30代でタワマンを一括購入した投資家夫。「出会いは相席屋。最初はサラリーマンだと偽った」【モア・ボイス6】
1980年──、いまから約40年前。女性の「性」の本音を語る「モア・リポート」が誕生し、延べ1万2千人を超える女性たちの性を見つめてきました。
そして2023年「モア・リポート」と並行して、性別を問わずジェンダーレスに20・30代の体験談を取材し、彼らの恋愛やセックスの本音に迫る「モア・ボイス」の連載をスタートします!
31歳でタワーマンションを一括購入
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ーDATAー
東谷さん(仮名)31歳 /投資家/既婚/男性
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18歳。元恋人のために株式投資を始めた
――相席屋で出会った女性と結婚した?
はい、相席屋で出会った1つ年下のアヤカ(仮名・30歳)と結婚しました。現在は、一括で購入したタワーマンションに、妻と2歳になる娘の3人で暮らしています。(東谷さん、以下同)
――31歳でタワーマンションを一括購入、ですか?
はい。僕は18歳から専業投資家として活動していて、その資産でタワーマンションを購入したんです。
――すごいですね。現在も投資家として活動しているのですか?
そうです。現在も株式投資を続けながら、SNS運用の事業などもやっています。
――なぜ18歳で株式投資を始めたのですか?
僕が投資を始めたのは祖父の影響なのですが、本気で株をやろうと思ったのは、元恋人がお金に困っていたからです。
当時の彼女は、奨学金で大学に通いながら、生活費を稼ぐためにアルバイトを掛け持ちしていました。その影響で頻繁に体調を崩していたし、デートする時間もなかった。そんな姿を見て「僕がお金を稼げれば、もっと一緒にいられるし、楽させてあげられるのにな」と。
ただ、当時僕も大学生だったので、大きなお金を一気に稼ぐことはできません。いつか彼女を支えられるようにという気持ちで株の勉強をはじめたんです。
――その彼女とはその後どうなりましたか?
結局、株で資産ができる前に別れてしまいました。僕の気持ちが重すぎたのかもしれません(笑)。お金をわたしても突っぱねられてしまったし。
でも、そんな彼女だからこそ僕は大好きだったのだと思います。
相席屋で今の妻と出会うまで
――株式投資に関する情報を発信するSNSも運用されていますよね。フォロワーは数万人。
最初は、株価に関わるニュースをチェックする勉強用のアカウントとして立ち上げたのですが、いつの間にか僕のアカウントを勉強用としてフォローしてくださる方が増えました。DMも頻繁に届きます。
――どのようなDMですか?
株を教えてほしい、といったカジュアルなものもあれば、完全にお金目当てだと思われる女性からのお誘いDMも多いですね。
長年株をやっていると、そういう“お金目当て”の女性に対してはとてもシビアな目で見るようになりました。
――歴代の彼女や現在の奥さんは株には全く関係ない人たち?
そうですね。まったく関係ないです。妻のアヤカとの出会いは相席屋ですし。ちなみにアヤカには最初「僕はサラリーマンだ」と嘘をついていました(笑)。いきなり専業投資家というと怪しまれるとも思ったので。
――相席屋でどのようにして出会ったのですか?
その頃、友人と相席屋にハマっていて。1週間に1回くらいの頻度で遊びに行っていたんです。
その日もいつものように、5組くらいの女性と話して「次の1組で帰ろうか」と友人と話していたら、偶然アヤカと相席になって。趣味のゲームで意気投合し、とても盛り上がりましたね。その場でLINEを交換して別れたのですが、その後もアヤカがめちゃくちゃ気になって……。
『今から二人でもう一回話さない?』と僕からLINEしたんです。
――すごく大胆ですね。
そうですね(笑)。すでに深夜0時近い時間でしたし。だけどアヤカは「少しなら」と相席屋の近くのカフェで会ってくれて。すぐにカフェも閉まってしまったので「アヤカさんの家いっていい?」とストレートに誘いました。
その日のうちに体の関係になって、1週間後には付き合い、1年後には結婚……と、とんとん拍子で進んだ感じです。
――いつ自身が投資家だと打ち明けたのですか?
付き合ってすぐ「実は専業投資家をやっているんだ」と言いました。アヤカの反応は、「投資? よくわからんけど面白そう! 一緒にやりたい」みたいな感じで。特に驚かれることも、根掘り葉掘り聞かれることもなかったです。
株きっかけで出会った女性だと「総資産はいくら?」とかお金のことを聞いてくる人が多かったので、アヤカの反応がとても新鮮で安心できました。
――アヤカさんの職業は?
彼女は公務員で、バリバリ働いていました。安定して収入を得られる公務員と、資産の浮き沈みがある投資家。この組み合わせがよかったのかもしれません。アヤカは金銭的にも自立していたので“お金目当て感”も一切なく、今まで結婚を真剣に考えてこなかったけれど「アヤカとなら結婚したい」と思うようになりました。
投資家は日々の資産の増減でメンタルがどうしても浮き沈みしてしまいます。
だから僕をはじめ、プロの専業投資家の多くは、アヤカのような精神的にも金銭的にも振れ幅なく安定している女性と結婚しているケースが多いですね。
会社員とはまったく違う! 気になる投資家夫の一日
――東谷さんの一日の流れはどのような感じですか?
娘を保育園に送り、前日のアメリカ株のおさらいや、気配をみます。9時から相場がはじまって、11時30分に前場終了。昼食を食べたら、1時間後の12時30分から後場開始です。
後場は15時に終わります。株以外の予定がない日は、その後娘を迎えに行って、16時くらいから夕食の支度をします。
妻が18時頃に帰ってくるので、家族みんなで一緒にご飯を食べます。その後はフリータイム。娘と遊んだり、ゲームをしたり、明日の相場の予習をしたり、ですかね。
――家事や育児にも積極的に参加しているのですね。
そうですね。妻がバリバリ仕事をしているので、家事も育児も一緒にやっていこう、と結婚前に話し合って決めていました。
それに僕は父子家庭だったので、昔から自分で夕飯をつくることも多かったんです。たぶん料理は妻より得意ですね(笑)。
取材・文/毒島サチコ