セックスレスに悩み女性用風俗を体験「相手の欲求に我慢することなく、自分が望むサービスを提供してもらえる」【モア・リポート47】
1980年──、いまから約40年前。女性の「性」の本音を語る「モア・リポート」が誕生し、2017年までに延べ1万2千人を超える女性たちの性を見つめてきました。
そして、恋愛やセックスがいっそう多様化している現在。MORE世代の体験談を取材した新「モア・リポート」をお届けします!
ホストとは違う?女性用風俗のリアル
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ーDATAー
浅川さん(仮名)30代 /未婚/会社員
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裏垢のフォロワーは12万人超。セックスレスで女性用風俗へ
――女性用風俗に通っている?
はい。年に10回程度通っています(以下、浅川さん)
――女性用風俗に興味を持ったきっかけは?
当時、元夫とのセックスレスに悩んでいて。Twitterで『あぐ』というアカウントを作って、レスについて呟いていました。次第にレスで悩んでいる人たちと交流するようになり、その中で「女性用風俗がおススメだよ」と教えてもらったんです。
――『あぐ』さんのTwitterのフォロワーは12万人超とすごい人数ですよね。
アカウントを開設した2019年以降、コロナ禍に入ってストレス発散の場が制限されたのも、私のフォロワーが増えたひとつの要因だと思います。
外出して飲みに行くことでストレス発散する人も多いけれど、行動制限がかかってできない。だからストレスのはけ口として、Twitterの裏垢で呟いている方が多かった印象です。
私もそのひとりで、レスで悩む方々との交流が、ひとつのストレス発散になっていました。そしてその中で「女性用風俗」の存在を知ったんです。
事前予約ではなく「今日行きたい!」という時に電話をする
――女性用風俗を利用する流れはどんな感じですか?
私の場合は「行きたい!」と思った時に、当日予約をします。値段はお店によってまちまちですが、120分で、2万円程度。
予約をしたら、セラピストと集合します。
集合場所はホテルか駅。地元で利用するときは、誰かに見られたら嫌なので、直接ホテルを指定することが多いです。地元から離れているお店を利用するときは、デート気分も味わいたいので、駅集合でホテルに移動することが多いですね。
ホテルに入ったら、まずはカウンセリングを受けます。
カウンセリングで自分の要望を伝える
――カウンセリング、ですか?
はい。チェックシートで、性感マッサージはOKか、クンニはOKか、など細かく自分の要望を伝えることができます。
男性とのスキンシップは、女性が男性の欲求にあわせて我慢してしまうことも多いですよね。私もそのタイプで、今まであまりセックスを楽しめませんでした。
女性用風俗では、最初に自分の欲求を伝えることで、自分にあったサービスを提供してもらえるのも魅力のひとつだと思います。
カウンセリングの後はシャワーを浴びて、サービスを受けます。
――シャワーはふたりで?
ひとりで入るか、セラピストと一緒に入るのかも選ぶことができます。私は、シャワーはひとりで浴びたい派なのですが、以前セラピストに「あぐちゃん(浅川さん)は、ひとりで浴びたい派でしょ……?」と言い当てられてしまって。
――なぜ言い当てられたのですか?
ホテルに入った時に、セラピストが飲み物を2本買ってくれていて「どっちがいい?」と聞かれたんです。私は「Aくん(セラピスト)はどっちがいい?私は余ったほうでいいよ!」と言いました。
その時の様子やカウンセリングで、私のことを「シャワーは1人で浴びたい派だろうし、相手に気を遣ってセックスも楽しめないタイプ」だと思ったそうです。ズバリその通りなので、言い当てられてとてもビックリしました(笑)。
――さすがプロですね。
そうですね。そのうえで「今日はお客さんなんだから、絶対に気を遣っちゃダメだよ。一方的に気持ちよくなっていいからね」と。
その後は、アロママッサージから始まって、性感マッサージなど、カウンセリングの状況に沿って、サービスを受けます。最初に要望を伝えているので、プレイは安心してセラピストにお任せしています。
セラピストのタイプはさまざま
――さまざまな女性用風俗を利用されていると思いますが、セラピストはどんな方が多いですか?
基本的には、清潔感のあるイケメンが多いイメージです。もちろん写真は多少の加工が入っているとは思いますが、カッコいい人が多いと思います。
中には「ルックスに自信はないけど、テクニックに自信あり!」と書いているセラピストもいて。自分がどこに重きを置いて女性用風俗を利用するかによって、選ぶセラピストのタイプは変わってくるんじゃないかなと思います。
たとえば、2次元にしか興味がなく、男性経験のない女の子が「アニメのキャラを演じてほしい」とセラピストにリクエストして、女性用風俗を利用したそうです。
とても楽しめたという話を聞いて、女性用風俗は、普通の恋愛では味わうことのできない時間を提供するサービスでもあるなと感じましたね。
ホストクラブとは違う女性用風俗の魅力とは
――女性用風俗は近年よく話題にあがりますよね。どんなところに魅力があると思いますか?
キャバクラから風俗まで、男性向けの接客・性的サービスはたくさんありますが、女性向けは今までありませんでした。
だからセックスレスになっても、女性は寂しさや性欲を解消することができない。
今までだと、ホストクラブがそういう女性の欲求に包括的に応えていたところもあると思うのですが、ホストクラブでは営業されたり、大金を使ったり……沼って辛い思いをしてしまう闇の部分も強いと思います。
一方で女性用風俗は、健全にセクシャルなサービスを受けたい需要にダイレクトに応えてくれる。
レスなど、性の悩みを抱える方や、男性に恋をしたり、付き合ったりしたいと思った経験はないけれど、性的な体験がしたい方。
いろいろな女性が気軽に利用できる場として、女性用風俗がもっと一般的になっていけばいいなと個人的には感じています。
取材・文/毒島サチコ