主演・高橋一生さんと名(迷?)編集・泉京香役の飯豊まりえさんとの名コンビのシーンも、もちろん登場。MORE読者にとってもうれしい内容に仕上がっています♪

シリーズ中、最もミッション・インポッシブルだった本作

イベントでは、約70秒にわたるメイキングPVが上映されたのち、キャストたちが登壇。まずは最初の挨拶から熱い気持ちがひしひしと伝わってくるコメントをお届けします!

映画『岸辺露伴は動かない 懺悔室』イベント中の飯豊まりえと高橋一生

結婚後初の泉くん(飯豊さん)&露伴(高橋さん)の2ショット。絵になります。

高橋一生さん
岸辺露伴役:人の心や記憶を本にして読み、指示を書き込むこともできる特殊能力を持つ人気漫画家。
「 “岸辺露伴”の世界観に溶け込んでいる迷宮のようなヴェネツィアの風景と、キャスト&スタッフが作り上げた世界観が融合して、ひとつの大きな作品になっていることを喜ばしく思います」


飯豊まりえさん
泉京香役:岸辺露伴の担当編集者。
「岸辺露伴の原点でもある『懺悔室』の実写化。この作品を届けたい、という気持ちでヴェネツィアに行きました」


玉城ティナさん
マリア役:ヴェネツィアの迷宮に露伴が迷い込むきっかけとなる仮面職人。
「原作にはないオリジナルのパートですが、原作とオリジナルが本当にいい具合に混ざっていると思います」


大東駿介さん
水尾役:浮浪者・ソトバ (戸次重幸)を誤って死なせてしまったことで、不気味なほどの“幸運”に襲われる“呪い”をかけられてしまった男。
「テレビシリーズが始まった時からの岸辺露伴ファンです。個人的にポップコーンを嫌いになるほど(撮影中に)投げたので、皆さんは劇場で美味しいポップコーンを食べながら見ていただければ(笑)」


井浦新さん
田宮役:懺悔室で露伴に自らの犯した「あやまち」を告白する謎の男。
「5年もの月日ののち、始まりの物語を撮るということで、大事な作品と思っています。JOJO、露伴、荒木飛呂彦先生のファンである僕自身も満足と納得のいくものでした」


渡辺一貴監督
ドラマ版、映画版の岸辺露伴シリーズを撮り続けている。
「『岸辺露伴は動かない』の映像化は、毎回、“ミッション・インポッシブル”。今回はミッション・インポッシブル中のミッションイン・ポッシブルぐらい、大きなハードルがいっぱいあった作品。皆さんの芝居がものすごく濃密な、素晴らしい人間ドラマになりました」

露伴、満を持して原点へ

映画『岸辺露伴は動かない 懺悔室』イベント中の高橋一生

主演の高橋一生さん。背後にある岸辺露伴の写真とのギャップ!

『懺悔室』は、岸辺露伴の最初のエピソード。「ドラマシリーズ開始から5年の月日を経て、実写の露伴を愛してくださる方が増え、“満を持してこのステージに来た”と、身が引き締まる思いです」と感無量の高橋さん。相棒・泉くんを演じる飯豊さんは大きくうなずき、「ついに来たか、と思いました」。泉京香は懺悔室のストーリーには出てこないキャラクター。「どうやって『懺悔室』の世界に入っていくのかなと思っていたんですが、(脚本の)小林靖子さんのおかげでちゃんと出られました!」とニッコリ。また「プレッシャーだった」という玉城さんは、「原作に描かれていないキャラクターを私が担う。その不安以上に、面白そうだなっていうワクワクのほうが勝った」と振り返っていました。

大東さん井浦さんからは、こんな熱いコメントも。
大東さん「すでに台本からオーラが出ていて、現場に参加してみたら、そう感じる理由がそこにありました。原作に敬意を持って、実写で演じるからこそできることを追求しようする覚悟と信念が画面から伝わってきて、まさに“幸せの絶頂にいるような感覚”。でも僕が演じたのは苦しい役なので、幸せを押し殺す作業が難しかったです」と熱く語ります。

負けじと答える井浦さん。「僕の場合、原作を好きすぎて、ちょっと具合が悪くなるくらい。それこそ“推し”の皆さんがいるところに入っていくわけですから、緊張して皆さんの顔が見られなかったわけです。でも、一生くんたちが5年かけて作った温かく大きな受け皿で僕たちを迎え入れてくれ、心地よく作品の世界に没入させてもらえました」とファンとしての複雑な胸のうちを吐露していました。

映画『岸辺露伴は動かない 懺悔室』イベント中の飯豊まりえさん

飯豊まりえさんが着こなす花柄ワンピース、泉京香役にピッタリ♡

露伴、ヴェネツィアで“動く”

約1カ月に及ぶヴェネツィアロケを高橋さんが振り返ります。「街の造りから違うんですよ。車も自転車も走っていない。道行く人たちすべて含めて異国な感じが、(前映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』で行った)パリとは違う、ある種の閉塞感みたいなものを生んでいて。ヴェネツィアの石畳にいる鳩を見て、日本と変わらない鳩のはずなのに『荒木先生が描いている世界だ!』」と感動。

オフの日には、散歩中に大東さんの撮影現場に遭遇したそう。「徒歩15分で岸辺露伴の現場に行ける贅沢。ニヤニヤしながら、ポップコーンを投げている大東くんを客観的に見ていました。ひっそりと行ったので、スタッフさんに『カメラ(での撮影)はやめてください!』と注意されてしまいました(笑)」と告白。「いや、めっちゃ見えてましたよ(笑)」と返す大東さん高橋さんは浮かれていて。(普段と)温度差が違うなぁと思いました(笑)」と暴露。ヴェネツィアを徘徊してニヤニヤし、浮かれる露伴のエピソードに、会場は大盛り上がりでした!

