最近発売された本の中から、おすすめを厳選して紹介!

最近発売された話題の本から、3冊のおすすめをご紹介します。

『掌に眠る舞台』小川洋子

おすすめ本。『掌に眠る舞台』小川洋子
『指紋のついた羽』、『ダブルフォルトの予言』、『花柄さん』、『装飾用の役者』など、いずれも「舞台」にまつわるちょっと不思議な8編からなる短編集。舞台に立ちたい人、客席から見つめる人、かつて立っていた人と、さまざまな人間たちのその人たちなりの人生の美しいワンシーンが描かれている。人気イラストレーター・ヒグチユウコ氏による装丁画にも引き込まれる。(集英社 ¥1815)

『愛しなさい、一度も傷ついたことがないかのように』〈編〉リュ・シファ 〈訳〉オ・ヨンア

おすすめ本。『愛しなさい、 一度も傷ついたことがないかのように』〈編〉リュ・シファ 〈訳〉オ・ヨンア
2022年3月のBTSのソウル・コンサートでも紹介され、RMやVも愛読する韓国の大ベストセラー本。ヘッセなどの文豪から、アップル社のCMで使用された無名の高校教師が書いた詩まで、古今東西の賢者77人の詩を一冊に集めている。不安で眠れない夜、試練や迷いを感じた時、心が折れてへこんでしまった時、どこまでも美しく優しい言葉が心に響くはず。(東洋経済新報社 ¥1540)

『虎のたましい人魚の涙』くどうれいん

おすすめ本。『虎のたましい人魚の涙』くどうれいん
1994年生まれ、20代の女性作家がつむぐエッセイ集。あの時感じたモヤモヤ、たわいのないことで傷ついてしまった小さな胸の痛み。そんな言葉にもできないようななにげない日常の瞬間や心情を鮮やかに切り取る。タイトルの「虎のたましい」と「人魚の涙」は“琥珀”の別名。たまたま入った琥珀専門店で心を奪われ衝動買いしたピアスのエピソードに、心がずきんと疼く。(講談社 ¥1540)
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原文/千吉良美樹 ※MORE2022年12月号掲載