「セックスレスでも夫婦仲はいい」結婚して3年目の夫側の気持ち【モア・ボイス2】
1980年──、いまから約40年前。女性の「性」の本音を語る「モア・リポート」が誕生し、延べ1万2千人を超える女性たちの性を見つめてきました。
そして2023年「モア・リポート」と並行して、性別を問わずジェンダーレスに20・30代の体験談を取材し、彼らの恋愛やセックスの本音に迫る「モア・ボイス」の連載をスタートします!
「友達のような関係」結婚3年目のリアル
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ーDATAー
葛城さん(仮名)31歳 /会社経営/既婚/男性
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経営している会社に妻が入社
――現在、結婚3年目?
はい。24歳の時に出会った妻と28歳で結婚し、今年で結婚3年目になります。(葛城さん、以下同)
――出会いは?
僕の経営している会社に妻が入社してきたのがきっかけです。当時、会社で営業職を募集していて、知り合いから「こんな子がいるよ」と紹介してもらったのが今の妻でした。
――最初は職場での出会いだったんですね。
はい。入社当初は仕事のできる女性だなという印象でしたが、そこから2か月くらいで交際に発展しました。
――どういう流れで付き合うことに?
もともと僕の周囲は男性ばかりで女性との出会いはほとんどなかったんです。「彼女が欲しいな」とは思うものの、仕事が忙しく、恋愛の優先順位が低くて。そんな中、同世代の彼女が会社に入ってきて、彼女のほうからアプローチしてきてくれた、というのが大きかったですね。
――どのようなアプローチがあったのですか?
仕事仲間での大人数の飲み会で気づいたら隣にいる、みたいな。そういうことが多くてしゃべる機会が増えました。あとは、僕が酔っぱらって深夜に彼女に電話してしまったことがあったんです。その時、うっとうしがらずちゃんと話を聞いてくれたりとか。僕の“面倒くさい”一面も受け止めてくれたんですよね。
同時に僕も「酔っぱらって電話を掛けたくなる人」=「気を許している相手なんだな」と。いつの間にか彼女がとても気になる存在になっていたことに気づいたんです。
彼女に「20代のうちに籍を入れたい」と言われて
――付き合ってからはどうでしたか?
職場恋愛でしたが、彼女の転職もあって、一緒に仕事をしたのは、最初の1年くらいでしたね。同棲もはじめて一緒に過ごす時間が長くなりました。
――結婚も意識するように?
そうですね。アラサーに差し掛かると、周囲から「いつ結婚するの?」と言われることが増えて。彼女からも「20代のうちに籍は入れたい」と、圧がかかりました(苦笑)。
僕も「彼女と結婚したい」という気持ちは持っていました。ただ、当時事業を軌道にのせたい時期だったので「もうちょっと仕事が落ち着いてからね」という気持ちで。
――「仕事が落ち着いてからね」というのは結婚前のカップルの“あるあるワード”かもしれません。
よく聞きますよね(笑)。でも、すぐにタイムリミットの29歳が近づいてきて。「入籍って紙きれを提出するだけやん」という彼女の言葉にプロポーズを決め、彼女の両親にも結婚の挨拶に行きました。
――交際もプロポーズも彼女がリードする形だったんですね。
そうですね、周囲を固められてだんだん追い込まれて。というと、悪い意味に聞こえるかもしれませんが、そうじゃなくて、そうしてもらわないと僕は結婚を決断できなかったと思うんです。彼女と結婚したいと思っているけれど、まだいっかって。
僕も含め、男性って結婚を自分で決断できない人が多いと思います。周囲の友人も「彼女に迫られて」とか「子どもができて」結婚を決断した人が多いですね。
だけどそういう人たちもなんだかんだ今も幸せにやっているような気がします。
セックスレスぎみだけど「仲はいい」
――結婚生活はどうですか?
妻とはとても仲がいいです。周りからも「すごい仲いいね」とよく言われますね。付き合って4年、結婚して3年たつので、親友みたいな関係ですね。休日は一緒にゲームをしたり出かけたりしています。
――安定した夫婦生活、ということですね。
そうですね。ただ7年一緒にいるので、男女って感じではなくなってきているな、というのは感じます。ここ数か月セックスはほとんどしてないので、世間一般でいうセックスレスぎみではあるかもしれません。
――レス気味なことに対しての不満はありますか?
いいえ、不満はありません。僕的には正直もう少しあってもいいかな、とは思うこともありますが、妻は性欲が強いほうではないし。
実は何度か僕から誘って断られたことがあったんです。でも、断られたから喧嘩になるというわけでもなくて、妻からの愛情は日々の生活で感じているし、夫婦仲はめちゃくちゃいいんです。それに、ぶっちゃけ性欲解消なら、風俗を利用してできるし……。
セックスがなくても僕たちは仲良しなのでなんの問題もありません。ただ、お互いゆくゆくは「子どもがほしい」と思っています。今後はちゃんと考えていきたいなと思っていますね。
取材・文/毒島サチコ