《直木賞作家の作品紹介》
直木賞を取った作家さんの別作品を読んだので、紹介します!
西加奈子『さくら』
「サラバ!」で直木賞を受賞した西加奈子さんが2005年に発表した作品。
ある風変わりな一家の物語。
ヒーローのような人気者の兄の死をきっかけに、父にも母にも妹にも、
そして語り部である僕にも訪れる変化。
変わらずに一家に寄り添う、飼い犬の「さくら」。
ちょっと変わった、でも愛しい家族の物語です。
変わった家族の平凡な日常と、起こってしまった事件。
”起こったことは変えられない”そんな無力さを感じつつも、
でもどこか惹きつけられる、不思議な魅力を持った小説でした。
恩田陸 『光の帝国〜常野物語〜』
今年『蜜蜂と遠雷』で直木賞を受賞した恩田陸さんが2000年に発表した作品。
「常野」の一族はみな不思議な力を持つ。
超人的な記憶力を持つもの、遠くの出来事を知ることができるもの、未来を見通せるもの、常人には見えないものが見えるもの、、、
戦後、一般人に紛れてひっそりと生活する彼らを短編小説としてまとめた物語。
常野の一族の超人的力が面白く、引き込まれ、短編じゃなくてひとつひとつを長編で読みたいと思うほど!
しかし短編小説とは言いながらも、常野の一族を軸にした物語なので、小説同士がリンクしていてすべて読み終わると長編小説を読み終わったような感覚。
戦時中と現代の日本を舞台にしたファンタジーなので、「こういう人たちがいるかもしれない」とワクワクさせてくれる小説でした。
暑い夏は室内でゆっくり読書に限ります\( ´ω` )/ みなさんも是非!