SNS婚活から半年でスピード婚した男性が明かす出会い事情! 「妻のもとには700通くらいDMが届いていた」【モア・ボイス10】
1980年──、いまから約40年前。女性の「性」の本音を語る「モア・リポート」が誕生し、延べ1万2千人を超える女性たちの性を見つめてきました。
そして多様性社会を生きる今、「モア・リポート」と並行して性別を問わずジェンダーレスに20・30代の体験談を取材し、彼らの恋愛やセックスの本音に迫る「モア・ボイス」の連載をお届けします!
SNS婚活で結婚!
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ーDATAー
松平さん(仮名)30代 /自営業/既婚
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恋活・婚活の情報集めとして、Twitter(現X)を開始
ーーTwitter(現X、以下同)婚活がきっかけで、結婚をした?
はい。Twitterがきっかけで出会った桜木さん(仮名)と今年の3月に結婚しました。(松平さん、以下同)
ーーなぜTwitter婚活を始めようと思ったのですか?
僕は自営業だったこともあり、職場恋愛も難しく、出会いがなかったんです。
最初は恋活・婚活の情報集め用のアカウントとしてスタートしましたが、途中から自分が通っていた出会いスポットの情報や自身の婚活事情について投稿するようになりました。
ーーでは、#Twitter婚活 で自身のプロフィールを公開していたわけではない?
そうですね。自身は別の場所で婚活をしつつ、”婚活情報”を発信するアカウントでした。
ーー当時、結婚願望はあったのですか?
結婚願望はそこまで強くなかったのですが「いい人がいたら結婚したい」という気持ちではいました。
ーー具体的にどのような内容を投稿していたのですか?
出会いスポットでの体験談をつぶやいたり、スペース(※音声を使ってコミュニケーションができる機能)を使ってラジオ感覚で話したりしていました。
ーースペースではどんなことを話されていたのですか?
基本的に出会いスポット等の紹介が中心ですが、ある日は自身の非モテエピソードだったり、“モテる男”についての考察、だったり。毎回テーマを決めて話していました。
週5くらいのペースで配信していると、しだいに恋活・婚活をしている人たちがスペースに集まるようになりましたね。
ーーどんなリスナーさんが多かったのですか?
「男性の気持ちを知りたい」という女性のリスナーさんが一番多かったです。
ーー恋人はすぐにできましたか?
いいえ。婚活情報を「参考にしたい」という女性が僕のアカウントを見てくれていたので、自分自身に恋人ができることはありませんでした(笑)。
そんな時、#Twitter婚活 のハッシュタグ検索したら、今の妻(桜木さん)のアカウントが偶然目に入ったんです。
DMは無視されるも、スペースきっかけに関係が発展
ーー #Twitter婚活で今の奥さんのプロフィールを見つけたのですね。
そうですね。Twitter婚活では、基本的に顔出しはしないのですが、妻の設定していたアイコンが“美人風”で目に留まりました。
ーー美人風とはどのようなアイコンですか?
婚活アカウントの多くは、自分と似ている、または憧れている芸能人やかわいい動物をアイコンにしていることが多いんです。自分の写真を設定するにしても後ろ姿が多いですね。
だからまったく容姿がわからないことが多いのですが、妻はカフェで撮った自身の横顔をアイコンにしていました。目の部分にモザイクがかかっているものの、「僕のタイプだ!」と直感で思いDMを送ったんです。
ーーどのような内容のDMですか?
自己紹介と「よかったら仲良くしてください」といった感じです。すごく丁寧に書いて送ったつもりですが、見事にスルーされました。
ーーなぜ、無視されたのでしょうか?
僕と同じように彼女を気に入った、たくさんの男性から声がかかっていたんです。実際その時、妻のもとには700通くらいDMが届いていたようです。
ーー無視されてから、どうしましたか?
「人気の婚活アカウントなんだな」と諦めモードでした。気持ちを切り替えて、いつものようにスペース配信を続けているとある日突然、妻が僕のスペースを聞きにきたんです!
ーーDMをきっかけで松平さんのことを知ったのですか?
はい。それもありますが、婚活仲間の女性から「出会いスポットを紹介している人がいるよ」と僕を紹介されて、婚活の情報収集のためにスペースにきたようでした。
その時僕が配信していたのが、偶然妻が興味を持っていた相席ラウンジの情報だったんです。
ーーその時、どう思いましたか?
これは千載一遇のチャンスだ!と思いました。スペース内で、妻から質問があり、会話をすることもできました。その流れで「もしよかったら、一緒に相席ラウンジに行ってみませんか?」と誘ったんです。
ーー最初は婚活仲間としてアプローチしたんですね。
はい。婚活仲間っぽく誘いましたが、正直「会ってみたい」という下心のような気持ちが強かったですね(笑)。
Twitter上での悪い噂によりデートを断られた
ーー会ってみてどうでしたか?
予想していたとおりの素敵な女性でした。2度目は2人での食事に誘ったのですが、「もう会えません」と言われてしまったんです。
ーーそれはなぜですか?
妻はTwitter上の婚活仲間から、僕のことを「ちゃらい」とか「いろんな人と噂があるよ」と吹き込まれたようでした。
ーーそれは事実だったのですか?
いいえ。事実無根のことが多かったです。「いやいや、そんなことはないよ!」と否定したのですが、まったく取り合ってくれず、「もう会えません」の一点張りでした。
ーーSNSでの出会いの怖いところですね。
そうですね。
婚活アカウント同士、励ましあっているようですが、他人の恋愛がうまくいきそうになると、足の引っ張り合いをするということがあるのかもしれません。
ーーその後どうなったのですか?
会ったら誤解が解けると思っていたので、あきらめきれず、たびたびLINEを送っていました。それでも会ってくれなかったので、「最後に一回だけでも会えないかな?」と送りました。
彼女からは「仕事で遅くなるし、いけるかわからないよ」と返信があり、「大丈夫。待ってるから」と送りました。
5回目のデートで交際開始。婚活中同士だからこそのスピード婚へ
ーー実際に会うことができたのですか?
はい。当日はかなり待ちましたが、妻は来てくれました。僕が本当にずっと待っていたことに驚いた様子でしたね。
その時に無事誤解を解くこともできて、次回の食事の約束をしました。3回目の食事の後に、告白をしたのですが「保留」にされました。
ーーつきあうことになったのはいつですか?
5回目の食事の後です。
4回、5回と食事を重ねる中で、お互いの価値観のすりあわせをしました。妻は「次につきあう人とは結婚を考えたい」と思っていたのだと思います。
つきあって2か月後には同棲をスタートして、半年で結婚しました。
ーースピード婚ですね。
そうですね。やはりお互い婚活をしている中で出会ったこともあり、お互いの価値観のすりあわせがつきあう前にできていたことが大きいです。
つきあうまでは慎重でしたが、そのあとはとんとん拍子でした。
ーーTwitter婚活を振り返ってどう思いますか?
婚活をすると決めてから、僕は能動的に出会いの場に行き、さらに自身が出会いを求めていることを積極的に発信していました。
SNS上の婚活では顔が見えない分、投稿する文章や写真、そしてスペースで、自分の「色」を出すことが重要です。
スペース配信をしていなかったら、僕は妻に見つけてもらうことはなく、DMをスルーされたままだったと思います。
ーー積極的に自身の「色」を出すことが大切なんですね。
そうですね。積極的に婚活をしていることを発信しつつ、気になる女性ができたら、徹底的に誠実に。
これがTwitter婚活の成功の秘訣だと思います。
取材・文/毒島サチコ