20代で身につけたい幸せなお金とのつきあい方

20代のためのお金の入門書『26歳の自分に受けさせたいお金の講義』が話題の税理士・安江一勢さんが特別講義を開講。モデル・川口ゆりなと対談し、一生役立つ「お金の考え方」を教えていただきました!

モデル・川口ゆりなと税理士・安江一勢

23歳で税理士になったマネー界の超人

税理士
安江一勢さん

『安江一勢税理士事務所』代表。22歳で合格率2%と言われる難関国家資格の税理士試験に合格し、23歳で税理士に。20代向けのコミュニティの主宰や、ブログ、ラジオ、セミナーなどでお金の最新情報を発信している

26歳は人生の分岐点。20代~30代はお金の学び時

最近、お金の現実と向きあって不安が増えた川口さんが安江さんに相談。

川口 実は私、安江さんの本のタイトルにある26歳を今年迎えるんです。

安江 26歳は仕事に慣れ、副業や転職、起業について考えたり、結婚や出産などプライベートでも人生の選択の機会が増えてくる時期。その選択をする際に欠かせないのがお金のことです。だから今、その知識や考え方を学んでおくと、後悔のない人生の選択ができるようになると思います。

川口 同世代でも結婚する人が出てきました。私も将来を考えようと「人生で自分がやりたいこと」を書き出したリストを作ったんです。

安江 それは素晴らしい。自分がしたいことを考えるのは幸せなお金とのつきあい方においてとても大事なんです。

川口 ところがリストを作ったことで逆に不安が増えてしまって。自分の理想の家を建てるための金額を調べたら、非現実的な数字になり、怖くなってしまいました。将来その家に飾りたいインテリアグッズを見つけても、今買っていいのか迷ってしまって。

安江 僕は買ったほうがいいと思います。お金を使うことは、なんの価値を受け取るかということなんです。自分が幸せを感じる、今や未来がよくなることにお金を使うと幸せと交換できます。「将来の理想の家で使うために買った自分は偉い!」と思って、未来へのモチベーションを高めてほしいです。

お金について話す税理士の安江一勢

「お金を考えることは人生を考えることです」

20代でいざという時のための貯金が多すぎるのもよくない

川口 お金を使うことは価値との交換なんですね。私は職業柄、収入に変動があるので「何かあった時のために貯金しなきゃ」と思って、お金を使うハードルを高く設定しすぎているのかも。

安江 もちろん万が一に備えた貯金は必要です。でも20代はその貯金があればあるほどいいかというと、そうでもないと僕は考えています。

川口 20代で貯めておいたほうがよい金額の目安はありますか?

安江 月給の3カ月分があれば、何かあった時にも対応できると思います。その貯金がない場合は、少しずつでよいので貯めていけると安心ですね。

川口 もっと必要だと思ってました!

安江 あればあるほどよいわけでもないと言った理由は「貯金する=使わない」につながる場合もあるからなんです。20代はお金を使って未来の糧となる経験を積むことも大切なのに、貯金には「貯めれば貯めるほど使えなくなってしまう」という性質もあって。

川口 よくわかります。私は使えるお金と預貯金の口座を分けているので、貯金は使わないものと考えていました

安江 川口さんの場合、目的を分けて貯金するといいですね。「何かあった時のため」、「夢のため」といったふうに。

川口 なるほど! 貯金を目的別に分ける発想がなかったです。「今必要か」を考えて使って「残った分をすべて貯金に回す」と考えていました。

安江 20代は、自分の収支を把握できずに使いすぎてしまう人も多い中、川口さんはお金ときちんと向きあっていらっしゃいますね。優等生な分、自分のためにお金を使うハードルが高くなっているように感じるので、貯金も自分のために使うお金も、あらかじめ予算を決めておくのがおすすめです。

お金について話すモデル・川口ゆりな

「お金を価値のあるものとしっかり交換したいです」シャツ¥6600/オペーク ドット クリップ イヤリング¥1760/お世話や(OSEWAYA)

お金は幸せになるためのツール。何と交換するかで人生が変わる

川口 安江さんは20代の頃、どんなお金の使い方をされていましたか?

安江 「どうすれば自分が高まるか」を考えて、毎月の書籍代を1万円と決めて使い切るよう心がけたり、人に会うことに使っていました。それらの行動が、仕事の独立や書籍の出版へのかけがえのない出会いにつながりました。

川口 素晴らしい行動力ですね!

安江 お金の価値は変わるし、今10万円貯めるよりも将来10万円を稼げる自分になりたいと思っていました。20代だからこそ会いにいけたり、行動できたことも多かった気がします。

川口 今、お金を使って得た経験が未来の自分をつくるんですね。

安江 仕事に関わることに限らず、旅行に行く、欲しい物を買う、食べたい物を食べるなど、なんでもいいんです。それらの経験は、お金を使わないと得ることができないので、臆せずに自分を高めることや、幸せを感じることにお金を使ってみてください。

川口 自分で使ったり行動したりしないと、お金は価値あるものにならないと今日学びました。価値あるものと交換できるように、やりたいことリストを眺めて目的別に貯金を分け、計画的にお金を使っていきたいと思います。

安江 完璧です! まさにそれが幸せなお金とのつきあい方だと思います。

お金について話すモデル・川口ゆりなと税理士・安江一勢

「将来を考えてお金を使えなかったのですが貯めるだけでなく、使うことで幸せと交換してよい未来を築いていける、と学びました。今後は必要以上に怖がらずに使っていきたいです」
── 川口ゆりな

「20代はお金を何に変えていくかがポイント。お金と幸せを交換する。お金を貯めて備える。自分が幸せを感じたり、未来がよくなることとお金を交換して豊かな人生を歩んでください」
── 安江一勢さん

『26歳の自分に受けさせたいお金の講義』安江一勢(著) (すばる舎 ¥1540)

『26歳の自分に受けさせたいお金の講義』安江一勢(著)表紙

「転職」「結婚」など環境変化を迎える人が多い26歳の読者を中心に必要なお金の知識や考え方をわかりやすくまとめた一冊。

Photo : Katsuhiko Hanamura(model) Hair&Make-up : Haruna Yamaguchi Model : Yurina Kawaguchi(MORE exclusive) Stylist : Yuna Kobayashi Text : Sakuma Tomoko ※MORE2025年春号掲載