• ドラマ『カラフラブル〜ジェンダーレス男子に愛されています。〜』の現場はどんな感じ? ドラマ「カラフラブル〜ジェンダーレス男子に愛されています。〜」の現場は同世代の共演者が多くて、いい意味でリラックスしながら楽しめています。僕が演じているのは、主人公・和子(吉川愛さん)の同期でファッション雑誌の編集者、三輪玲(さとし)という役です。三輪は明るい性格のキャラクター。僕は普段、自分から積極的に誰かに話しかけることはあまりないんですけど、今回の現場では三輪と同じようなテンションで共演者のみんなに明るく話しかけたりしています(笑)。「どこに住んでるの?」とか「休みの日は何してるの?」とか「出身はどこなの?」とか本当にオーソドックスな質問をしたくらいなんですけど、みんなと打ち解けてきた気がするから、勇気を出して話しかけてよかった! ◆今のドラマの役柄について感じていることや、演じる面白みとは?
    今回、僕が演じている三輪玲はファッション誌の編集者。専属モデルをさせていただいている「MEN’S NON-NO」の現場でもそうですし、今日のような撮影の現場でも、ありがたいことに実際に雑誌のスタッフさんと接する機会がたくさんあるので、役をいただいてからは現場で編集の皆さんの動きをあらためて観察したりしました。撮影中、カメラから写真が転送されてくるモニターを見ながら、「かっこいい」とか「手を顔に添えてみる?」とかいう声がよく飛び交うんですけど、今回のドラマのそういうシーンは、ほとんどがアドリブなんです。自分でもびっくりするくらいアドリブがポンポン浮かんできて、これまでの現場での経験を活かすことができました。
    でも、まだまだ僕は役者の仕事には課題が山積みで。少し前までは、気持ちを作り込むと発声に意識が向かなくて、もどかしく感じていたんです。それを近くで見ていた水野美紀さんが空き時間に発声に関するアドバイスを下さって。水野さんはすごく丁寧に向き合ってくださるんです。だから僕も自分から“どうしたら役に入った上で滑舌良くセリフが言えるようになるのか”を質問しに行きました。そうして練習するうちに、ふと自分の中で掴めたものがあったんです。きっとドラマを観てくださる方にとっては些細なことだと思うんですが、僕の中では大きな壁を一つ乗り越えた実感がありました。こんな風にステップアップできたと思う瞬間に、役者としてすごくやりがいを感じます。

    ◆もともと演技に興味があったんですか?
    中学・高校生の頃、放課後によく「ゲオ」や「TSUTAYA」で映画をレンタルして観ていたんです。借りるのは決まってハリウッド映画。『パルプ・フィクション』とか大好きでしたね。そんな毎日を送るうちに、「お芝居って楽しそうだな」という気持ちがむくむく芽生えてきた。それが、役者の仕事に興味を持った最初のきっかけでした。『ダークナイト』のヒース・レジャーがカッコよくて「こんな演技がいつかできるようになりたいな」って思ったりしていましたね。
  • モデル業と役者業、中川さんの中で入れるスイッチって、違ったりしますか? 僕の中でモデルの仕事は“MEN’S NON-NOの専属モデル”っていう意識がすごく強いんですよね。今年で5年目になるんですけど、スタッフの皆さんと一緒に雑誌を作り上げていく過程がすごく楽しいし、ホームだっていう安心感があります。役者の仕事はそこから旅に出ていく感じ(笑)。スチールはカメラを意識した方がいいと思うんですけど、映像は逆にカメラを意識しない方がいいところが一番の違いかもしれません。でも、カメラの前で何を求められているかを考えながら表現するという意味では、モデルも役者も変わらないのかなと思います。 ◆台詞を覚えるのは早い方ですか?
    結構早い方だと思います。この間、15ページくらいの長台詞があったんですけど、それは散歩しながら覚えました。自宅から渋谷まで徒歩で片道2時間半くらいかかるんですけど、歩きながらボソボソ台詞を繰り返していたら、自宅に帰るまでの合計5時間の間にすっと頭に入っていました。歩きながら暗記するのって効率がいいのかもしれないです(笑)。ちゃんと準備して現場に臨みたいから、テストの一夜漬けみたいな感じじゃなくて、台詞をきちんと体に馴染ませたいんですよね。
    最近は、台本には書かれていない生活シーンや行動パターンを想像するのも楽しいんです。その時いただいている役の性格を想像して、プライベートな時間もそのキャラで人に接してみたりしています。
    例えば初めて行く美容院とかで(笑)。僕のことを知らないから、バレないじゃないですか(笑)。スマホの機種変更をするときも「この役だったらこういう風に喋るかな?」とか、店員さんとの会話でトライしてみたりします。今のドラマで演じている玲は縦にぴょこぴょこ歩いたりするので、最近はちょっとだけ意識して過ごしてますね。途中で集中力が切れて素に戻っちゃうこともあるんですけど、ちょっとの間だけでも役に入れると感覚が掴めるかなって。
  • ドラマの見どころを教えて! 板垣李光人さんが演じている周(めぐる)くんがとにかく可愛くて、それにオタクなリアクションをする和子ちゃんの気持ちに、僕自身もすごく共感できます。水野美紀さんが演じるあさひ編集長と、桐山蓮さん演じるモデル・キラの掛け合いからも目が離せません! 僕自身は、第5話で重要なシーンを演じさせていただいています。編集部でキラ様の新企画が立ち上がって担当になるんですけど、失敗したくないという気持ちから安直な企画で逃げようとしちゃうんです。でも、あさひさんや和子に背中を押されて本当にやりたいと思う企画を貫くことで、編集者として成長していく様を演じました。いざ企画が通った後もトラブルが多発して……。そんなふうに、もがきながら仕事を達成する玲を見守っていただく中で、視聴者の皆さんに「自分もやりたいことを思い切ってやってみよう」という気持ちになっていただけていたら、うれしいです! ◆目標としている俳優さんがいたら、教えてください。
    堺雅人さんです。以前、「本当に良い芝居は観ている人のためにする芝居だと思う」という内容のお話しをしているインタビュー記事を読んで、すごく感銘を受けました。そのスタンスも、僕の中で課題となっている発声も、すべてが憧れであり、目標。少しでも近づけるように頑張りたいです。

     ◆今後は、どんな役に挑戦していきたいですか?
    どんな役でも安定したお芝居ができるようになるのが目標です。「この役者さんが出てるから安心」と思って頂けるような存在を目指したいですね。でも今すぐ挑戦してみたいのは学生役。実はまだ、制服を着た役を演じたことがないんですよ。人生で一度は王道の学園ラブコメディに挑戦してみたいなって思います!