アンニョンハセヨ! 韓流や韓国ビューティをメインにライター、取材コーディネーターをしている私YUKIが、注目の韓国情報をお届けしていきます。

近年、韓国ではソウルを中心に新しい美術館ができたり、アート複合施設の建設計画が始まったりと、芸術&文化の分野が盛り上がりを見せています。この勢いは来年以降さらに増していき、世界からの注目度も高まる予感。この夏は、いつものショッピング、グルメ、ビューティーなどの旅行コースに、アート&カルチャースポットも追加してみませんか?

CONTENTS
  1. 国立現代美術館 ソウル館
  2. ソウル市立写真美術館
  3. オーディウム
  4. D ミュージアム

国立現代美術館 ソウル館

国立現代美術館 ソウル館

写真提供/国立現代美術館

国立現代美術館のソウル館があるのは、ギャラリーや韓国の伝統家屋が立ち並び、観光名所の景福宮からも近い三清洞エリア。朝鮮時代の役所や韓国軍の施設の跡地に建てられ、朝鮮時代から近代、そして現代までの歴史が息づく空間となっています。

約11800点の美術館所蔵品から韓国のモダンアートを中心に展示。オーストラリア出身のアーティスト、ロン・ミュエックの韓国初の大規模個展を開催するなど、海外のアートシーンも積極的に発信しています。

国立現代美術館 ソウル館

写真提供/国立現代美術館

地下1階~地上3階の展示エリアには、8つの展示室のほか、文化芸術イベントが行われるマルチプロジェクトホール、映画館、デジタル図書館などの施設も。伝統的な空間であるマダン(庭)をコンセプトにした開放的な広場は誰もが自由に楽しむことができ、韓国を代表する美術館であると同時に、憩いの場としても韓国の人々から愛されています。

国立現代美術館 ソウル館

個別観覧料 2000KRW 写真提供/国立現代美術館 

今年5月、2013年のソウル館開館以来初となる常設展がスタート。1960年代から2010年代までの韓国現代美術の代表作90点余りを鑑賞することができます。

また、水曜日と土曜日の夜間開場(18:00~21:00)は観覧料が無料。夏の夜の美術館でゆっくりとアートを楽しむ時間は、旅の特別な思い出になりそう。

【INFO】
国立現代美術館 ソウル館
ソウル特別市鐘路区三清路30
地下鉄3号線「安国駅」から徒歩12分
10:00~18:00(水・土 ~21:00)
※発券は閉館の1時間前まで
休館日/元旦、旧正月、秋夕
個別観覧券:展示ごとに異なる
総合観覧券  7000KRW(特別展を3件以上観覧する場合)

国立現代美術館 公式サイト

ソウル市立写真美術館

ソウル市立写真美術館

写真提供/ソウル市立写真美術館、(C)Yoon JoonHwan

ソウル市立美術館の分館として、5月29日にソウルの北東部の道峰(ドボン)区にオープン。韓国写真芸術史にまつわる貴重な資料など約2万点を収蔵する、韓国初の写真媒体に特化した公立美術館です。

カメラのシャッターの開閉から着想を得たという正六面体と曲線美が融合した外観が印象的。外壁には光の反射や透過によって黒とグレーに変わる素材を使用し、光を捉えて“その時”を記録する写真の仕組みを表現しています。

  • ソウル市立写真美術館

    写真提供/ソウル市立写真美術館

  • ソウル市立写真美術館

    写真提供/ソウル市立写真美術館

開館を記念した特別展『光彩:始まりの瞬間』と『ストレージストーリー』が2025年10月12日まで開催中。

『光彩:始まりの瞬間』は、韓国に写真術が導入された1880年代から現在までの140年余りの歩みを振り返る展示。韓国写真界の巨匠たちの作品を通して、写真が技術からアートとして拡張した背景と過程を分析する内容となっています。

『ストレージストーリー』は、ソウル市立写真美術館が開館に向けて10年にわたって収集・研究してきた作品を紹介。

同館が位置する道峰区倉洞(チャンドン)の歴史と地域性などを「材料」や「記録」、「情報」といった属性にカテゴライズし、6人の作家と共に作品として視覚化。同館の始まりを示す展示として、写真が同時代美術の中でどのような役割を果たすのか、現代人にとって身近なメディアとなった写真の存在論的地位を問いかける展示となっています。

  • ソウル市立写真美術館

    『光彩:始まりの瞬間』の展示風景

  • ソウル市立写真美術館

    『ストレージストーリー』展示風景 ともに、写真提供/ソウル市立写真美術館、(C)Lee YoungHyun

新たなアートスポットとして注目を集めるソウル市立写真美術館。オープンしたばかりの特別なこのタイミングにぜひ。

【INFO】
ソウル市立写真美術館
ソウル特別市道峰区マドゥル路13ギル68
地下鉄1・4号線「倉洞駅」から徒歩6分
10:00~20:00
土・日・祝:10:00~閉館時間は夏・冬で異なる。夏期(3月~10月)は19:00まで、冬期(11月~2月)は18:00まで。
※入場は閉館の1時間前まで
休館日/月曜、元日
※月曜日が祝日の場合は開館
入場料/無料

