公開中&近日公開予定の話題作の中から、キーワードに沿った2本のイチ押し映画と、その他のおすすめ映画をご紹介します。

【今月のキーワード】“自由”を追い求める女たちの戦い!

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昨年末に発覚したハリウッドの大物プロデューサーによるセクハラ問題を発端に、多くの女優たちが被害を告白。その勇気ある行動は「#MeToo」運動として世界に広がった。実は近年ハリウッドでは男女の賃金格差も問題視されていて、『フォーブス』誌が発表した2017年「世界で最も稼いだ女優」で1 位になったエマ・ストーンのギャラ総額が男優1 位の半分以下だったことが話題に。圧倒的に男性優位のハリウッドにおいて、エマ自身もたびたび格差撤廃を訴えている。そんな彼女が演じたのが、今から45年前、テニス界で女性の地位向上のために立ち上がった世界チャンピオンのビリー・ジーン・キング。優勝賞金が男子の8 分の1 しかない現実に抗議したキングは、男性至上主義の元男子世界チャンピオンと性別も年齢も超えた対決をすることに。映画では1973年の世紀の一戦がユーモアたっぷりに描かれている。女性が置かれた立場が現代でもさほど変わっていないことは正直驚きだけど、映画やスポーツを通してあきらめずに戦い続ける、タフな女性の姿はしっかり目に焼きつけたい

日本では少し前に土俵の女人禁制が話題になったが、かつては全国で女相撲が興行されていたことをご存じだろうか。『菊とギロチン』は、大正末期の混沌とした社会情勢の中、自由を求めて戦った若者たちの物語。貧困や差別に苦しみ、女というだけで虐げられていた力士たちが、男以上に強くなりたい、強くなったら人生を変えられるかもしれないという思いでけなげに相撲に青春を捧げる姿は感動的。同じ女性としてエールを送らずにいられない。
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【イチ押しシネマ1】『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』
男女の賞金格差撤廃を求める全米テニス女子チャンピオンのビリー・ジーン(エマ・ストーン)は、男性至上主義の代表として挑戦状を突きつけてきた元男子世界チャンピオン、ボビー・リッグス(スティーヴ・カレル)との戦いに挑む。● 7 / 6 ~TOHOシネマズシャンテほか全国公開 ©2018 Twentieth Century Fox

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【イチ押しシネマ2】『菊とギロチン』
平等な社会を目指すアナキスト・グループ「ギロチン社」の青年たちはさまざまな事情を抱えた女力士たちの戦いぶりに魅せられ、行動を共にするように。● 7/ 7 ~テアトル新宿ほか全国順次公開 ©2018「菊とギロチン」合同製作舎

【まだまだあります、おすすめシネマ!】

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『セラヴィ!』
『最強のふたり』監督コンビの最新作。パリの古城を舞台に、次々問題を起こすポンコツなウェディングスタッフたちを描いた痛快コメディ。● 7 / 6 ~渋谷・シネクイントほか全国公開 ©2017 - QUAD + TEN - TENFILMS - GAUMONT - TF1 FILMS PRODUCTION - PANACHEPRODUCTIONS - LA COMPAGNIE CINEMATOGRAPHIQUE
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『グッバイ・ゴダール!』
映画監督ジャン=リュック・ゴダールの元妻アンヌ・ヴィアゼムスキーの自伝的小説を映画化。天才との刺激的な日々を通し、女性として、女優として自立していく姿は爽快! ● 7 /13~新宿ピカデリーほか全国順次公開 ©LES COMPAGNONS DU CINEMA - LA CLASSEAMERICAINE - STUDIOCANAL - FRANCE 3.


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MORE2018年8月号・さらに詳しい情報は雑誌MOREをチェック! 文/松山 梢
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