12星座全体の運勢

「引いた視点で俯瞰する」

暦の上で秋となる「立秋」の直前、まさに夏真っ盛りの8月4日に水瓶座で満月を迎えていきます。この時期にはお盆をひっくり返したような激しい雨(覆盆の雨)が降るとされてきましたが、今回の満月は変革と普及をつかさどる「天王星」と激しい角度をとっており、まさに意識の覚醒を促されるタイミングとなりそうです。

テーマはずばり、「現時点での自分のレベルの把握」。2020年の年末にはいよいよ約200年単位の占星術上の時代の移り変わりがあり、モノの豊かさの「土」の時代から、情報や繋がりの多様性が価値基準となる「風」の時代へなどと言われていますが、今回の満月はそうした時代の変化にどこまで同調できているか、またできていないのかということが浮き彫りになるはず。

そこにはかなりの個人差が生じるものと思われますが、とくに痛みや違和感、プレッシャーの感じ方などは、これまでの生き様やその蓄積、ふだん触れている情報や立ち位置、周囲の人間関係、属するコミュニティなどによってまったく異なってくるでしょう。

ともに地球に生き、一見同じ位置にあるように見える人間同士でも、進化における種類と段階の違いは厳然と存在するのだということを、今期はよくよく念頭に置いていくべし。

牡羊座(おひつじ座)

今期のおひつじ座のキーワードは、「恐れなき発言」。

牡羊座のイラスト
現代フェミニズム思想を代表する思想家ジュディス・バトラーは「恐れなき発言と抵抗」と題されたセミナーにおいて、「恐れなき発言とは何か、あるいはそれはどのように機能するのか、と問うことで、私たちは、今日の抵抗の構造あるいは意味について重要な何かを見出すことができるかも知れません」と問いかけました。

まずこの「恐れなき発言」とは、「率直に話すこと」「真実を述べること」と翻訳されてきたギリシャ語の「パレーシア」という言葉が前提に置かれています。そして、ここでは語り手は、(主に権力者にとって)都合の悪い真実を語るため、つねに反撃や孤立、拘留、死などのリスクに曝されており、それゆえ「恐れなき発言」の遂行にはヒロイズム的な徳(勇気など)が必要とされてきました。

しかし、バトラーは政治的勇気にとって恐れなき語りが不可欠だとは考えて“いない”と告白します。というのも、私たちはしばしば恐れを乗り越えていないかもしれないが、「それでも語り、恐れつつ大胆」であったりしますし、また「語る際に、時に私たちは単に自分自身の声では語っておらず、他者たちと共に語っている」からでしょう。

そして、今のおひつじ座においてもまた、自分が何に対して、いかに、また誰と協力しあって「恐れなき発言」を発しているのか、といった「抵抗の形式」は大きな焦点となっていくでしょう。

特に「恐れなき発言」をするにあたり、どうしたら自己責任や個人主義を回避し、いかに連帯し、それを蓄積していけるか、という点については、自分自身が反撃や孤立、拘留、死などのリスクに潰されてしまわないためにも、しっかりと自問していきたいところです。


出典:ジュディス・バトラー、佐藤嘉幸訳「恐れなき発言と抵抗」(『現代思想2019年3月臨時増刊号』)
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<プロフィール>
慶大哲学科卒。学生時代にユング心理学、新プラトン主義思想に出会い、2009年より占星術家として活動。現在はサビアンなど詩的占星術に関心がある。
文/SUGAR イラスト/チヤキ