【2025最新】将来のために20代が実践したい「賢いお金の貯め方」とは?【税理士が教える】
お金に不安を感じることのない将来のために、賢いお金の貯め方を知っておこう! 将来に向けて・何かあった時・お金と幸せを交換する、の3つの目的別に分けて、税理士の安江一勢さんが20代のための「賢く効率よくお金を貯める方法」を解説します。
教えてくれるのは……
『安江一勢税理士事務所』代表。22歳で合格率2%と言われる難関国家資格の税理士試験に合格し、23歳で税理士に。20代向けのコミュニティの主宰や、ブログ、ラジオ、セミナーなどでお金の最新情報を発信している
賢くお金を貯めるための基本ルール
「お金の見える化」と「先取り」で実現
☑手取りの2割を毎月先取り貯金する
☑家計簿アプリでお金を見える化する
☑目的別で銀行口座を分ける
「なんとなく貯金」は不必要な貯金の代表格。目的別に分けるのが正解!
貯蓄には「必要な貯金」と「不必要な貯金」があるのを知っていますか。「とりあえず貯金をしておけば大丈夫」はひと昔前の常識。低金利で物価が上昇する今の時代に老後のために銀行や現金で貯金をしている人は、将来目減りする可能性も。何も考えず、何の目的もなくただ貯金をしている人は今すぐやめましょう。
必要な貯金とは何かというと、「万が一の時のため」、「将来の夢のため」、「子どもの教育費のため」など、意味や目的がある貯金です。目的に応じた貯め方と運用で賢くお金を準備することができます。
人生で必要な貯金はこの3つ!
1. 流動性貯金
何かあった時のために20代は月給3カ月分が目安
会社の倒産や失業などによって収入がなくなった場合や、引っ越し、家具や家電などの買い替えなど、予期せぬ出費に対応するための貯金。緊急時にいつでも引き出せるように貯金方法は現金か銀行預金が◎。その性質上、際限なく貯めることが可能ですが、過度な貯金は使えないお金を増やし、お金の動きが悪くなるので、生活が立て直せる月給3カ月を目安と決めて、それ以上は貯めなくてOK。
具体的な手段は……【 現金 】【 銀行預金 】
2. 計画性貯金(将来貯金)
将来必要なお金のために計画的に積み立てる貯金
留学や夢のためなど、将来必要なお金のために計画的に積み立てていく貯金のこと。目的が10年以上先の場合、長期投資の活用がおすすめ。たとえば15年後の夢の実現のためにお金を貯めたい場合、銀行預金で預けるのと投資信託などで運用をするのとでは、15年後の金額が異なります。運用系の場合、確実にそのお金があるかは保証されませんが、ほぼ高い確率で増えることが期待できます。
具体的な手段は……【 投資信託 】
3. 幸せ還元貯金
自分や家族を幸せにするご褒美のための貯金
ひとり旅や家族旅行、好きな漫画を大人買いする、ちょっと高めの外食を楽しむなど、自分自身や周りの人を幸せにするための貯金のこと。すぐにはそのお金を準備できないけれど、それを買うためにお金を貯めて、目標額が貯まったら幸せのためにお金を使いましょう。いくら貯まっているのかを把握しやすいように、普段使っているものとは別の銀行口座でお金を管理するのがスムーズです。
具体的な手段は……【 いつもとは別口座の銀行預金 】
20代が身につけたいお金の貯め方4STEP
自分が幸せになるものや経験と交換するための、効率的にお金を貯めて使う方法を指南。
【STEP1】家計簿を3カ月ほどつけて現状分析(お金の見える化)をする
いきなりお金を貯めるのではなく、まずは簡単な家計簿をつけて収支を見える化し、自分の感覚と実際の数字のズレをなくすのが第一歩。「思ったよりお金を使っていない」、「意外に食費が多かった」など、家計簿をつけることで気がつく発見も多いはず。作成する際のおすすめは家計簿アプリの活用。月に一度、前月のクレジットカードの引き落としが終わった後などに家計簿を作る日を設定し、自分の収支ととことん向きあいましょう。
【STEP2】お金の使い方を見直してムダなモノをカットする
ムダなモノとは、「自分が幸せを感じられなかったお金の使い方」と考えて。気が進まなかった食事会、利用していないサブスク、お金を引き出し忘れたことで発生したATMの時間外手数料、適正でないと感じたスマホ代やそのほかの通信費、生命保険料など。見直しの時間は自分との対話のようなもの。俯瞰的に映し出される数字を確認しながら自分とコミュニケーションを取り、自分にとっての幸せなお金の使い方を追求してください。
【STEP3】貯金を「流動性」、「計画性」、「幸せ還元」の3つに分ける
目的別に貯金を分けることで、それぞれに必要なお金を整理して貯めていくことができる。貯金の置き場所は、「流動性」と「幸せ還元」のために銀行口座を2つ、「計画性」のために投資用の証券口座を準備すると把握しやすいです。さらに、銀行の自動送金機能や、アプリを活用して各口座をひもづけて一元管理することで、毎月の貯金ルーティンシステムをつくることが可能。自分で振込み手続きをしなくてよいので管理がとても楽に。
【STEP4】「幸せ還元」に貯まったお金を自分のために使う
多くの人が貯金をしていると思いますが、いろいろな目的の貯金が1カ所に集まっていると「今は使うことができない」と考えがち。でも20代は特に、自分の経験値やスキルを磨くために、お金を使うことで幸せと交換する経験が大切な時期。やりたいことや欲しい物のために計画的にお金を貯めて、貯まったら幸せと交換していきましょう。20代でこの考え方を知って、お金を使う実践ができると、一生お金と幸せにつきあい続けられると思います。
Illustration : CONYA Text : Sakuma Tomoko ※MORE2025年春号掲載