「上司に嫌われているかも……」、そんな女子の悩みに吉田鋼太郎さんが出した回答とは? 【Mr.ダンディお悩み相談室『俺の人生論』】
恋に結婚、仕事に人間関係……働く女子のお悩みに、酸いも甘いもかみ分けた父親世代のカッコいい男たちが回答! ゲストは俳優・吉田鋼太郎の2回目です!
【今回のお悩み】私とあまり話してくれない部長。嫌われているの?
仕事もでき尊敬している部長(47歳)。でも、私とあまり話をしてくれないのです。同僚男性には叱咤したり、飲みに連れていったり。今の時代だから難しいのかもですが、私はもっとコミュニケーションを取ってほしいのですが……。(27歳・営業)
【吉田鋼太郎さんの回答】上からって難しいんだよ。声かけてあげれば喜ぶよ!
うれしいね、こういうことで悩むとは! モアの読者世代の女性は、もっとドライでサバサバしていると思っていました。それに今、ディスコミュニケーションの時代でしょ? 同じ部署、同じ部屋にいるのに〝おはようございます〟ってメールで送信してくるって、某広告代理店の方から聞いた実話です。
プライベートな話題でさらっと話しかけてみる
上司からすると、部下からある程度フランクな態度を取ってもらうのはうれしいんです。遠慮されたり、過剰に気を使われたり、あがめたてまつられてしまうと、正直寂しい。実は嫌われているんじゃないかと、疑心暗鬼に陥ったり。オジサンもけっこうナイーブなんだ(笑)。 だから勇気を出して、部下から話しかけること。ストレートに「今度飲みに連れていってください」って言ってみたら? その前段階として、日常的な会話を交わすのもいい。〝昨日観た映画が、すごく面白かったんです〟とか〝今度ダイビングに行くんですけど〟とか、自分のプライベートの一部をぽろっと見せるんだ。 あるいは、その上司の変化を見逃さないで話しかける。僕はたまにオーデコロンをつけることがあるけど、〝いい匂いしますね〟なんてスタッフから言われると、うれしいね。いつもと同じネクタイなのに〝素敵なネクタイですね〟なんて言われると、すごく気持ち悪いけど(笑)。 ちゃんとした上司の方なら、あなたがなぜ話しかけてきたのか、わかると思う。コミュニケーションを取りたがっているんだと、察知するはずだ。自分に気があるなんて、まともな上司なら絶対思わない。そこは上司を信じて、思いきって話しかけてみるのがいいんじゃないかな。
じかに話すのが大事。礼儀も忘れずにね
舞台や撮影の現場に行くと、若くてもするっとこちらの懐に入り込んで、すぐに仲よくなれる人間がいます。それができる人間はほとんどの場合、芝居もうまい。一般企業だったら、仕事ができるんじゃないかな。 人見知りでそういうことが苦手だという人もいるかもしれない。でも、勇気を出してやっているうちに、人と接するのが楽しくなってくるはずです。 共に時間を過ごす、じかに話をする。その大切さを忘れちゃいけない。上っ面の話だけでは、その人がどういう人で、何を考えているのかわからない。互いの先入観をぶち壊すためにも、ちゃんと話すことは大事です。 僕は劇団をやっているから、コミュニケーションの大事さをわかっていない人間には、わからせないといけない。俳優といえども社会性は必要だから「おはようございます」、「お疲れさまでした」って、そこからですよ。あとは、礼儀だね。劇団では僕がいちばん偉いわけだから、僕がみんなで食事に行こう、と言ったら、もちろん参加する。そして僕より先に帰ってはいけない。もし心得違いのヤツがいたら、翌日呼び出して説教です(笑)。なぜかというと、礼儀だから。それを知らないと、ほかの場所で恥をかく。だから教えるんです。そうそう、最後にもうひとつ大事なこと。どんなに親しくなっても、上司には敬語を使うこと。特に女性はね、言葉遣いひとつで、有能にも美人にも見える。あとはキミ次第だ。頑張れ!
よしだ・こうたろう●1959年1 月14日生まれ、東京都出身。俳優、演出家。上智大学在学中より舞台を中心に活躍。多数の演劇賞を受賞。2016年、彩の国さいたま芸術劇場の『彩の国シェイクスピア・シリーズ』2 代目芸術監督に就任