「きっとなんとかなる!」という自信も仕事や転職には大切!【フリーランスPR野尻美穂さんインタビュー】
会社を辞めて半年、「この決断をしてよかった」と思えます
セレクトショップ『シップス』の名物プレスとして6年にわたり活躍し、今年4月にフリーランスPRとして独立した野尻美穂さん。デイリーモアでのブログ「GOODTHINGS GOODCASUAL 野尻美穂のおしゃれの話」も大好評! いろんな雑誌やWEBでも見ない日はないほどの人気ぶりなのです。そんな野尻さんに、ファッションの話はもちろん、同じ働く女子としてみなさんにも興味のある【仕事】や【転職】の話などいろいろ聞いてみました。 ――そもそも野尻さんが、ファッションの世界に入られ経緯はなんだったのですか? 「もともとアパレル業界に行くか美容師になるか迷っていて、その時は美容師の道を選んだんです。でも、美容師免許を取った時点で、『やっぱり洋服屋さんがいい』と思ってしまって。メンズファッションも好きだったので、メンズ服も取り扱っている『シップス』にアルバイトとして入りました」 ——たしか『シップス 渋谷店』で販売員をしていたんですよね。では、どうしてプレスに? 「販売員時代からプレスを希望していたのですが、実はプレスの面接に2回落ちているんです。だから、『もう販売に専念しよう!』と思って頑張って、担当してたショップで売り上げ1位にもなったんです。そんなときに別のタイミングで『プレスにならない?』という話をいただいて。それをきっかけに改めて“自分がやりたいこと”を考えてみたんです。私は人と接することが好きだから、それをもっと活かして『シップス』をたくさんの人に知ってほしい、という気持ちが膨らんでいって、たくさん悩んだ結果プレスの道を選びました」 ——そこから6年にわたり大活躍されていました。まわりからは順風満帆に見えていたと思いますが、なぜフリーランスになろうと? 「『シップス』は大好きだったけれど、もっと自分ができることの可能性を広げたいと思うようになったんです。実際、フリーになったことで仕事の幅もすごく広がったし、人と会う機会も増えましたし、学べることもとても多くて日々勉強しています。もちろん責任も増えたけれどやりがいもすごく感じられるので、『この決断をしてよかった』と思っています」 ——デイリーモアの読者世代には転職を考える人も多いです。会社を変える、ましてやフリーランスになることって不安もありそうですが? 「そこは本当に何も考えていなくて……とりあえず辞めてから考えようと。『きっとなんとかなる!』っていう変な自信もありました(笑)。とにかく自分がやれることを広げるために『その時にできることをやる!』という気持ちが、自分を前に押してくれました」
お金って大切、だからその分仕事を頑張ろう!
——では、フリーランスになって今はどんなお仕事をされているんですか? 「ありがたいことに、『シップス』のプレス時代に出会った方からお声がけいただくことが多いです。それこそデイリーモアでのブログは、会社を辞めていちばん最初くらいに声をかけていただいたものなので、すごく感謝しています。ただ“フリーランスPR”という職業が、私含めみなさんいまいちピンとこないみたいなので、いまは自分の仕事内容をまとめたホームページを作らないとと思っています」 ——自分の仕事をアピールするのもフリーランスならではの作業ですよね。 「はい。あとそうだ、フリーランスになっての作業で心配だったことはひとつありました。確定申告(笑)! とりあえず、まずは自分ひとりで色々調べてやってみたんですけど、すぐもう無理だと思って、仕事も何も決まっていないのに、確定申告は全部税理士さんにお願いしました。当然、税理士さんにお金を支払う必要があるわけですが、『その分、お仕事がんばろう!』って。とにかく退社後は、失業手当だったり税金だったり、わからないことがたくさんあって、お金の知識や大切さは身にしみてわかりましたね。会社員時代ってラクできてたんだ、と」 ——『その分お仕事を頑張る』という考え方はかなりポジティブで大胆ですね! 「私、そういうところあるんです。以前撮影で海外にひとりで行かないといけないことがあって。行きの飛行機に乗る前には、『落ちたらどうしよう……。ハイジャックされたらどうしよう……』とか大騒ぎしていたくせに、いざ現地に着いたらタクシーに飛び乗って、喋れない英語で強気に値段交渉してたり(笑)。他にも映画館に行った時、エンドロールが流れているのにすごくマナーの悪い方がいて、照明が明るくなった途端に『周りの人の迷惑考えてます!?』って言っちゃったり(笑)。なんか土壇場になると変なアドレナリンが出ちゃうんですよね」 ——そのアドレナリンが転職のカギだったのかも。でも野尻さんのイメージからすると意外なギャップです。 「私、仕事でもなんでも言いたいことを言ってしまうんです。納得できないことは『これはどうしてですか!?』と意見したり質問したり、わからないと思ったまま仕事するのは嫌で。だから、そういう意味では自分の責任で納得できるまでできるフリーランスは向いていたのかもしれませんね」
おしゃれは自己満足! 今日は"ダサカワ系"です(笑)
——では最後に読者が知りたいファッションのことについて。野尻さんはファッションにおいて、目標にしている人や憧れている人はいますか? 「具体的なミューズはいないんです。だって、どれだけその人に憧れてマネをしてもその人にはなれないと思ってしまうから。もちろん、モデルさんのコーデやファッションを、まるまるマネてみるのも楽しみ方のひとつだけど、そこに、『じゃあ私はここをこうしてみよう!』という自分なりのこだわりをひとつでも入れたらより楽しくなると思うんですよね。そこから「自分らしさ」を考えてファッションを楽しむようになりました。結局、ファッションって、全員から100点をもらう必要はないものだから、自分が満足できる服装をしているほうが魅力も増すと思うんです。とはいえ、私のファッションを好きと思っていただけるのは、素直にとても嬉しいので、よかったらどんどん参考にしてください(笑)」 ——今日のコーディネートもすごく素敵。マネしたくなっちゃいます。コンセプトやこだわりは? 「この『ZARA』のブラウスはすごくきれいめなんですけど、合わせているのはダボっとしたパンツやスポサンなので、“ダサカワ系”です(笑)。こうやって女っぽいアイテムと男っぽいアイテムを組み合わせるのは私の定番です。バーガンディのキャミソールは『シップス』。この色使いは秋を意識しました。ベルトは古着屋の『サンタモニカ』、パンツは『77circa』です。サンダルは『アディダス』のアディレッタを自分でカスタムしています」 ——私もチェックしていますが、インスタグラムでは2万人以上のフォロワーが野尻さんのコーディネートを参考にしていますよね。 「最近はスタイリングのお仕事もしているので、自分のコーディネートや服の着方にもっと共感してもらえるようになりたいな、と思っています。自分がいいと思ったものをSNSで発信することで、みなさんがよりファッションを好きになってくれたら理想的ですね。もちろんデイリーモアのブログも楽しみにしてください!」 (取材・文/堀越美香子 撮影/亀田亮) のじり・みほ/1984年生まれ。東京都出身。『シップス』プレスを経て、現在はフリーランスのファッションプレス&ディレクターとして活動中。DAILY MOREでのブログ「GOODTHINGS GOODCASUAL 野尻美穂のおしゃれの話」も大好評連載中。