スタイルのある人が語る、一生愛せる名品とは?

憧れのあの人が考える「名品」の定義を探ってみたら、自身の人生や考え方を重ねあわせたエピソードが詰まっていた。どんな名品を選ぶかのヒントはまずここから。

『Gajess』ディレクター
三條場夏海さん

さんじょうば・なつみ●1994年生まれ、東京都出身。新卒でアパレル企業『ビームス』に入社し、販売員、プレス、ブランドディレクターを経験。2022年11月に独立し、自身のブランド『Gajess(ガジェス)』を始動

「これからも頑張ろう!」と背中を押してくれる存在

『Manolo Blahnik』のミュール

20代後半に突入し、「素敵だな。いつか自分も……」と憧れてきたものを、自分で選んで買えるように。『Manolo Blahnik』のミュールも長年夢見たアイテムのひとつ。スタイリストさんが素敵にはきこなしていて、初のスタイルブック『joba's SIMPLE BASIC』を出版するタイミングで、「憧れの靴をはいて撮影したい」という気持ちと、出版記念を兼ねて購入しました。当時の私には少し背伸びな買い物でしたが、持っていて気分の上がる憧れのものを手にした経験は自信にもつながるし、身につけた時の高揚感は自分だけの特別な感情だと思います。

「気分を高めてくれるだけじゃなく、成長を感じさせてくれるものを選びたくなる」

『MIU MIU』のトートバッグ

ブランドディレクターとして独立してからは、経営者という一面も加わり、タスクも多岐にわたるようになりました。仕事では、はじめましてのシーンが増加。TPOを横断して使えるミニマムなアイテムが理想になり、『MIU MIU』のビッグトートを新調。ほどよくきちんと感があり、“カッコいい”印象になれる見た目も決め手でした。

『Cartier』の ネックレス

Cartier』のネックレスは自身のブランドデビューのタイミングで彼からプレゼントしてもらったもの。商談などフォーマルな場にも合う繊細なデザインで、気合を入れて挑みたい場所で身につける、お守りのような存在になってくれています。

名品って、少し背伸びかな、と感じるアイテムでも、思いきって手に入れてみれば、一緒に成長できるような気がするんです。経年変化を楽しみながら、いつかおばあちゃんになる時まで、自分らしく、大切に愛でていきたいです。

JOBA STYLE 表紙

『JOBA  STYLE』
おしゃれも生き方も、常に自分軸でシンプル。日々をポジティブに楽しみながら夢を叶えるための31個の「わがまま」が収録された書籍第2弾。ALL私服で撮り下ろしたスタイルサンプルも必見。(ワン・パブリッシング ¥1815)

Photo : Koichi Sakata Special Thanks : Natsumi Sanjoba Text : Yuki Otsuka ●本テーマに掲載されたアイテムはすべて私物のため、現在発売されていないものも含みます ※MORE2024年春号掲載