アラサー女性の切実な悩み。友人の結婚や出産を素直に喜べず自己嫌悪【モア・リポート77・後編】
1980年──、いまから約40年前。女性の「性」の本音を語る「モア・リポート」が誕生し、2017年までに延べ1万2千人を超える女性たちの性を見つめてきました。
そして、恋愛やセックスがいっそう多様化している現在。20代、30代の体験談を取材した新「モア・リポート」をお届けします!
キャリア、結婚、出産……。アラサーになって考える人生プラン
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ーDATAー
高崎さん(仮名)33歳 / 職業:会社員
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SNSで流れる友人の結婚や出産報告。それを見て、モヤっとした気持ちになってしまった経験があるという高崎さん(仮名・33歳)。多くの20~30代の女性が直面する悩みを赤裸々に語ってくれた。
友人の結婚や出産に素直に喜べない自分に自己嫌悪
――今はSNSで友人の近況がすぐ目に入りますね。どんなふうに感じていますか?
アラサーになって、友達の結婚や出産に対して「おめでとう!」と言いながら、モヤっとした気持ちになってしまったこともぶっちゃけあります。
自分が悩んでいる状況で目に飛び込んでくると、とてもおめでたいことなのに嫌な気持ちがどうしてもわき上がってしまい、自己嫌悪に。
33歳になると、結婚したり子育てをしたりする友人が周囲に増えます。「もう一緒に飲みに行けなくなるなぁ」など、一緒に遊べる友人が減ってくる寂しさも感じていました。(以下同、高崎さん)
――たしかに20~30代はライフステージが大きく変化する年齢で、友人関係も変化しますよね。
でも変わらない友情もあります! 私にはアラサーの時期を一緒にのり越えてきた親友がいるんです。彼女の存在は私にとってすごく支えでした。
お互い彼氏ができた時は一緒に喜んで、別れた時には集まって。共通の友人たちが結婚するたびに「あの子も“あっち側”にいっちゃったね~」なんて冗談をいったりしていました(笑)。
変わっていく友人関係に寂しさも感じる
――その親友には結婚することを話しましたか?
はい。正直少し言いづらさはありましたが、もちろん彼女は喜んでくれました。「とうとう“あっち側にいっちゃったかー」って冗談まじりで言ってくれましたね。
――祝福してくれたのですね。
はい。でも私がもし親友と逆の立場で、彼女が結婚すると聞いたらすごく嬉しいけれど、同時にものすごくショックを受けると思います。
だから親友は祝福してくれたけれど、やっぱり寂しい気持ちはあったと思う。最近は彼女に結婚や妊娠の相談することに気兼ねし、話す内容が変わってきたような気がします。
――先ほど、友人たちの結婚や出産報告に「モヤっとしてしまう」という話がありました。これまで高崎さんは、結婚や出産を焦った経験はありますか?
友人が結婚や出産をするたび、親友と「うちら乗り遅れちゃったかなー」みたいなに冗談交じりに話すことはありました。
親友は「私はもう終わりだ」みたいに悲観的になることはあったんですが、私自身は焦ることはなかったですね。
――焦らなかったのはなぜですか?
23歳の時に、職場の先輩に言われた言葉が強く心に残っていたんです。
「全部やりきったタイミングで結婚することをおススメするよ」のアドバイス
――それはどんな言葉ですか?
職場の先輩は、37歳で出産された方だったのですが、当時23歳だった私に「まだ結婚はしないほうがいいよ」とアドバイスしたんです。
先輩は、仕事も恋愛も思いっきりやって、やりきった、満足したと思ったタイミングで結婚したそうです。だから「全部やりきったタイミングで結婚することをおススメするよ」って。その言葉が私の中で強く残っていましたね。
――実際、どうでしたか?
33歳の今が一番仕事にやりがいを感じているし、恋愛経験も重ねて今の彼にたどり着いたので、先輩の言っていたことは本当だなぁと思います。今より早い時期に結婚していたとしたら、もっと仕事に全力投球したかったなぁとか、恋愛したかったなぁとか、後悔したと思います。
――今が、高崎さんにとっての”結婚適齢期”ということですね?
この年齢だからこそ、結婚や出産について考えられるようになったという実感はあります。一方で、出産というタイムリミットが見えてきた時に、また別の悩みが出てきました。アラサーは悩みが尽きないですね。
だけど自身の選択に後悔はありません。今はとにかく目の前のことをがんばろ!って気持ちです。
取材・文/毒島サチコ