3年間で1000万円ホストに使ったSさんの話【モア・リポート29】
1980年──、いまから40年前。女性の「性」の本音を語る「モア・リポート」が誕生し、2017年までに延べ1万2千人を超える女性たちの性を見つめてきました。
そして、恋愛やセックスがいっそう多様化している現在。MORE世代の女性の体験談を取材した新「モア・リポート」をお届けします!
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1000万円ホスクラで使えるけど、1000円のアイライナーを買うのに躊躇する
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ーDATAー
佐倉さん(仮名)24歳 / 独身 /職業:接客業
初体験:20歳 / 経験人数:25人 / セックスとは:ゴール
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佐倉さん(仮名)24歳 / 独身 /職業:接客業
初体験:20歳 / 経験人数:25人 / セックスとは:ゴール
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「絶対ハマるわけない」と思っていたのに。知られざるホストクラブの世界
――ホストクラブに通っていた?
はい。昨年卒業しましたが、23歳まで通っていました。(以下、佐倉さん)
ーーホストクラブに通うようになったきっかけは?
最初は友達に「初回行ってみない?」と誘われて軽い気持ちで行きました。初回は~3000円くらいでしたね。「絶対ハマるわけない!」と思っていたんですが……ハマりました。
――それはなぜ?
私は中高時代を女子校で過ごし、男性と関わる機会がほとんどなかったんです。
大人になって、急にイケメンのホストに出会って。「姫」扱いしてもらって、遅れて青春を取り戻したみたいな(笑)。
ホストって、スクールカーストの1軍のポジションみたいな人ばかりなんです。イケメンでコミュ力が高くて。一方、ホストにハマる女性は、イケメンと関わりたくても関わる機会がなかった方が個人的には多い気がします。
真面目に勉強をして、なんとなく就職して、特に目標もなく、日々を過ごしていた女性が、ホストに「俺、ナンバー1になりたいんだ。一緒に夢を追いかけてくれないか」と言われると、それがいつの間にか自分の夢や生きがいになっている……みたいな。
ーーホスクラに通う女性は、派手な方が多いのかと思っていましたが、必ずしもそうではないということですね。
そうですね。私の周りでホスクラ(ホストクラブ)に通っている子たちは、最初は地味だった方が多いですが、ホスクラに通うようになって、どんどん派手になっていった気がします。
10年くらい前までホスクラに通う人は、お金持ちの年配の方=マダムが多かったみたいですが、今は20~25歳くらいがボリュームゾーンじゃないでしょうか。
知り合いのホス狂い(※ホストに夢中になっている女性のこと)は、大学生、夜のお仕事や、看護師さんや保育士さんが多いです。
はい。昨年卒業しましたが、23歳まで通っていました。(以下、佐倉さん)
ーーホストクラブに通うようになったきっかけは?
最初は友達に「初回行ってみない?」と誘われて軽い気持ちで行きました。初回は~3000円くらいでしたね。「絶対ハマるわけない!」と思っていたんですが……ハマりました。
――それはなぜ?
私は中高時代を女子校で過ごし、男性と関わる機会がほとんどなかったんです。
大人になって、急にイケメンのホストに出会って。「姫」扱いしてもらって、遅れて青春を取り戻したみたいな(笑)。
ホストって、スクールカーストの1軍のポジションみたいな人ばかりなんです。イケメンでコミュ力が高くて。一方、ホストにハマる女性は、イケメンと関わりたくても関わる機会がなかった方が個人的には多い気がします。
真面目に勉強をして、なんとなく就職して、特に目標もなく、日々を過ごしていた女性が、ホストに「俺、ナンバー1になりたいんだ。一緒に夢を追いかけてくれないか」と言われると、それがいつの間にか自分の夢や生きがいになっている……みたいな。
ーーホスクラに通う女性は、派手な方が多いのかと思っていましたが、必ずしもそうではないということですね。
そうですね。私の周りでホスクラ(ホストクラブ)に通っている子たちは、最初は地味だった方が多いですが、ホスクラに通うようになって、どんどん派手になっていった気がします。
10年くらい前までホスクラに通う人は、お金持ちの年配の方=マダムが多かったみたいですが、今は20~25歳くらいがボリュームゾーンじゃないでしょうか。
知り合いのホス狂い(※ホストに夢中になっている女性のこと)は、大学生、夜のお仕事や、看護師さんや保育士さんが多いです。
ホストに通うためのお金は?
ーーホストクラブに通い続けるためにはお金がいりますよね。
はい。私も最初はお会計を見て「え! これで1万円!? 高っ!」って思っていたんですが、それが、5万になり、10万になり……。いつの間にか「5万円! 安っ!」ってなってました。普通だった金銭感覚も少しずつおかしくなっていくんです。
私が使った額は、3年間で約1000万くらい。月30万計算なので、業界的には凄く少ないほうだと思います。
ーー月30万円もすごく多い印象です。
ホスクラに行くと、周りの女性が当然のように数十万、数百万のシャンパンを開けるんです。
「100万入れないとオールコール(※店内のホストが全員集まってのシャンパンコール)しない」っていうお店もあります。隣の卓でシャンパンが空いてるのを見て「私も負けたくない」って。女性同士の戦い的なところもあるかな。
「1000万円ホスクラで使えるけど、1000円のアイライナーを買うのに躊躇する」みたいな金銭感覚です。
ーー通うためのお金が足りなくなったら?