ソウル市立写真美術館 公式サイト

オーディウム

オーディウム

写真提供/オーディウム、(C)Namsun Lee

2024年6月にオープンしたオーディウムは、サウンドとオーディオシステムに特化した博物館。1877年から現在に至るまで約150年にわたるオーディオの歴史を研究・展示しています。

19世紀の蓄音機やオルゴール、1920年代~1960年代のヴィンテージのオーディオシステムなど、さまざまなコレクションを展示。また、約10万枚のLPが展示されている地下2階のラウンジには試音スペースもあり、音を五感で知り、楽しむことができます。

オーディウム

写真提供/オーディウム、(C)Yongbaek Lee

建築デザインを手掛けたのは、日本を代表する建築家、隈研吾氏。グラフィックデザイナーの原研哉氏が、スピーカーをイメージしたシンボルマークをはじめとするビジュアルアイデンティティを担当しました。

ランダムに配置された約2万本のアルミパイプが外観を包み込み、森に差し込む木漏れ日のような光と影を表現。内部は木材をメインに使用し、吸音力を高めているそう。

オーディウム

写真提供/オーディウム、(C)Taiki Fukao

隈氏が手掛ける韓国初の博物館としても注目を集めているオーディウム。ユネスコの建築賞「ベルサイユ賞」において「世界で最も美しい博物館 2025」に選ばれており、その圧倒的な建築美も一見の価値ありです。

【INFO】
オーディウム
ソウル特別市瑞草区ホンルン路8キル6
新盆唐線「清渓山入口駅」から徒歩20分
木・金・土 10:00~17:00
休館日/日・月・火・水
入場料/無料
※公式サイトから事前予約が必要

オーディウム 公式サイト

D ミュージアム

D ミュージアム

写真提供/D ミュージアム

30年を超える歴史を持つ「大林(デリム)美術館」が発信してきた芸術文化を拡張し、日常的にアクセスできるアート空間として2015年にオープン。2022年に漢南洞から聖水洞へ移転し、人気アーティストを多数擁する大手芸能事務所SMエンターテインメントも入る「アクロソウルフォレストDタワー」の地下1階に位置しています。

過去には、アメリカで最も重要な写真家と評されるライアン・マッギンレー、ルイ・ヴィトンなどの有名ブランドとのコラボでも知られるココ・カピタンらの個展や、「シャネル」「ヴァン クリーフ&アーペル」といった世界的ブランドの展覧会も開催。Z世代のアンテナを刺激する感度の高いテーマを豊富に扱う、アート・カルチャーのランドマークとして広く親しまれています。

D ミュージアム

2026年2月22日まで開催中。 写真提供/D ミュージアム

現在、開館10周年を記念した特別展『취향가옥 2 : Art in Life, Life in Art 』が開催中。“家”をコンセプトにした空間で国内外のアーティスト70名の作品を展示したシーズン1に続き、シーズン2は伝統工芸からファインアートなどさまざまなジャンルが調和した空間にパワーアップ。“誰かのコレクションを鑑賞する”という体験を通じて、訪れた人々に自分の好みについて知るヒントを与える展示となっています。

展示では、ビデオ・アートの世界的第一人者として知られるナム・ジュン・パイク、世界的に活躍する現代美術家の李禹煥(リ・ウファン)ら、巨匠たちの代表作を公開。今回初めて展示される作品から、新鋭アーティストの作品まで、よりラインアップが豪華になったコレクションを楽しむことができます。

トレンドの発信地である聖水(ソンス)からも近いD ミュージアム。ライフスタイルに溶け込むアート空間をぜひ体感してみて。

【INFO】
D ミュージアム
ソウル特別市城東区往十里駅83-21 アクロソウルフォレストDタワー 地下1階
水仁・盆唐線「ソウルの森駅」直結
11:00~18:00(金・土 ~19:00)
※入場は閉館の1時間前まで
休館日/月曜
入場料/大人 12000KRW

D ミュージアム 公式サイト
韓国系ライター
轟 友貴

韓国系ライター。K-POPアイドル、俳優にインタビューを行い、現在はソウルと東京を行き来して活動中。美容/コスメ好きで、美容雑誌やWEBマガジンでは韓国美容のコラムを担当。私生活でも3日に1度はポーチに新入りコスメが増える。韓国人ビューティユーチューバーのメイク動画を見るのが癒し。

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