1980年──、いまから約40年前。女性の「性」の本音を語る「モア・リポート」が誕生し、延べ1万2千人を超える女性たちの性を見つめてきました。

そして多様性社会を生きる今、「モア・リポート」と並行して性別を問わずジェンダーレスに20・30代の体験談を取材し、彼らの恋愛やセックスの本音に迫る「モア・ボイス」の連載をお届けします!

交際経験ゼロの34歳男性。恋愛は「機会があればしたい」

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ーDATAー

赤坂さん(仮名)34歳 /会社員/未婚/男性

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今まで女性との交際経験がない赤坂さん(仮名/34歳)。そもそも人コミュニケーションをとるのが苦手で、わざわざアプリや街コンなど出会いの場を利用してまで恋愛や結婚はしたくないと語ります。

「女性と交際したい」気持ちは7割。

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――赤坂さんは今まで交際経験がない?

はい。34年間、女性とおつきあいした経験はありません。(以下、赤坂さん)


――誰かと交際したい、という気持ちはありますか?

いい人がいれば「したい」が7割、「しなくていい」が3割くらいです。


――今まで出会いの場に足を運んだ経験は?

ありません。わざわざ出会いの場に足を運んでまで恋人をつくりたいとは思わないですね。つくられた出会いの場じゃなくて、自然な出会いの中で、プラスアルファで恋愛に発展するような関係が理想です。



――自然な出会いの場で女性と出会う機会はありますか?

ほとんどないです。

学生時代は男子校で、バイトや恋愛をすることなく勉強一筋でした。今勤めている会社も、女性はほとんどいないし、普通に生活していると、女性とかかわる機会はほぼないですね。

気付いたら交際経験がなく、何十年もたっていた……という感じです。

女性と接する機会はほぼなし。性別関係なく人と話すのは苦手

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――仕事や日常生活では女性と話す機会がないということでしょうか?

そうですね。そもそも僕は性別関係なく、人と話すのが苦手です。それでも今まで普通に生きていけたので、このままでいいと思っていました。でもコロナ禍以降、会社がリモートワークになったことにより、今は性別関係なく人とコミュニケーションをとらなくてはと思いはじめました。



――それはなぜですか?

コロナ禍前はみんなで集まってリアルで会議をしていたので、発言しなくてもその場にいればよかったのですが、リモートで会議をするようになると、カメラオフのまま発言しないと自分が忘れ去られてしまうんじゃないかと思うようになりました。

リアルの会議だと、緊張してしゃべれなくなることもあったんですが、リモート会議はパソコンの画面というフィルターがあるので、発言しやすくなりましたね。



――フィルターを通せば、リアルよりも積極的に発言ができるということですね。

はい。この取材もオンラインが可能だったので、受けたんです。

結婚願望はあるが、出会いの場にいくほどではない

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――恋愛に対してもフィルターを通せば、積極的になれるのでしょうか?

どうですかね。先ほども話したように、恋愛目的でアクションを起こすのはそもそも気が重いし、自分のしゃべりには自信がありません。自分から話すよりも、聞く側の方が楽。でもアクションを起こさないと、恋人はできないので難しいところですね。



――先ほど女性と関わる機会がほぼないとお話されていましたが、女性を好きになったことはありますか?

あります。20代後半の時に仕事で珍しく女性とかかわる機会があって、その方を好きになりました。相手も僕に好意を寄せてくれているように感じました。

――交際には至らなかったのですか?

至りませんでした。相手は既婚者だったんです。どんな事情があったのかは知りませんけれど、不倫は踏み込んじゃいけない領域ですよね。相手から好意を持たれたとしても、交際しないのは当然のことだと思います。



――赤坂さんは結婚願望はあるのでしょうか。

あります。もちろんおつきあいするなら、結婚を見据えたいと思っています。

そのためには外に出て、なにかやらないとはじまらないことはわかっています。でも、アプリや街コンのような出会いの場を利用してまで結婚をしたいとは思いませんね。

取材・文/毒島サチコ

ライター・インタビュアー
毒島サチコ

MORE世代の体験談を取材した「モア・リポート」担当のライター・インタビュアー。

現代を生きる女性のリアルな恋愛観やその背景にひそむ社会的な問題など、多角的な視点から“恋愛”を考察する。