YouTuber・みち子&ぽっちさんに聞く、同性婚のこと。「同性カップルだって子供を持ちたい人はいる」
プライド月間の今こそ考えたい、同性婚のこと。
大切なパートナーと人生をともにしたいと思っても、法律的に「結婚」を認められない人たちがいる。自由に、そして平等に、結婚する・しないを「選べる」社会をつくるには……? LGBTQ+の権利を啓発する“プライド月間”の6月こそ、みんなで考えてみよう。
当事者が今考えていること。感じていることは?
現場ではどんなことが起こっていて、どんな悩みがあるの? 当事者たちに、“本当のこと”を教えてもらいました。
愛している人との結婚を選べる。それが当たり前だと思うんです
自分たちの生活を発信するレズビアンカップル。2016年に交際を開始し、翌年ブログを開設。2019年のプロポーズとともにYouTubeを始め、2021年にパートナーシップ宣誓
職場で出会い恋におちたみち子さん(左)とぽっちさん(右)。パートナーシップ宣誓をしたふたりに今直面している悩みを聞いてみました。
同性とつきあって初めて、不平等に気がつきました
ぽっち:やはり、同性婚が法制化されないことが悩みです。小さな頃から結婚して温かな家庭を築くことが夢だったので、同性と恋におちて初めて“同性カップルは結婚できない”と知ってショックでした。
みち子:私は幼少期から自分のセクシュアリティに自覚的だったので、結婚という選択肢が自分の人生になかったな。静かに生きていければそれで……って思っていました。
ぽっち:異性同士だったら好きな人と結婚できて、同性同士はだめだなんて納得できないです。
みち子:そうだよね。ぽっちに出会って、結婚の平等について考えるようになりました。「家族をつくる」という彼女の夢を叶えたいというポジティブな気持ちも芽ばえ、パートナーシップ宣誓もしました。
ぽっち:宣誓に法的な効力はないので必要ない気もしましたが、制度をつくるために戦ってくださった方々のためにも、当事者の仲間たちのためにも、同性カップルの可視化に貢献できればと思ったんです。
みち子:最近、当事者がきちんと自分の存在を示していくことってすごく大事だなと感じています。宣誓を発表してよかったです。
ぽっち:そういえば妊活にも壁があって。ほとんどの日本の病院では、法律婚をしている夫婦でないと不妊治療が受けられないんです。
みち子:もし今後子供を授かることができても、現状では同性カップルに共同親権は与えられないという問題もあります。
ぽっち:友人や親戚に子供ができるたび「私も産みたいな」って思ってしまって……悲しいな。
みち子:養子を迎える選択肢も、法的に結婚が認められない同性カップルにはないんです。「同性婚を認めたら少子化が進む」なんて言う人もいますが、同性カップルだって子供を持ちたい人はいるのにね。
ぽっち:国に貢献している国民なのは異性愛者も同性愛者も同じ。一刻も早く法制化が進むよう願いながら今後も発信を続けていきます。
撮影/つぼいひろこ 取材・原文/衛藤理絵 ※MORE2023年7月号掲載