1980年──、いまから約40年前。女性の「性」の本音を語る「モア・リポート」が誕生し、2017年までに延べ1万2千人を超える女性たちの性を見つめてきました。

そして、恋愛やセックスがいっそう多様化している現在。20代、30代の体験談を取材した新「モア・リポート」をお届けします!

セックスは不満だけど、一緒に努力していきたい

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ーDATAー

勝山さん(仮名)28歳 / 職業:会社員

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マッチングアプリを駆使し、5人の男性と同時進行でデートを重ねた勝山さん(28歳・仮名)。その中でもっとも結婚向きな彼と出会い、来月婚約予定。しかし、彼とレス気味で……⁉ 

マッチングアプリで5人と同時進行からの、本命に絞りプロポーズに持ち込んだ方法とは!?

小鳥みたいなキスに性欲がわかない

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――結婚を予定している彼とレスになっている?

はい。20代前半の苦い恋愛経験から自分が本能的に好きになるクズ系男性ではなく、何でも話せて一緒にいて落ち着く結婚向きの彼と結婚することを決めました。

だけど、彼に対してあまり性欲がわかず、現在レス気味になっています。



――セックスの頻度はどのくらいですか?

月に一回応じるか応じないかくらいです。



――勝本さんのほうが彼を拒否しているのですか?

そうですね。私の方からやんわり避けるようになりました。拒否というより、“セックスする雰囲気をつくらないようにしている”というのが正しいかもしれません。



――どうして彼とのセックスを避けるようになったのですか?

そもそも彼は自分から直接的にセックスを誘ってこないんです。「しよう」って言葉にすることもないし、突然押し倒すようなこともない。私の様子を見ながら、チュッチュッと、小鳥みたいなキスをしてきて、それ彼の“したい”合図。

今まで付き合ってきた男性はもっとセックスのスイッチがわかりやすい人が多かったので、彼の察してほしい感じはちょっと苦手。彼なりの優しさだと思うんですけど。

男性のセックスのスイッチが入る瞬間が好きだった

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――今まで付き合ってきた男性は、セックスする時どんな感じでしたか?

言葉にするのが難しいんですけど、目の感じが急にギン!って変わるような。あ、今スイッチ入ったなってわかる感じがしました(笑)。無理やりではないけれど、ちょっと強引な感じで誘われるのも好きだった。それが興奮材料でもあったので、彼の控えめな誘いには盛り上がらないんです



――そのことを彼に話しましたか?

もちろんです! 何でも話せる彼だからこそ結婚を決めたので。セックスする時は「こういうふうに触ってほしい」と伝え、セックス前の雰囲気作りも「こうしてほしい」と要望を伝えていました。



――それで改善されましたか?

いいえ。なかなか難しいみたいです。今も彼とセックスをしても気持ちよさを感じないので、前戯もそこそこに「ハイ、もう入れて!」と私が言ってしまうこともあります。すると彼は「わかった、ごめん……」とへこんでしまって、どんどん回数が減っていきました。



――勝山さんに性欲はあるのでしょうか?

あります。彼とのセックスに満足できず、彼の射精後にセルフプレジャーグッズを使うこともあって。それを見た彼は申し訳なさそうに、「洗ってくるね」と言って、私の使い終えたセルフプレジャーグッズを洗ってくれます。

何でも話せる彼だからこそ結婚を決めた!

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――彼自身もレスに悩んでいるのでしょうか。

どうにかしなきゃとは思っているとは思います。実は彼、私以外ほとんど女性経験がないんです。初体験は大学の卒業旅行で行った風俗だそうです。

一方の私は20代前半にたくさん男性とのセックスを経験してるので、どうしても上手な人と比較してしまうところがあります。クズで結婚に不向きな人って、なぜかセックスはうまかったんですよね(笑)。



――今後、レスは改善されそうですか?

彼も私もお互い気持ちよくなるために努力しようというスタンスではあるので、少しずつセックスを楽しめるようになったらいいなと思っています。最近彼は、指を膣に入れながら「たぶんここが子宮だよな~」とか、女性の体を学んでいる感じがします。だから、良くなっていく伸びしろはあるはず!

20代の苦い恋愛を経て、何でも話せる彼とだからこそ結婚を決めたので、これからもセックスについてちゃんと話しあっていきたいです。

取材・文/毒島サチコ

ライター・インタビュアー
毒島サチコ

MORE世代の体験談を取材した「モア・リポート」担当のライター・インタビュアー。

現代を生きる女性のリアルな恋愛観やその背景にひそむ社会的な問題など、多角的な視点から“恋愛”を考察する。