セックスについてパートナーと会話してる?レスにならない人が意識していること【モア・リポート75】
1980年──、いまから約40年前。女性の「性」の本音を語る「モア・リポート」が誕生し、2017年までに延べ1万2千人を超える女性たちの性を見つめてきました。
そして、恋愛やセックスがいっそう多様化している現在。20代、30代の体験談を取材した新「モア・リポート」をお届けします!
コミュニケーションをとることの大切さ。だからレスにならない!
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ーDATAー
立山さん(仮名)24歳 / 職業:フリーランス
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立山さん(仮名・24歳)は、パートナーと「どういうプレイが好き・嫌い?」「どういうアダルトビデオを見る?」など、互いの性の価値観を共有している。彼女が性にオープンなのは、母親の影響だそうだ。
家庭内で性の悩みを共有できる
――立山さんは自身の性的嗜好や価値観をパートナーにオープンにされている?
パートナーはもちろん、男女問わずオープンにするタイプです。(以下同、立山さん)
――具体的にどのようなスタンスを取られているのでしょうか?
「どういうプレイが好き・嫌い?」とか「どういうアダルトビデオを見る?」とか、自身の好みを話した上で、相手にもたずねます。パートナーと積極的に価値観を共有することで、性生活が充実していくと考えているからです。そのおかげで、これまでセックスレスになった経験はありません。
――「個人的な性的嗜好や価値観をパートナーと共有するのが恥ずかしい」という声もありますが、立山さんがオープンにできるのはなぜでしょうか?
母の価値観や振る舞いが影響していると思います。私は母子家庭で4姉妹の5人家族で育ちました。私たち姉妹は母から「なんでも相談しなさい」と言いつけられ、特に性のことに関しては嫌なことがあったらすぐに話すよう教えられていたんです。
――お母さまがそのように話されるのは、何か背景があったのでしょうか?
母は現在60代ですが、私と同じ年齢くらいの時、職場でのセクハラが当たり前だったそうです。コピー機の前に立っていたら上司にお尻を触られる……みたいな。母はそれに対して嫌な思いを抱えていたけれど、誰にも相談できなかった経験があり、自分の娘たちにはそんな思いをしてほしくないという気持ちが強くあるようです。
――お母さまの思いもあって、家族が性のことを共有できる関係だったのですね。
そうですね。それこそ家族で「男の人にこういう風に誘われて嫌だった」という話を共有することもあります。家庭内で情報交換できる日常があるので、私も性の悩みを抱えることなく過ごせています。
男性に性の話をすると「エッチな子なんだね」と言われる
――パートナーとも性の話をしますか?
はい。自分がセックスをしたいと思ったら自分から誘うし、相手からされて嬉しいこと・嫌なことを共有するようにしています。
――セックスをしたい時、相手へどのように伝えますか?
同棲していたパートナーとは、出勤する前に「今日の夜どう?」みたいな感じで自然に話していました。ストレートに言葉にして伝えることで、いい関係を築けていたと思います。でも、私のような女性は少数派なのだなと感じています。
――たしかに、性の話をすることに対して、抵抗のある女性は多いかもしれません。
セックスに関して、やはりまだまだ女性は“受け身”な立場ですよね。私も自分から誘っただけで、(ほかの女性と比較して)「エッチな子なんだね」「性欲が強いんだね」と男性から言われた経験があります。
性欲は人間が当たり前に持っているものであるのに、女性が性の話をするだけでそういう偏見の目にさらされてしまうのは残念なことだなと思います。
私は母の教えもあり、自分主体の視点でセックスを考えています。人生を充実させるものであり、安全かつ楽しめるかというのが大事。セルフプレジャーグッズやアダルトコンテンツも、セックスと同様に自分主導で楽しむものだと思っています。
アダルトコンテンツは「ファンタジー」として楽しむもの
――女性向けのアダルトビデオも最近は増えていますが、どう思いますか?
今でこそ女性向けのものもありますが、やはり圧倒的に男性向けの作品が多いですよね。私はアダルトビデオは“ファンタジー”として楽しむようにしています。リアルなセックスとは別物。
だけどアダルトビデオの中で行われるセックスがファンタジーではなく、リアルだと思っている人もいる。だからこそ性の価値観の共有をしなきゃいけないと思うんです。
――アダルトビデオの中の女性は、セックスに関して”受け身”な姿勢が多いですね。
男性にとって都合よく描かれている作品が多い。そういうプレイで女性が喜ぶといった間違った認識を持ち、現実で同様のセックスをするのはとても危険なことだと思います。あくまでアダルトコンテンツは“ファンタジー”として楽しむものです。
パートナーとは「セックスはこういうものだ」という固定観念を持たず、性についてコミュニケーションをとって、互いの価値観をすりあわせることが何より重要だと思っています。
取材・文/毒島サチコ