恋に仕事……女子の悩みは酸いも甘いもかみ分けた男に聞け! 三宅弘城さんの2回目です。

【今回のお悩み】私の〈追っかけ活動〉を否定するようになった彼

私のストレス解消&癒しは某男性アーティストの追っかけですが、交際中の彼が冷ややかな目で見ます。つきあい始めの頃は一緒にコンサートも行ったのに。最近は「また地方へ行くの?」、「オレとどっちが大事?」と言われ、引きました。どうしてそんなことまで言われなきゃいけないのか、腹が立ってきています。(27歳・看護師)
趣味の「追っかけ活動」で恋人と揉めたら?の画像_1
誰かが好きなものを否定しちゃいけない

カップルで同じものが好きなら幸せなんだろうけど、男性と女性では、どうしてなんでしょう、好きなものが重なることって、少ないですね。

同じCDを何枚も買ったり、地方のコンサートまで足をのばしたりするあなたの追っかけ活動を、僕も半分くらいは共感できるけど、理解できない彼の気持ちも、わかります(笑)。

一方男には、収集癖のある人、よくいますよね。フィギュアとかコーヒーのあき缶とか、女の人に言わせるとただのゴミなのかもしれないけど、その男性にとっては、すごい価値がある。

僕も実は、スイッチが好きなんです。特にベースボールバット形の、パチッパチッとするスイッチ。あの感触が好きで、秋葉原にあるスイッチ専門店に行ってスイッチだけ買ってきたりします。〝好きなのはわかるけど、わざわざ買うか?〟ってことですよね(笑)。でも好きなんだから、しょうがない。

そういうふうに人は誰でも、他人に理解できないことをいっぱい持っているんです。だから、誰かが“これは好きだ”っていうものは、否定しちゃいけないと、僕は思うんですよ。

何かを楽しむために、ぎりぎり我慢する

カップルの相性で大事なのは、〈好きなもの〉ではなく〈嫌いなもの〉じゃないかっていうのが、僕の持論です。好きなものは環境とかその時々で変わるけど嫌いなものは生理的なものだから、コントロールがきかない。だから〝これイヤだよね〟というものが一緒なら、あとは、妥協するとか我慢するとか、なんとかやり過ごすしかないでしょう。

あなたの場合は、たとえばアーティストのCDやグッズを彼の目に触れないように隠すことをゲームにしちゃう、とか。地方のコンサートにはふたり一緒に出かけて、彼女がコンサートに行っている間、彼はサウナに行くことにするとか(笑)。そのアーティストより彼が大事なんだよって、嘘でもアピールしてあげれば、彼の気分も少しは変わる、かもしれない。

やっぱり人生、楽しいことばかりじゃないですから。何かを得るためには、我慢も必要です。僕は水風呂のためにサウナに入っていますから。水風呂の気持ちよさを味わうための、サウナです。ぎりぎりまで粘るからこそ水が気持ちいいんです。

あ、でも、追っかけをやめるのはよくないと思いますよ。だってそれがないと、あなたは毎日が楽しくないんでしょう? 彼だって、あなたが彼ひとすじになったら逆に、調子が狂うかもしれないし。

僕は今、51歳なんですけど、毎日楽しいです。若い頃はいろいろなことを考えて面倒臭かったけれど、年齢を重ねるとよけいなことに惑わされなくなる。自分の好きなように生きるのが、上手になるみたいです。

怒髪天の『オトナノススメ』という曲が、大好きで。大人になったら責任持って、でも遊ぶ時は遊ぶよっていうメッセージがある歌なんです。そんなふうに生きるためにも今、若い時にいっぱい、いろんな経験をしておくことです。経験がビタミンになって、あとですごく大きなお釣りがきます。追っかけしたり我慢したり、いろんなこと、してください。頑張って!

【三宅弘城さんの回答】もっと楽しむために、妥協&工夫&我慢する

みやけ・ひろき●1968年1月14日生まれ。神奈川県出身。88年より「劇団健康」(現「ナイロン100℃」)に参加し、主要メンバーとして活躍。大河ドラマ『いだてん 〜東京オリムピック噺〜』(NHK)、ドラマ『サ道』(テレビ東京系)などに出演。パンクコントバンド「グループ魂」のドラマー・石鹸としても活躍


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取材・原文/岡本麻佑 撮影/三浦太輔(go relax E more) スタイリスト/チヨ(コラソン)