【おかずクラブ】“女芸人が売れる時代”に、地獄の日々を過ごした2人。挫折しかけた20代を振り返る

今の20代に向けた、素敵な人生の先輩から言葉のエール

恋愛や結婚、仕事、将来への不安……etc. たくさんの悩みや葛藤を抱え、揺れながら生きる20代。同じように雌伏の時を経て、30代、40代で光り輝く先輩に、人生の歩み方のヒントをうかがいました。今回は芸人・おかずクラブのオカリナさんとゆいPさんにインタビュー。

「体力」、「好奇心」のすべてをお笑いにつぎ込んで“今”がある

芸人

おかずクラブさん

1984年生まれのオカリナさん（左）と、1986年生まれのゆいPさん（右）を中心に、2009年に結成。日本テレビ『世界の果てまでイッテQ！』準レギュラー。YouTube「おかずクラブちゃんねる」も人気

好きな道に進むための保険になった看護師資格

NSC（吉本総合芸能学院）に入る前は、それぞれ看護師と大学生だったというオカリナさんとゆいPさん。

「看護専門学校を卒業し、国家資格に一度で受からなかったので翌年再受験。病院奨学金を返済し終わる3年を目途に看護師として働いた後、NSCに入学しました。実際に働いてみて、自分にはマジで向いていないと感じましたが、資格を持っていたことが、不安定な仕事である芸人を目指しやすくしてくれたと思います」（オカリナさん）

一方、ゆいPさんは大学卒業後、そのままNSCに入学。

「それまでは敷かれたレールに乗ってあたりさわりなく生きてきたので、初めての大きなチャレンジでした。きっかけは、母親の行動力。若い頃は家が貧しくて諦めた海外協力隊に、40代になってからシニアの協力隊として参加した姿を見て、『やりたいと思ったことはずっと心に残るんだな』と感じて。後悔しないよう、自分も思いきりました」（ゆいPさん）

売れるまでの地獄の日々は20代だからこそ耐えられた

死にかけのセミをすずめから救ったオカリナさんに惹かれ、ラブコールし続けたゆいPさんの願いが叶ったのは、互いが24歳と22歳の時。もうひとりを加えた3人でおかずクラブを結成します。

「そこからが地獄の日々。始発電車で集まり、ネタの練習をして授業に出て、そのあと終電までまた練習。青春でしたが、いつも眠くてクタクタでした。あれは体力と好奇心があった20代だったからこそ、耐えられたと思います。当時通ったカフェには近づけないほど今もトラウマになっていますが（笑）」（オカリナさん）

「当時、女芸人は5年以内に売れると言われていましたが、私たちは鳴かず飛ばず。ランキングライブでは下位、メンバーが抜け結局ふたりになって……もうダメかもと思う時もありました」（ゆいPさん）

（左）ゆいPが大ファンだった『セーラームーン』のコスプレに挑戦。オカリナ29歳、ゆいP27歳　（右）メンバーが抜けコンビに。作家の山田ナビスコさんに「よかったじゃん」と言われ気持ちがラクに。27歳、25歳頃

ブレイクの兆しが見えたのは、新人芸人を発掘する『おもしろ荘』への出演。そこから一気にテレビの露出が増え、人気芸人の仲間入りを果たしました。

「時間はかかったけれど、看護師時代よりずっと楽しいし、収入も増えました。ダメなところも『いい』と言ってもらえるこの場所が心地いいです」（オカリナさん）

「私も体型に悩んでいたけれど、今は太ってるだけで笑ってもらえるから幸せ。すごく生きやすくなりました。20代に後悔があるとすれば、恋愛をほとんど経験できなかったこと。だからネタづくりに支障が出るくらい、その分野がわからない（笑）。読者のみなさんは、出会ったら一回はつきあってみるくらいの精神で、恋を楽しんでほしいです」（ゆいPさん）

My turning point

20歳（2005）
オカリナ看護師国家試験合格、上京し看護師に　
23歳＆21歳（2008）
オカリナ、ゆいP、NSC東京校入学
24歳＆22歳（2009）
オカリナ、ゆいP、まんちゃんで
おかずクラブ結成
25歳＆23歳（2010）　
まんちゃんが脱退、あっこ加入
27歳＆25歳（2011）
あっこ脱退
29歳＆28歳（2014）
初単独ライブを開催
30歳＆28歳（2015）
『ぐるぐるナインティナイン』スペシャル番組の『おもしろ荘』で優勝
『チェンジ3』にレギュラー出演
35歳＆33歳（2019）
『女芸人No.1決定戦 THE W 』で決勝進出
37歳＆34歳（2021）
YouTube「おかずクラブちゃんねる」スタート