ホス狂いの7割くらいは、キャバクラや風俗などのお仕事を始めるようになるケースが多いと思います。私はキャバクラをやっていました。
夜のお仕事は、自分を綺麗にしないと稼げないので、ホスクラに通い始めたのをきっかけに、ホス狂いの女性はどんどん可愛く、派手になっていく感じです。
ーーコロナ禍で夜の街が特に打撃を受けたというニュースもありましたが、どうでしたか?
私の働いていたキャバクラは大打撃を受けましたね。
周りのホス狂いには、掛け(※売り掛けの略。お客さんの飲食代をホストが一時的に立て替え、後日返済してもらうシステム)を払うために、キャバクラを辞めて、もっと稼げるメンエス(メンズエステ)や、風俗を始める子もいました。
それに比べるとホストクラブはコロナの影響が少なかったんじゃないでしょうか。
ーーそれはなぜですか?
キャバクラのお客さんは家族がいたり、会社でも責任あるポジションの方も多いので「コロナにかかっちゃいけない」という気持ちが強いのですが、ホストクラブに通う女性は、どちらかというと、単身女性が多いので、どこかで「かかっても人に迷惑かけないから」って気持ちもあったのかもしれません。
ひとりだと、寂しさも大きいし。
ーーみなさん、ホストに恋をしているということですか?
色恋(※色恋営業の略。疑似恋愛をすることで、お客さんにお金を使ってもらう営業方法)ってどこかで分かっていても、気づいたら沼っている人が多いんじゃないでしょうか。
ちなみに私はシャンパンを開けてもほとんど飲みませんでした。
「担当(※自分が指名しているホスト)のためにお金を使っている」という感覚が大事で。
ーーホストもお客さんに恋をすることがある?
私がつきあっていると思っていても、それがホストにとって、本当の恋かどうかは……本人にしかわかりません。
いろいろな営業方法があって、色恋や、本命(※本命営業の略。お客さんに本当の彼女のように接することでお金を使ってもらう営業方法)など。
お客さんのほうは、お金を使えば使うほど「これだけ使ったんだから!」みたいな気持ちになりますよね。最初の「セックスとは」という質問で、ゴールって答えたのもそれです(笑)
はい。私も最初はお会計を見て「え! これで1万円!? 高っ!」って思っていたんですが、それが、5万になり、10万になり……。いつの間にか「5万円! 安っ!」ってなってました。普通だった金銭感覚も少しずつおかしくなっていくんです。
私が使った額は、3年間で約1000万くらい。月30万計算なので、業界的には凄く少ないほうだと思います。
ーー月30万円もすごく多い印象です。
ホスクラに行くと、周りの女性が当然のように数十万、数百万のシャンパンを開けるんです。
「100万入れないとオールコール(※店内のホストが全員集まってのシャンパンコール)しない」っていうお店もあります。隣の卓でシャンパンが空いてるのを見て「私も負けたくない」って。女性同士の戦い的なところもあるかな。
「1000万円ホスクラで使えるけど、1000円のアイライナーを買うのに躊躇する」みたいな金銭感覚です。
ーー通うためのお金が足りなくなったら?
ホス狂いの7割くらいは、キャバクラや風俗などのお仕事を始めるようになるケースが多いと思います。私はキャバクラをやっていました。
夜のお仕事は、自分を綺麗にしないと稼げないので、ホスクラに通い始めたのをきっかけに、ホス狂いの女性はどんどん可愛く、派手になっていく感じです。
ーーコロナ禍で夜の街が特に打撃を受けたというニュースもありましたが、どうでしたか?
私の働いていたキャバクラは大打撃を受けましたね。
周りのホス狂いには、掛け(※売り掛けの略。お客さんの飲食代をホストが一時的に立て替え、後日返済してもらうシステム)を払うために、キャバクラを辞めて、もっと稼げるメンエス(メンズエステ)や、風俗を始める子もいました。
それに比べるとホストクラブはコロナの影響が少なかったんじゃないでしょうか。
ーーそれはなぜですか?
キャバクラのお客さんは家族がいたり、会社でも責任あるポジションの方も多いので「コロナにかかっちゃいけない」という気持ちが強いのですが、ホストクラブに通う女性は、どちらかというと、単身女性が多いので、どこかで「かかっても人に迷惑かけないから」って気持ちもあったのかもしれません。
ひとりだと、寂しさも大きいし。
ーーみなさん、ホストに恋をしているということですか?