キャストたちの懺悔室~そういう夜もある~

映画『岸部露伴は動かない 懺悔室』イベントの大東駿介、飯豊まりえ、高橋一生

笑いがこみ上げる大東駿介さんと高橋さん。ふたりに挟まれた飯豊さんももれなく笑顔に。

タイトルにちなんで「懺悔したいこと」を告白した参加者たち。
井浦さんは、周囲に内緒でソトバ役の戸次重幸さんとふたりでヴェネツィアの5つ星レストランで食事したことが「後ろめたい」と懺悔。高橋さんは、岸辺露伴を演じてきた5年間に「どれだけピアスを落としたかわからない。今回のヴェネツィアでも落としました」と、そのたびにピアスを探し出してくれたスタイリストへの懺悔と感謝を述べていました。続く飯豊さんのエピソードも耳飾りについて。「話を聞く動作が多いので、うなずいている時の振動で、イヤリングの黒い石がなくなってしまって。でも、衣装さんのバッグについている丸いボタンがフィットすることがわかり、ペンチでちぎって(笑)装着し、何ごともなかったかのように撮影しました」と、奇跡の連携プレーを披露。

大東さんは、今回のロケ中に貴重品の入ったバッグを紛失する事態になっていたそうで、「夜も遅かったし、2時間ぐらい、ヴェネツィアの川を眺めてました……。なんとかホテルのロビーに入れたものの、そこで寝てしまって、翌朝プロデューサーに起こされました」としょんぼり。この時、早朝ロケだった高橋さんは、ロビーで眠る大東さんに気づいていたのに声をかけなかったとのこと。「見かけたなら声をかけてくださいよ!」と荒ぶる大東さん。「ひとりになってみたい夜もあるのかなと思って」という高橋さん流の気遣いは伝わらなかったようです(笑)。そして、ヴェネチアの話が続く中、バツが悪そうに口を開く玉城さん。「自分が見る夢に身近な人が出てきて、その人に嫌なことされると、その相手をちょっと苦手になっちゃうという、本当にどうでもいいこと言おうとしたんですけど……まさに今懺悔しないとですね。ごめんなさい!」と、見事なオチをつけてくれました(笑)。

映画『岸辺露伴は動かない 懺悔室』イベントでの玉城ティナさん

シックな装いの玉城ティナさん。マリア役をイメージしたミステリアスな魅力が♡

そして、高橋さんが最後に挨拶。
「これまでのシリーズに共通している『動かない』という言葉は、やっぱり精神的なことを指しているんだと思います。自分の矜持を貫くというその心。キャスト・スタッフそれぞれ、まるで露伴のように譲らない何かを胸に持って作品にのぞんでいた気がします」と、切々と語ります。そして「登場人物はわずか7、8人の世界なのに、ヴェネツィアの風景の中で物語が展開されることで、まるでオペラを観ているような感覚に僕はなりました。これまで観たことのない作品に仕上がっているという確信があります」と自信をのぞかせていました。「ヴェネツィア旅行をしているような感覚で観ていただける作品でもあります。ぜひ体験していただけたら」と締め、イベントは幕を下ろしました。

 

注目の映画『岸辺露伴は動かない 懺悔室』の公開は5月23日。
ヴェネツィアで紡がれる露伴たちの活躍をお楽しみに!

映画『岸辺露伴は動かない 懺悔室』作品概要

2025年5月23日全国公開

あらすじ

漫画家・岸辺露伴はヴェネツィアの教会で、仮面を被った男の恐ろしい懺悔を聞く。それは誤って浮浪者を殺したことでかけられた「幸せの絶頂の時に“絶望”を味わう」呪いの告白だった。幸福から必死に逃れようと生きてきた 男は、ある日無邪気に遊ぶ娘を見て「心からの幸せ」を感じてしまう。その瞬間、死んだはずの浮浪者が現れ、ポップコーンを使った試練に挑まされる。「ポップコーンを投げて3回続けて口でキャッチできたら俺の呪いは消える。しかし失敗したら最大の絶望を受け入れろ…」。奇妙な告白にのめり込む露伴は、相手を本にして人の記憶や体験を読むことができる特殊能力を使ってしまう…。やがて自身にも「幸福になる呪い」が襲いかかっている事に気付く。

キャスト&スタッフ

出演:高橋一生  飯豊まりえ / 玉城ティナ  戸次重幸  大東駿介 / 井浦新

原作:荒木飛呂彦「岸辺露伴は動かない 懺悔室」(集英社ジャンプ コミックス刊)

監督:渡辺一貴

脚本:小林靖子

音楽:菊地成孔/新音楽制作工房

人物デザイン監修・衣裳デザイン:柘植伊佐夫

製作:『岸辺露伴は動かない 懺悔室』製作委員会

制作プロダクション:NHKエンタープライズ、P.I.C.S.

配給:アスミック・エース

© 2025『岸辺露伴は動かない 懺悔室』製作委員会
© LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社

映画『岸辺露伴は動かない 懺悔室』公式サイト

撮影/齊藤晴香 文/中川薫

あらすじ