【蟹座】哲学派占い師SUGARさんの12星座占い<4/18~5/1> 月のパッセージ ー新月はクラい、満月はエモいー

12星座全体の運勢

「心の奥底の実感を」 

4月20日に太陽がおうし座へ移り、二十四節気の「穀雨」に入ると、稲の苗もすくすくと伸びていき、いよいよ緑したたる季節へ。そんな中、4月27日にさそり座7度(数え度数8度)で満月となります。 

今回のテーマは「内面の静けさ」。すなわち、これから初夏にかけて存分に生命を燃やし、またそれに必要な備えや人手を取り入れていくべく、ますます賑やかな季節を迎えていくにあたって、今回の満月が「本当にそれでいいの?」と自分自身に最終確認をとっていく期間となるのだということ。 

ちょうど、この季節に使われる季語に「霞(かすみ)」があります。これは水蒸気の多い春に特有の、たなびく薄い雲を総称してそう呼ぶのです。麗らかな春の日にふと動きをとめて、水筒の麦茶でも飲みながら、遠くの霞を眺めているうちに、ふっと何かを思い出したり、妙な気持ちになったことがあるという人も少なくないのではないでしょうか。 

そうして周囲の音が一瞬遠くなったように感じられた時、既存の手垢のついた言葉では形容することのできなかった微妙な感情や、名状しがたい衝動がこころの表面によみがえり、急になまなましく感じられてきたり、実感が追いついてきたり。あるいは、春の夜空に浮かぶ霞たなびく朧月を眺めている時、ふと心のどこかにひっかかっていた違和感が鮮烈に立ち上がってきたり。 

今期はそんな風に、ゆっくりと、ないし、しみじみと心の奥底の実感を浮き彫りにしていくべく、自分のこころやからだと静かに向きあっていく時間を持っていきたいところです。 

蟹座(かに座)

今期のかに座のキーワードは、「マラーノ文学」。

蟹座のイラスト
本来「マラーノ」とは、キリスト教徒による領地奪還後もスペインに留まり続けたユダヤ教徒やイスラム教徒がキリスト教徒のふりをして、彼らと変わりない日常を演技することで生き延びた、過酷な異端審問の時代において、隠れユダヤ人への蔑称(「豚」の意)として使われた言葉でした。 
 
ところが、比較文学者の四方田犬彦はこの語をそうした歴史的文脈から解放し、「ひとが本来の出自を社会的に隠して生き延びねばならぬ状況一般に用い」て、在日朝鮮人や被差別部落出身者など、みずからの民族的、宗教的、文化的出自を偽って展開した言説を「マラーノ文学」と呼んでみせました。 
 
例えば、四方田は長年の映画批評家としての活動から、戦後の日本の芸能史がそうしたマラーノ的状況を生きている映画人や芸能人によって支えられてきたことに言及しつつ、日本におけるマラーノ文学について次のようにまとめ的に言及しています。 
 
李香蘭の日本人としての出自の隠蔽は、戦後に彼女が日本に帰国したあとには解除されたが、立原立秋は生涯にわたって強引に日本人たろうと努力し、朝鮮という出自を過度に虚構化した。一方、寺山修司は日本人でありながらも、みずからの出自を告白するために、逆説的に朝鮮人という虚構を借り受けなければならなかった。中上健次と帷子燿は現代詩のなかにあって、出自をめぐり対照的な作風を示した。松田優作は最後まで出自に言及することを拒んだが、玄月と宋敏鎬はもとより朝鮮系であることを前提として文学活動を行っている。どの詩人と小説家も出自に対して異なった態度を示しており、そのひとつをして典型として採用したり、安易なモデル化を行うことは慎まなければならない。」 
 
四方田はセルバンテスの『ドン・キホーテ』と島崎藤村の『破戒』の二つの作品をマラーノ文学の古典として取り上げているのですが、これらはいずれも世界のシステムが旧から新へと大きく移り変わってしばらくして書かれた作品でした。そして現在の日本社会もまた、急速に多民族化や多言語化の波に直面しており、マラーノという観念を持ち出さずともマラーノ的な状況を生きざるを得なくなっている人やそういう人間と接触する機会は今後ますます増えていくのではないでしょうか。 
 
今期のかに座もまた、部外者が軽々しく踏み込むことのできない固有の事情に対する葛藤がどれだけ自身や周囲の人間の表現活動に影響しているのかということを、改めて考えてみるといいでしょう。 


参考:四方田犬彦『日本のマラーノ文学』(人文書院) 
<プロフィール>
應義塾大学哲学科卒。卒業後は某ベンチャーにて営業職を経て、現在西洋占星術師として活躍。英国占星術協会所属。古代哲学の研究を基礎とし、独自にカスタマイズした緻密かつ論理的なリーディングが持ち味。

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