“きれい”はどんな時でも待っていてくれます。いつでもきれいになる準備だけは忘れないで。

ニキビに苦しんでいた佐藤栞里も相談に。トの画像_1
寄り添い美容——。タイトルを見るだけで、心がほわっと温かくなるような、気持ちが軽くなるような本の著者は、MOREをはじめさまざまな雑誌であらゆる世代の肌悩みに答えるトータルビューティアドバイザーの水井真理子さん。

「日々、たくさんの方にお会いして感じるのが、美容って自分を変えるきっかけになるということ。女性って肌に自信が持てたり、人からほめられる機会が増えるだけで性格まで変わるんですよね。自分に自信が持てることは、行動を変えていくきっかけになります。それって将来や運命さえも変えていく力になるほど」

MORE10月号で反響の大きかった、佐藤栞里のニキビ改善ヒストリー企画。栞里も相談に訪れたという美肌づくりのプロの水井さんだが、モア世代の頃はコンプレックスのかたまりだったそう。

「私自身は、子供の頃から自分をほめることが苦手でした。ほめベタな性格はなかなか変わらないんですよね。社会人になってからも仕事に無我夢中、『次はもっとよくしよう!』と思う毎日でした。でもそれって、自分を認めてあげてないのと同じこと。ついにはホルモンバランスを崩して、円形脱毛症にまでなってしまいました。そこで感じたのが、人には笑顔で対応するのに自分には笑顔を向けていないなっていうことでした。美容は、自分を愛してあげたり笑顔を向ける毎日の積み重ね。30代に入り、やっと自分としっかり向きあえるようになり、肌や体の心地よさを暮らしの中で大切にできるようになったんです」

きれいという言葉が当たり前になりすぎている時代だからこそ、急にはきれいになれないことも知っておいて! と話す水井さん。

「忙しい毎日を送っていると美容は後回しにしてしまいがち。でも、きれいになるためには、知識も知恵も必要です。もちろん、それを実践する行動力も! しかも美しさは、目で見えたり効果として現れるのにも時間がかかるものなんです。だからこそ、今は興味がほかに向いていたとしても、きれいになりたい! という刺激だけは心の中にフツフツさせておいてほしい。その手助けにこの本がなれば、と思うんです」

この本で印象的だったのが、“きれいは待っていてくれる”という言葉。そして、きれいになるための知識も知恵も満載だけど、なによりきれい欲が湧いてくるような読後感。美容熱が高まっている人はもちろん、未来のきれいの着火剤としても、読む人に寄り添ってくれる一冊だ。


みずい・まりこ●1972年生まれ。トータルビューティアドバイザー。幅広い年代の雑誌の美容ページやWEBを中心に活躍。エステティックやアロマ、東洋医学などを学んだ経験から、肌だけにとらわれず、体の内側や精神などトータル面からアプローチする美容を重視し発信し続けている

『水井真理子の寄り添い美容』

ニキビに苦しんでいた佐藤栞里も相談に。トの画像_2
肌を見ればその人がわかる——そんな審美眼を持つ水井真理子さん初の著書。美肌をつくるためのコスメやメソッドはもちろん、美容との向きあい方やレシピまで、きれいを更新し続けるための知恵がぎっしりの、“一生もののきれい”に寄り添う一冊。(集英社インターナショナル ¥1500)
取材・原文/畑中美香 撮影/奥村恵子 ヘア&メイク/辻元俊介(LA DONNA)