山崎育三郎
「今日はすごくリラックスして本当にプライベート感覚で撮影に臨めました」と話してくれた、ミュージカル界のプリンス・山崎育三郎さん。ジャンルを問わず活躍の幅を広げる彼の“すっぴん”をクローズアップ。
2021年MORE10月号掲載企画から、インタビュー記事をお届けします。
  • 山崎育三郎さん
    人が好き。いつも丁寧でいたい 山崎さん「僕は人が交わることで生まれる化学反応にいつでも敏感でありたい。だから、新しい出会いを大切にしたいし、ご縁があった人とはまっすぐ向きあってわかりあいたい。つい先日3時のヒロインさんとコラボ曲のMVを撮影したんですけど、それは彼女たちが僕のラジオ番組にゲストで来てくれた時に僕が即興でピアノを弾いてリクエストしたパフォーマンスがとても素晴らしかったのがきっかけで実現したこと。尾上松也&城田優と結成したIMYプロジェクトも友人関係から生まれたエンタメですし。望まれるパフォーマンスを追求するのも好きだけど、プロデューサー目線でのものづくりにも熱くなる性分だと思います」
  • 山崎育三郎さん
    仕事のライブ感はいつも楽しいし、いつも緊張する 山崎さん「少し前から仕事の幅がグッと広がって、ミュージカルや舞台だけじゃなく、映像の仕事もいただけるようになりました。どのジャンルも本当に充実していますがやっぱり、生のステージのライブ感はほかの何ものにも代えがたいものだと思います。その空間にいる人たちしか味わえない空気感や感動が、絶対的にあるんですよね。公演数の多い演目だとしても、その瞬間は一度きり。そう思うと何回同じステージに立っても緊張してしまう自分がいるんですが、それ以上にお客様の空気感をキャッチしながら表現していくことが最高に楽しい。常に新鮮な舞台が生み出せますから」
  • 山崎育三郎さん
    落ち込まないし、比べない 山崎さん「仕事でも人間関係でも、自分と人を比べてしまいたくなるシーンってありますよね。SNSのある現代はなおさら。でも、比べて落ち込んだりしてる時間ってもったいないと思うんです。その時間を好きなことをしたり睡眠に当てたほうが心も体も健やかでいられるんじゃないかな。僕がそんなふうに考えられるようになるきっかけをくれたのが、ミュージカル『レ・ミゼラブル』。21歳の時に憧れのマリウス役のキャストに加えていただいたんです。4人いるキャストの中では僕がいちばん年下。僕以外のお三方は大先輩だったので、公演後、ファンの方から『レミゼをわかってない』と叱られることもありました。落ち込みそうになったんですが、それを知った演出家の方が『とにかく自分自身と向きあって、どうしたいかを考えて表現しなさい』というアドバイスをくださったことで気持ちがふっきれた。そして、自分らしく演じた瞬間から徐々に認めていただけるようになりました。その経験を経て、人と比べるより自分と向きあうことのほうが大切だと思えるようになったんですよね。そんなふうに自分のことを認められるようになると、自然と他者を否定するのではなく、受け入れることができるようになる。それってとてもポジティブなことで、あらゆることを前向きに進めてくれる気がするんです、仕事だけじゃなく恋愛もうまくいくようになるんじゃないかな。これはあくまで持論ですけど、周囲を見渡してもそう感じます」
  • 山崎育三郎さん
    やまざき・いくさぶろう●1986年1月18日生まれ、東京都出身。ミュージカルを中心に舞台、映像作品など、幅広く活躍。ニューシングル『誰が為』が発売中。収録曲『僕のヒロインになってくれませんか? feat. 3時のヒロイン』も話題。秋には映画『ミュジコフィリア』の公開、11月20日からはIMYプロジェクト初のオリジナル舞台作品『あくと』を上演予定