色恋(※色恋営業の略。疑似恋愛をすることで、お客さんにお金を使ってもらう営業方法)ってどこかで分かっていても、気づいたら沼っている人が多いんじゃないでしょうか。
ちなみに私はシャンパンを開けてもほとんど飲みませんでした。
「担当(※自分が指名しているホスト)のためにお金を使っている」という感覚が大事で。
ーーホストもお客さんに恋をすることがある?
私がつきあっていると思っていても、それがホストにとって、本当の恋かどうかは……本人にしかわかりません。
いろいろな営業方法があって、色恋や、本命(※本命営業の略。お客さんに本当の彼女のように接することでお金を使ってもらう営業方法)など。
お客さんのほうは、お金を使えば使うほど「これだけ使ったんだから!」みたいな気持ちになりますよね。最初の「セックスとは」という質問で、ゴールって答えたのもそれです(笑)
初体験は20歳。相手はホストだった
ーーでは、ホストの方とセックスした経験も?
はい。初体験もホストの方でした。経験人数の25人のうち23人がホストです。
1000万プレイヤーのホストとかとそういう関係になると「自分は女性としての価値がある!」と思えるし、「みんながセックスしたいと思っている人とできた!」みたいな達成感も味わえます。
ーーホストにハマる理由はほかにもあるのでしょうか
ホストって、その時いちばん欲しい言葉をくれるんです。
たとえば仕事で悩んでいる時は、真剣に話を聞いてくれる。一般の男の人に相談ごとをすると、その言葉の先に下心を感じてしまうこともあるじゃないですか。
でも、ホストはセックスがしたいわけじゃなくてお金が欲しいから、自分がその時いちばん欲しい言葉で慰めてくれるというか……。
それに慣れてくると一般の男の人と話すのがどんどん面倒になっていくし、お金を払ってホストと恋愛するほうが楽だなって。
はい。初体験もホストの方でした。経験人数の25人のうち23人がホストです。
1000万プレイヤーのホストとかとそういう関係になると「自分は女性としての価値がある!」と思えるし、「みんながセックスしたいと思っている人とできた!」みたいな達成感も味わえます。
ーーホストにハマる理由はほかにもあるのでしょうか
ホストって、その時いちばん欲しい言葉をくれるんです。
たとえば仕事で悩んでいる時は、真剣に話を聞いてくれる。一般の男の人に相談ごとをすると、その言葉の先に下心を感じてしまうこともあるじゃないですか。
でも、ホストはセックスがしたいわけじゃなくてお金が欲しいから、自分がその時いちばん欲しい言葉で慰めてくれるというか……。
それに慣れてくると一般の男の人と話すのがどんどん面倒になっていくし、お金を払ってホストと恋愛するほうが楽だなって。
23歳でホストクラブを卒業した理由
ーーホストクラブに3年通った後、卒業したのには理由があるのですか?
目標を達成したからだと思います。
私は学生時代にやんちゃができなかったので「青春を取り戻したい!」と思ってホスクラに通い、ホストたちとワイワイやって「青春を取り戻した」と思えたタイミングでやめた感じです。
ーー後悔はしていないですか?
最初はめちゃくちゃ後悔しました。
でも、時間が経って「楽しかったからいいや!」と思えてきて。私の周りの卒業した子も「ガチで後悔してる」っていう子は少ないような気がします。
どこかで「やり切った」って思ってるのかも。自分の意思で通っていたわけだし。
一方で、担当が切れても、すぐに新しい担当を見つけて、ずっとホス狂いから抜け出せない話も聞きます。
ーーその方たちは、ホストが生きがいになっているということでしょうか?
そうですね。常に心のよりどころを求めているんだと思います。母性本能というか……。
ーー佐倉さんは、もう通うことはない?
もうないと思います。
挑戦したい仕事があったのも大きいかも。今はやりたい仕事をやることができて、そこにやりがいを感じています。
この夢がなかったら、担当のナンバーワンになりたいという夢が、今も自分の夢や生きがいになっていたかもしれません。
目標を達成したからだと思います。
私は学生時代にやんちゃができなかったので「青春を取り戻したい!」と思ってホスクラに通い、ホストたちとワイワイやって「青春を取り戻した」と思えたタイミングでやめた感じです。
ーー後悔はしていないですか?
最初はめちゃくちゃ後悔しました。
でも、時間が経って「楽しかったからいいや!」と思えてきて。私の周りの卒業した子も「ガチで後悔してる」っていう子は少ないような気がします。
どこかで「やり切った」って思ってるのかも。自分の意思で通っていたわけだし。
一方で、担当が切れても、すぐに新しい担当を見つけて、ずっとホス狂いから抜け出せない話も聞きます。
ーーその方たちは、ホストが生きがいになっているということでしょうか?
そうですね。常に心のよりどころを求めているんだと思います。母性本能というか……。
ーー佐倉さんは、もう通うことはない?
もうないと思います。
挑戦したい仕事があったのも大きいかも。今はやりたい仕事をやることができて、そこにやりがいを感じています。
この夢がなかったら、担当のナンバーワンになりたいという夢が、今も自分の夢や生きがいになっていたかもしれません。
取材・文/毒島サチコ