交際経験ナシ30代女性。恋愛下手の理由は中学時代の体験がトラウマ【モア・リポート85・前編】
1980年──、いまから約40年前。女性の「性」の本音を語る「モア・リポート」が誕生し、2017年までに延べ1万2千人を超える女性たちの性を見つめてきました。
そして、恋愛やセックスがいっそう多様化している現在。20代、30代の体験談を取材した新「モア・リポート」をお届けします!
交際経験ナシ。異性からの好意を気持ち悪く感じてしまう理由って?
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ーDATAー
蟹江さん(仮名)
年齢:31歳 職業:公務員
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蟹江さん(仮名・31歳)には、異性との交際経験がない。異性から好かれた経験はあるものの、興味のない異性からの好意を気持ち悪く感じてしまうのだとか。蟹江さんがそう感じるようになったのは、中学時代の「ラブレター事件」が影響している……?
交際経験ナシ「異性から好意を持たれると気持ち悪く感じてしまう」
――蟹江さんは異性から好意を持たれると気持ち悪く感じてしまうのですか?
はい。異性からの好意を感じると、それまで友達関係にあった人でも気持ち悪く感じてしまいます。(以下同、蟹江さん)
――それは好きな人からの好意でもですか?
実は今まで彼氏ができたことがありません。好きな人に好きになってもらった経験がないので、いざ好きな人に振り向いてもらったとして、その時も気持ち悪いと感じるかどうかはわからないです。
――蟹江さんは異性からの好意をなぜ気持ち悪く感じてしまうのでしょうか?
取材前になぜなんだろう? って過去の恋愛を振り返っていたんですが、男性不信なところがあるんじゃないかって。中学生時代のラブレター事件を思い出しました。
――ラブレター事件とは、何が起きたのですか?
初めて告白した男子にラブレターを捨てられたんです。中1の時、好きな男子(以下A)がいて、Aに直接告白するのが恥ずかしくて、ラブレターを書いてわたしたんです。
そしたら、Aは私のラブレターをゴミ箱に捨てたんですよ! しかもそのラブレターを別の男子(以下B)が拾って、Bはラブレターの私の名前をAの好きな女子の名前に書き換え、またAに渡したんです。
Bにとっては、ただの悪ふざけだったと思うけど、私すごいショックでした。このラブレター事件が今も心の隅っこにあります。トラウマというと大げさかもしれないけど……それが私にとっての人生初めての告白だったから。
周囲を使って好意を伝える男性の行動を「気持ち悪い」と感じ……
――その後の恋愛はどうでしたか?
中2、中3と普通に好きな人はできたんです。
だけど私が恋愛下手というか、駆け引きが全くできなくて……相手が自分をどう思っているか全然わからなくても、自分から告白して、まっすぐ振られて終わるというパターンを繰り返していましたね。
――高校や大学、社会人になってからはどうでしたか?
高校、大学は部活動に一生懸命で恋愛は二の次でした。好きな人はいたけれど、片思い。
社会人になってからは、配属前の長い研修があり、そこで好きな人ができました。その人とは別に、研修中に自分に好意を持ってくれる方もあらわれたんです。そこでさっき話した、異性から好意を持たれると気持ち悪く感じてしまう感情に気づきました。
――具体的にどういうところが気持ち悪いと感じましたか?
周囲の男性たちが私とその男性をくっつけようと応援モードだったんです。その中には私が好きだった男性もいました。
ある時、研修中あまりしゃべたことのない男性から「食べ物で何が好き?」って聞かれて。私が「チョコかな」と答えると、その後で私に好意を持ってくれていた男性が突然チョコレートをくれました。
その時「気持ち悪っ!」と感じたんです。
――蟹江さんに好意を持っていた彼は周囲を使って好意を伝えてくる人だったんですね。
私はストレートに好意を伝える派だから、そういった回りくどい好意の伝え方が気持ち悪いと感じたのかもしれないけど、好印象ではありません。
しかも、私が好きだった人から「あいつ、いいやつだよ!」ってその人をおすすめされたんですよ(涙)。私の好意に気づいていたと思うのにひどいですよね。ラブレター事件と似ていて、悲しい気持ちになりました。
――その後、どうなりましたか?
私がシャットダウンしてしまったせいか、その後男性からアクションはありませんでした。好きだった彼からもなんとなく距離を置かれ、何も起きずに研修を終えました。
告白しようと思った彼の5股が発覚
――その後の恋愛はどうでしたか?
職場に好きな人ができたんです。その人とは、仕事終わりに食事に行ったり、体の関係を持ったりして。私にとって、彼が初体験の相手でした。
――つきあっていたのですか?
いいえ。いわゆる友達以上恋人未満の関係でした。だけど相手からの好意も感じるし、私もその時20代後半になり「つきあうなら結婚かな」なんて考えながら、告白しようと思っていた矢先……とんでもないことが発覚しました。
その男性、5股をしていたんです。
――5股、ですか⁉
はい。しかも相手は全員、同じ職場内の女性でした。
取材・文/毒島サチコ